はじめに

本記事は、Google Cloud Next ’26のセッション「What’s new in AlloyDB: Scale PostgreSQL for agentic AI and hybrid clouds」ついての記事となります。

AI関数、検索機能の充実の観点から、AlloyDBがこの先どうなっていくのかをレポートします。

ベクター検索機能の大幅な強化

まず、AI(生成AI)との親和性を高めるためのベクトル検索機能の大幅な強化が発表されました。

  • AI 機能の中核:ベクター検索
    • ベクター = コンテンツの意味(セマンティクス)を表す数値リスト
    • ベクター間の距離で「どれだけ意味的に類似しているか」を評価
    • AlloyDB では、ベクターをネイティブデータ型としてサポート
  • 性能強化
    • ScaNN(スキャン)インデックス: Google検索で長年培われたアルゴリズムを導入
      • 標準的なPostgreSQLと比較して、検索で最大10倍、インデックス作成で最大16倍高速
      • メモリ使用量を4分の1に削減し、100億ベクトル規模までスケール可能
    • オープンソースのpgvectorよりも最大4倍高速
    • Vector Assist
      •  SQLのフィルタリングとベクトル検索を動的に最適化し、埋め込み(Embedding)の自動生成もサポート
      • ベクター検索を SQL クエリの一部として統合し、オプティマイザが最適化

AlloyDBに搭載する究極のハイブリッド検索エンジン

「ベクトル検索」と、従来の「全文検索(キーワード検索)」を組み合わせたハイブリッド検索の利便性が強調されて解説されました。

  • ハイブリッド検索UDF
    •  ai.hybrid_searchという関数(ユーザー定義関数)を使うことで、アプリ側で複雑なロジックを書かずに、RRF(Reciprocal Rank Fusion)アルゴリズムを用いた高精度なランキング結果を取得可能
    • キーワード検索(完全一致・インデックス検索) とベクターによる意味検索 を組み合わせる新しい ハイブリッド検索
  • BM25ランキング
    • 最新の全文検索アルゴリズムをネイティブでサポート(近日公開)
  • Elasticsearch連携
    • 既存のElasticsearchバックエンドとの統合もプレビュー公開

究極!って言いすぎじゃないかと思いますが、Ultimateって書いてあるしな・・・。Elasticsearchの連携はしなくても、もう置き換えちゃっていいと思いました。

新しく最適化されたAI関数

そしてSQLから直接AIを呼び出すための関数群のアップデートが発表されました。

  • 新しい関数: ai.analyze_sentiment(感情分析)や ai.summarize(要約)が追加
  • 予測関数 ai.forecast: Googleの時系列基礎モデル「TimesFM」をベースにしており、Vertex AI上のモデルを呼び出して、SQL上で将来の数値を予測可能
  • 最適化された ai.if: 低コストかつ高性能な処理を実現

アプリケーション開発においてRDBはAlloyDBが選択の第一候補になる

発表されたアップデートからAlloyDBが単なるリレーショナルデータベースではなく、「生成AI時代のデータプラットフォーム」として進化しようとしている姿勢が伺えました。

特に「SQLだけで高度なAI処理(検索・要約・予測)が完結する」点と、「ついにGoogle検索の技術(ScaNN)をデータベースに持ち込んだ」点が、競合に対する大きな差別化ポイントとなっています。

高性能な上にだいたいのことができるようになるので、とりあえずAlloyDBでアプリケーション組み上げておいて、より深いことやりたくなったら特化したサービスへの展開を考えるという選択肢も取れてしまうなと。