はじめに
DX開発事業部の田村です。
6/20(木)と6/21(金)に幕張メッセで開催されるAWS Summit Japan 2024の1日目に参加してきたので、聴講したセッションの紹介と所感を書いていきたいと思います!
会場入り
開場は8時半でしたので、30分ほど早く会場の幕張メッセに向かいました。会場30分前からすでに並んでいる人が割と居ましたが、4列進行ですんなりと入場しました。開場してからはかなり混んでいたようですので、早めに会場入りをして正解でした。
基調講演の会場もまだ人が全然居らず、広々としていました!
早期入場者限定の基調講演の指定席とお弁当の引換券は無事に入手できました。
指定席に着くと、AWS Summitのクッションが置いてありました!
お尻が痛くならないようにと粋な計らいですね!
基調講演
基調講演はオープニングトークから始まり、数人のスピーカーの方々によってAIの歴史や生成AIを使った活用事例、AWSの最新情報について発表がありました。
AIの歴史と生成AIの活用事例
「AIが機能し始めたら、もはや誰もAIと呼ばなくなるだろう」といきなりキャッチなフレーズから始まりました。
このフレーズを説明すべく、これまでのAIの歴史について言及されていました。
遡ること3000年近く、プラトンやアリストテレスの時代から機械が自動化するということを考えていたそうで、プラトンは世界の人型ロボットが家事をする様子を説明していたとのこと。人間が普段使っている感覚をうまくエミュレーションできれば、機械による自動化は可能だということですが、数千年も前から今のような未来を予想されていたのは正直驚きました。
そしてAIの発展の歴史として「トップダウンの潮流」と「ボトムアップの潮流」について説明していました。
トップダウンの潮流:エキスパートシステム
ボトムアップの潮流:具現化されたAI
前者は具体的に人間の脳からのトップダウンでAIを学習させていたことを指し、後者は人間の使っている感覚を使ってうまくエミュレーションさせてAIを学習させる動向のことでした。そして深層学習、強化学習、教師なし学習、トランスフォーマーなどが登場し、大規模言語モデル(LLM)が最新テクノロジーとして誕生しました。
スピーカーの説明では特にこちらのフレーズが印象に残りました。
- LLMはマラソンでいうと最初の3歩ぐらい
- 気にするべきはAIで今何ができるか
生成AIが徐々に社会に浸透してきてはいるが、まだまだ活用方法の模索段階であるということ。今は初期段階ということで生成AIはトレンドになっているが、今後さらに身近にある当たり前の存在として生成AIが使われるようになると、冒頭でも言っていたようにAIと呼ばなくなる(意識しなくなる)ようになるのだと思いました。
そして、「AIで今何ができるか」というところで各企業の事例をいくつか紹介されました。(以下一部抜粋)
事例1:AIによる農業問題の解決
取り組み:小規模農家にアイデンティティを与えるべく、データをAIを使って収集し作業の効率化
概要:未処理のコメなどの収穫物は貯蔵できる時間が短いということで、速く処理をする必要があり、この部分で種の仕分けをしたり、使える種を残したりなどで課題があった。AIの画像認識を使いシンプルなシステムで解決していくことができる。特に農家で読み書きができたない人でも、音声を通じて肥料の最適化など農業に関する情報を得ることができる。
事例2:生簀の温室管理
取り組み:生成AIを使って温室管理を行う精密農業の実現
概要:全ての人にとって重要な栄養素であるタンパク質を提供するために魚を養殖している。巨大な生簀ごとに20万匹の魚を養殖しており、1匹でもウオジラミを発症すると生簀全体に広がるため、生成AIを使い1匹ごとに魚を管理している。
事例3:AIとドローンの活用
取り組み:AIとドローン技術を使い、到達困難な地域にワクチンを提供する。
概要:障害物の回避や無人走行、安全性をAIを使ったアプローチで解決し、到達困難な地域に住む患者にワクチンを送り届けている。
事例4:スウェーデンの医療分野
取り組み:蓄積した乳がんの検査データをAIで分析して、より多くの人の診断に利用して人を救う
概要:スウェーデンでは50歳以上の女性は2年ごとに乳がん予防で審査をしており、何万人の女性が検査を受けるため画像データが蓄積されている。これらをAIで分析してより多くの人の診断に使えるようにしたり、ヘルスケアのない国への提供も可能としている。
Anthropicの活動
冒頭ではAIの拡張の法則について触れ、AIの知能は予測的に向上させられる。
テクノロジーは段階を経て成長するが、AIは今は変革が始まったばかりで従来よりももっと拡張し続けるとも述べていました。
Anthropicは目的として「信頼性の高いもっと高度なAIシステムの作成」を掲げており、エンタープライズ向けに提供している複数の基盤モデルについてご紹介いただきました。
Claude 3 Opus:最上位の知能を持ったモデル
Claude 3 Sonnet:技術とスピードのバランスの取れたモデル
Claude 3 Haiku:速度が速くコンパクトなモデル
AWS上のClaude 3を使うことで「プライバシー」「安全性」「セキュリティ」を確保でき、他のモデルと比較しても業界をリードするしていると述べていました。
安全上の制約に準拠して、自らの能力を超えないように調整されているということで、将来的に考えられうるAIを使う上でのリスクに関しても最大限の考慮をされていることがわかりました。
最新情報
Claude 3 Tokyoリージョン対応
ついに東京リージョンでも使えるようなります!7月から提供予定のようです。
Amazon Q Businessの日本語対応
東京リージョンにてAmazon Q Businessが日本語でローンチされました!
専用チップの発表
コストパフォーマンスを高める専用チップが発表されました。
新しい資格の発表
AWS資格マニアとしは嬉しい新しい認定資格の発表です!
リージョンの追加
新規に7つのリージョン、21のAZを追加予定。
AWSの支援プログラムの発表
いくつかAWSによるAIの支援プログラムが発表されました。
認定者ラウンジ
基調講演が終わってすぐにAWS資格取得者向けの認定者ラウンジに行きました。基調講演終わりだったのもあり、長蛇の列になっていて受付までかなり時間がかかりました。
取得可能なAWS認定資格は全て取得していたので、景品のウォーターボトルと資格ごとのステッカーをたくさんいただきました!
クッキーは飛行機移動で割れるかなと思っていたら案の定割れてしまってました。。
ステッカーは去年のものより2回りくらい大きかったです。
資格学習を頑張って良かったと思いますし、来年以降も継続的に学習していきたいなとも思いました!
さいごに
初日の基調講演から内容もりもりで、AIを使った活用事例や最新情報の発表など興味深い話題がたくさんありました。生成AIが普及してきて、さまざまな場所や分野で活用が広がる中で社会を取り巻く環境もかなり変わってきているように思います。
これからもAWSと生成AIの動向に目が離せないですね!