概要
対象テーマを「東京一極集中」とし、以下のサービスを提案します
各地域における、イベントの潜在的需要を把握できるWebサービス
特定のイベントへの参加に意欲的な人(以下「ファン」とします)が、開催を希望する地域を登録
イベントの主催者は統計データを確認し、各地域におけるイベントの需要を把握することができます
例を挙げると
地方に住んでいる、とあるアーティストのファンが、「○○県でライブをして欲しい!」と登録
そのアーティストはそれらのデータを確認することで「○○県って意外とファンが多いのか」ということを知ることができ、
「ならそこでライブを行ってみてもいいかも」という判断をおこなうことができます
上記のサービスの実行環境として、次のようなコスト重視なアーキテクチャを考えました
主催者とファンをまとめて「ユーザー」としています
各機能(ユーザー登録、希望地域登録、統計データ確認)はCloud Runにデプロイし、データはCloud SQLに保存します
また静的コンテンツはCloud Storageにデプロイし、それらはCloud Load Balancing (CLB)を通して公開されます
背景
東京一極集中とは、様々な要因によって人口が東京に集中する現象であるが、その要因の一つとして文化・芸術があります
Twitterなどでオフィシャルアカウントが東京でのイベント開催を告知すると、「地方民なので参加できません」といった嘆きのリプライがよく投稿されるのを見ます
僕も学生のことはよく同じ思いをしていました
これは僕の主観だけではなく、東京都の「都民生活に関する世論調査」(令和4年)において
「東京都に住みたい理由」として「文化的な施設やコンサート・スポーツなどの催しが多いから」と答えている人が27.3%
と、データとしても確認できます
YouTubeなどオンラインベースの娯楽が発展した今でもオフラインの催し(イベント)というのは、そこに住みたいという十分な動機になりえるのです
ただその一方で、このようなイベントは基本的に東京で行われます
理由は様々でしょうが、どのくらいの人が参加するかわからないというのはあると思われます
開催地における需要がわからない以上、母数の多い関東圏で開催するというのは仕方ないことです
なら、各地域においてそのイベントはどのくらいの需要があるかがわかれば、
ひいては実は多くのファンがいる地域がわかればそこでイベントを開催しやすくなるのではないでしょうか
そこで今回のサービスを提案しました
各地域における、イベントの潜在的需要を把握できるWebサービス
このサービスはイベントの主催者およびファンによって使用されます
主催者はライブを行うアーティストや、ファンイベントやマーケットを企画する運営組織のことを指しています
使い方
主催者・ファン共通
以下の理由から、Googleアカウントに紐づけるような設計するといいと思います
– ファンが気軽に利用できるようにする
– 複数のアカウントの大量作成、無意味なアカウントの作成を抑制する
実装はこちらの公式ページを参考にしてください
その際、自身は主催者・ファンのどちらであるか選択します
主催者
主催者として必要な情報を入力することでURLが払い出されます
このURLにアクセスすることで希望地域の登録が可能になるため、自身が情報を発信するSNS等でURLを展開する形となります
YouTubeやTwitter, Facebookなどの概要欄が良い例でしょう
あとは自身のファンに希望地域を登録してもらうだけです
希望地域登録は管理画面から統計データとして確認できるようにすると良いでしょう
本サービスをビジネスとするならば、主催者としてサービス利用に対して月額料金をいただく形になると思います
ファン
Googleアカウントでログインするので、基本的にそれ以外の情報入力は不要かと思います
ファン側は個人を特定する必要はありません
ファンは主催者から共有されたURLにアクセスし、希望地域を登録すれば完了です
Google Cloudにおける実装
今回のサービスの特性は以下の通りです
– 需要は日本のみ
– 急激なアクセスは想定されにくい
– ファンが基本的に登録したら終わりのため、むしろアクセスが無い時間帯も多いと考えられる
– レスポンスにシビアである必要はない
– システムは必要以上にリッチである必要はなく、どちらかというとコストを重視したい
以上から、次のようなアーキテクチャを考えています(再掲)
Cloud Run
Cloud Runは主にWebアプリケーションをコンテナとして構築できるサーバレスサービスです
従量課金制でコンテナ数の自動スケーリングを行ってくれます
自動スケーリングはコンテナ数を0とすることも可能なので、コスト削減に繋がります
Cloud SQL
Cloud SQLはリレーショナルデータベースのフルマネージドサービスです
Google Cloudでは他にも複数のデータベースサービスがありますが、以下の理由からCloud SQLを採用しました
– ユースケース的にはリレーショナルデータベースが適していると思われる
– Cloud Spannerを必要とするほどの大規模なシステムではない
Google Cloudの公式ブログ的にもCloud SQLが適切なのではないでしょうか
ただ、規模次第では「統計データ確認」はCloud SQLではなく、Bigqueryを用いたほうが良いかもしれません
連携機能を用いれたCloud SQLからデータを移すことなくクエリを実行できるため相性も良いです
(公式ドキュメント)
まとめ
好きなもののイベントに参加するということは大きな活力になり、その有無はそこで生活する理由となる場合もあります
本サービスを用いて各地域での需要を把握することは、地方でのイベント開催の助力となるのではないでしょうか
本記事では、サーバーレスなコンテナデプロイサービスであるCloud Runを活用した、コスト重視なアーキテクチャを提案しました
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