こんにちは!

KDDIアイレットの取り組みとして、8月17日から8月28日まで開催中の「Google Cloud 夏休み自由研究ブログリレー」、本日は11日目の投稿です。

今回は「Google Cloud を活用して円周率を100兆桁まで計算した事例」についてご紹介します!

これまでの記事はこちらです。

記事一覧はこちら

Google Cloud を活用して円周率100兆桁を計算

今回紹介するのは、みんな大好き円周率に関するトピックです!
Google Cloud との関連を見ながら紹介していきます!

なお、ここで紹介する記録は2022年のものである(ちょっと古い)ことにご留意ください。
あくまでも Google Cloud を活用したらこんなことが出来ますよ!という趣旨のブログです!

なんで円周率を計算してるの?

そもそも、なぜ円周率を計算しているのでしょうか。

桁数の競い合いという点に限ると、これは数学的な研究というよりも、コンピュータやストレージの限界に挑む「インフラの究極のストレステスト」という側面が大きいです。
そんなわけで、「円周率を何桁まで計算できるか」が昔から競われてきたわけですね。

ちなみに、私が円周率を何桁まで暗記しているか試してみたところ…
3. 1415926535 897932384
まで、小数点以下19桁でした!

小学生の頃は100桁暗記していたので、衰えをひしひしと感じます😭

100兆桁ってどれくらい?

さて、改めて思うのですが…
100兆桁ってもう、意味分かりませんよね😇

意味分からないんですけど、なんとなくどれくらいの規模なのか分かってみたくて、一旦1万桁の画像を見つけてきました!!
参照:https://www.ndl.go.jp/math/data/L/c/4-1l.html

1万桁の時点でものすごいボリュームですね…
これを100億ページ並べたものが100兆桁です!!!

ということで、100兆桁は私の理解を遥かに超えているということが分かっただけでした…
こんな膨大な量の計算を、一体どのようにして達成したのでしょうか。

Google Cloud で強靭なインフラを実現

2022年3月、Google の Emma Haruka Iwao(岩尾エマはるか)氏らのチームが、当時の世界記録となる円周率 100 兆桁の計算を達成しました(正式発表は同年6月)。

この計算はなんと157日(!)におよび、その間の膨大な負荷を支え続けたのが Compute EngineGoogle Virtual NIC などの Google Cloud サービスでした。
(詳しいアーキテクチャ等についてはGoogle Cloud Blogを参照ください!)

Compute Engine は言わずと知れた超代表サービスですが、Google Virtual NIC については私は初見でしたので少し調べてみました。

Google Virtual NIC(gVNIC)は一言で言うと、「Google Cloud の仮想マシンで通信速度を超高速にするために Google が独自開発した仮想ネットワークカード」です。
参照:https://docs.cloud.google.com/compute/docs/networking/using-gvnic?hl=ja

参照:Google Virtual NIC(gVNIC)を使用した MPI アプリケーションの高速化

クラウドで桁違いの処理(今回で言えば100兆桁分という莫大な中間データ)を動かすとき、従来の標準的なネットワーク規格だとどうしても通信部分がボトルネックになってしまいます。gVNIC はそこをクリアするために作られたもので、最大200Gbpsクラスの超高帯域&低遅延なネットワーク通信を支えてくれる存在なのだそうです。

このような徹底したインフラの増強により、Google Cloud を使って世界記録が更新されるのは2019年の31.4兆桁以来2度目だったそうです!
3年間で3倍以上の記録を達成しているのは恐ろしさすら感じますね…

円周率計算の記録変遷

コンピュータによる円周率計算の主な記録変遷も載せておきます!
現在(2026年8月時点)の世界記録は314兆桁だそうです!!🤯

  • 1万〜10万桁:1970年代〜1980年代初頭にかけて到達。
  • 10億桁:1989年、David & Gregory Chudnovsky 氏が自作公式(Chudnovsky の公式)を使い突破。
  • 1兆2,411億桁:2002年、金田康正氏 / 東大チームが HITACHI SR8000 で達成。
  • 31.4兆桁:2019年3月、Emma Haruka Iwao 氏 / Google が Google Cloud を活用して到達。
  • 50兆桁:2020年1月、Timothy Mullican 氏が自作サーバーと HDD 構成(y-cruncher使用)により達成。
  • 62.8兆桁:2021年8月、Thomas Keller 氏ら(FHGR)がスイスの大学研究チームによる専用構成で達成。
  • 100兆桁:2022年6月、Emma Haruka Iwao 氏 / Google が Google Cloud のインフラを活用して達成。
  • 105兆桁:2024年3月、StorageReview チームが専用プログラム(y-cruncher)と自作ストレージ構成により達成。
  • 202.1兆桁:2024年6月、Jordan Ranous 氏ら(StorageReview チーム)がさらにストレージを強化した構成で到達。
  • 300兆桁:2025年4月、Linus Media Group(LMG)と Kioxia の共同プロジェクトにより、PCIe 5.0 SSD アレイを用いて達成。
  • 314兆桁:2025年12月、StorageReview チームが単一サーバー(Dell PowerEdge)と Micron NVMe SSD 構成により、3.14 にちなんだ目標桁数を達成。
  • 〜1京桁(現在進行形):StorageReview や LMG / Kioxia 等のチームにより、次世代サーバー群を用いて計算が継続中。
    この画像は古代から現代に至るまでの円周率計算の記録変遷を表すものです(Google Cloud Blogから引用しています!)

おわりに

このブログを書いていると、記録変遷の中に Google Cloud の文字が入っているのが何だか嬉しいような誇らしいような感覚になってきました。
今後、再び Google Cloud を活用して記録が更新されることが楽しみです!!

あと、157日とか314兆桁とか、円周率になぞらえた数字が登場するところに研究者の遊び心が感じられたので、調べていてとても楽しかったです。

自分でも円周率計算に挑戦してみたい気持ちがちょっと湧いてきたので、チャレンジできたらそれも記事にしてみたいと思います!!

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!🙇‍♂️