Kiroには、プロジェクト固有のルールや設計方針をAIへ継続的に伝える Steering という機能があります。
以前の記事では Spec や Hook を紹介しましたが、今回は Steering に注目します。
Steering を利用することで、プロジェクトの目的や技術スタック、ディレクトリ構成などを Markdown ファイルとして管理し、Kiro が継続的に参照できるようになります。
今回は公式ドキュメントをもとに、以下を実際の画面とあわせて確認していきます。
- Steeringとは何か
- Generate Steering Docsとは何か
- Refineとは何か
Steeringとは
Steering は Markdown ファイルを利用して、プロジェクト固有の知識を AI に継続的に与える機能です。
例えば、以下などを保存しておくことで、Kiro はそれらを考慮しながら開発を進めます。
- プロジェクトの概要
- 技術スタック
- ディレクトリ構成
- コーディング規約
Generate Steering Docs を試す
Steering はゼロから作成するだけではありません。
Kiroでは Generate Steering Docs を実行すると、リポジトリを分析し、基本となる Steering を自動生成できます。
まず、左側の Agent Steering & Skills の + ボタンをクリックします。

次に Project steering files を選択します。

すると Kiro がリポジトリを分析し、Steering を生成します。

今回のTerraformプロジェクトでは、以下の3ファイルが生成されました。
- product.md
- tech.md
- structure.md
公式ドキュメントでも、この3つが基本となる Steering ファイルとして紹介されています。
Refineで内容を改善する
生成されたSteeringは、そのまま利用するだけではありません。
各Steeringファイルには Refine ボタンが用意されています。

Refine を実行すると、Kiro が既存の内容をもとに、より詳細な Steering へ改善してくれます。
実際に product.md を Refine すると、以下などが追加され、プロジェクトの背景や各AWSサービスの役割まで整理されました。
- Purpose
- Key Components
- Service Selection Guidelines
右側のチャットでは、どのような内容を追加したのかも説明されます。

Steeringの読み込み
公式ドキュメントでは、Steeringには複数の読み込み方法(Inclusion mode)が用意されています。
- always
- fileMatch
- manual
- auto
今回 Generate Steering Docs で生成された product.md には、以下が設定されていました。
--- inclusion: always ---
これは、常にAIのコンテキストへ含める設定です。
Specとの違い
SteeringとSpecは役割が異なります。
| 機能 | 役割 |
|---|---|
| Steering | プロジェクト全体で利用する知識・ルール |
| Spec | 要件・設計・実装計画 |
Spec は機能開発を進めるためのワークフローですが、Steering はプロジェクト全体で利用する知識を保持するための仕組みです。
まとめ
Steering は、Kiro がプロジェクトを理解するための知識を Markdown ファイルとして管理する機能です。
Generate Steering Docs を利用すると、以下を自動生成でき、そこから Refine によって内容を改善していくことができます。
- product.md
- tech.md
- structure.md
まずは Generate Steering Docs で基本となる Steering を生成し、内容を確認しながら Refine を活用することで、プロジェクトに合わせた Steering を整備できます。