Google Cloud Next ’24で行われたセッション「How iConstruye reduced time-to-market by 25% with Google Kubernetes Engine and AlloyDB」のレポートです。
セッションのタイトルは建設業界向けのデジタルソリューションを提供するiConstruyeがGoogle Kubernetes EngineとAlloyDB を使用して市場投入までの時間を25%短縮した方法というものですが、内容はレガシーアプリケーションのモダナイズによるコストとリリース(市場投入)の改善というものでした。
Google Cloudパートナーであり、提供サービスにインフラ、アプリケーションのモダナイズを掲げるAXMOS Technologiesがどのようなアプローチを行ったか興味があり聴講しました。
アプリケーション領域のVMを移行
まず135台のVMをマルチゾーンの Google Cloudに移行することに成功し、ITコストを32%削減した後、Google Kubernetes Engineでコンテナ化して、市場投入までの時間を25%短縮することに成功したと説明していました。
これは段階的なモダナイゼーションを実施したということであり、コスト効率→後述のリリースサイクル改善というステップを踏んでいます。
VMはおそらく物理ハードウェア(オンプレミス)上で動いている仮想マシンを言葉通り指すものです。
データベースのモダナイズ
データベースレイヤーのモダナイズについて。
SQL ServerからAlloyDBへの移行を実施。
初期データ移行は後述の図にもある通り、Google Cloudのデータ移行パートナーであり、データストリームサービスのStriimを採用しています。
Striimは移行は完了し、全体をカットオーバーするまでの継続的なデータ変更の整合性も担保してくれるとのこと。
Striim + AlloyDBという組み合わせで、自前でゴリゴリ移行するのではなく最適な外部サービスを選択しています。
※左の見えにくいアイコンですが、インメモリ処理用にRedisを使うため利用しているCloud MemoryStoreです。
各クラスタが参照するデータベースは2つに分かれており、インメモリ処理のCloud MemoryStoreに障害があった場合を想定し、プライマリはよりスペック高いものに分けています。
データベースとメモリ領域では高速なアクセスが必要なため、オンプレミスの時はハードウェア(SSD ドライブ)を設置切り替えする際に問題が発生したりしたが、クラウドではその心配は無いとも話していました。
アプリケーションとCI/CDのモダナイズ
アプリケーションをWindowsベースではなくLinuxベースで動作する.NET Coreに移行しパフォーマンス、コスト、スケーラビリティを改善。
その結果、Google Cloudが提供するサービスとの親和性を上げ、より前述の3つの効率をさらに上げることに繋がっています。
そしてコードの最新化にはVicuna LLMを利用し、作業効率を向上、CI/CDパイプラインまで整備し、リリースサイクルも改善。
全部モダナイズした事例
このセッションで特徴的なのは、インフラだけではなく、アプリケーション、CI/CDのリリースサイクルまで全てモダナイズしており、ワンストップでやりきっているという点です。
やるなら顧客のことを考え、全部新しくして、満足する結果を出す!というところ。
モダナイズは弊社では積極的にお客様を支援していく領域であり、ワンストップこそ弊社が掲げているポリシーです。
弊社もこういった事例を多く排出できるように努力します!