はじめに
本記事は、Google Cloud Next ’26のセッション「What’s new in AlloyDB: Scale PostgreSQL for agentic AI and hybrid clouds」ついての記事となります。
読み取り負荷分散の自動化、よりメンテナンスコストを削減したアップデートなど、弊社ではAlloyDBを積極的に導入しているので注目のセッションでした。
ただ、このセッションも人が少なかった・・・。AlloyDBは良いサービスなんだけどな・・・。
AlloyDB for PostgreSQL の全体像とポジショニング
AlloyDBについて改めての解説。これ強調しないといけないくらい認知度無いのかな(笑) 弊社は使ってます!
- AlloyDB = 高性能なマネージド Postgres エンジン
- オープンソース PostgreSQL のエコシステム と、Google のインフラ技術 を組み合わせたサービス
- 標準 Postgres より大幅に高い性能(トランザクション/分析クエリともに高速)
- 主な特徴
- 高可用性(HA):フェイルオーバーやスタンバイ構成を前提とした設計
- セキュリティ:サービスレベルでのセキュリティ機能が組み込み
- Autopilot 的な運用自動化:スケール、チューニング、管理作業を簡素化
- 価格性能比: 自己管理型のPostgresと比較して、最大2倍の価格性能比を実現
- スケーラビリティ: ストレージは最大128TBまで自動拡張し、読み取りは5,000 vCPU以上、書き込みは最大288 vCPUまでスケール可能
- ハイブリッド/マルチクラウド:
- Google Cloud 上だけでなく、他クラウドやローカルマシンでも動作可能(Omni)
- 開発・検証から本番まで一貫したエンジンを利用できる
- ユニファイドエンジン:
- OLTP(トランザクション)と OLAP(分析)を同一エンジンで処理
- 分析クエリで 最大 4x 高速 といった性能改善が強調
単純コストではなく価格性能比という見せ方をしているのが新しいアプローチだなと。コスパ!
スケール規模もまず普通のアプリケーションではここまで使わんだろうというところまで拡張可能は本当に大きい。
パフォーマンスも改めて強調

標準的なPostgreSQLと比較した際の圧倒的なスピードが強調されています。
- トランザクション処理: 4倍高速
- 分析クエリ: 100倍高速
- ベクトル検索: AI活用に欠かせないベクトル検索が4倍高速
- 書き込みスループット: 10倍向上
- メモリ効率: 使用メモリを3〜4分の1に削減
エンタープライズ向けの新機能
高性能を売りにしているAlloyDBですが、今回は企業がより積極的に本番環境で採用するために必要な「安定性」と「運用性」のアップデートが発表されました。

- Next-Gen Hardware (GA): 最新のC4やZ3マシンタイプに最適化
- Read Pool Autoscaling (Preview): 需要に合わせて読み取りレプリカを自動増減
- Compliance: IL5やITARなどの高度なセキュリティ基準への対応
- Managed Connection Pooling (GA): 接続管理を簡素化しリソース効率を向上
- PG18 Support (GA): 最新のPostgreSQL 18に対応し、インプレースでのメジャーアップグレードが可能
- IAM Group Auth (Coming Soon): IAMグループによるセキュアなアクセス制御
可用性・信頼性・セキュリティといったエンタープライズに求められる要素をより強化してきた印象です。
PostgreSQL 18へのインプレースアップグレードも地味にすごい。
Transparent Query Forwarding – TQF
アプリケーション側のコードを変更せずにパフォーマンスを向上させる新機能が発表されました。
プライマリノード(書き込み用)に届いた読み取り専用クエリを、AlloyDBが自動的に判断して「読み取りプール(Read Pool)」へ転送するといったものになります。

- Transparent Query Forwarding( TQF)の目的
- アプリケーション側にコード変更をほぼ要求せず、読み取りクエリをレプリカや専用プールに自動的に振り分けることで
- プライマリへの負荷を低減
- リソース利用効率を最大化
- アプリケーション側にコード変更をほぼ要求せず、読み取りクエリをレプリカや専用プールに自動的に振り分けることで
- セッション中でのデモのポイント
- SQL Server から AlloyDB へモダナイズした投資取引システム
- 月曜朝の取引開始時のような、大量の read / write トラフィックをシミュレート
- TQF 有効化前
- 読み取り・書き込みともにプライマリへの負荷が高い
- TQF 有効化後
- 読み取りクエリが AlloyDB のプール/レプリカ側へ自動転送
- プライマリの負荷が目に見えて軽減、アプリケーション側コード変更なしでスケール
高性能データベースから拡張し続けるインテリジェントなデータベースへ
今回の発表で、「止まらない」運用インフラとしての強化、アプリ改修不要の「完全自動スケーリング」、ガバナンスとセキュリティの強化と高性能データベースという位置付けでも充分だったところにさらなる補強がされ、よりエンタープライズ向けのデータベースへの仕上がった印象です。DMSとの組み合わせでOracleからマイグレーションしていく事例も今後増えていくだろうと予感しました。
