昨年2022年9月13日から15日まで、株式会社ナノオプト・メディアが主催するオンラインセミナー「Digital Foundation Days」が開催されました。

デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を実現するためには、新しい時代のデジタル基盤構築が必要となってきます。特に、オンプレミスなシステムなど、老朽化してしまった既存のシステムを使い続けてしまうことが、国際競争や経済成長への障壁となってしまう恐れがあります。こうしたいわゆる「2025年の壁」に対して、クラウド移行のような新しいシステムに刷新することが各企業で課題となります。

アイレットは9月14日(水)に「Digital Foundation Days」に講演者のひとりとして参加しました。登壇したのは、クラウドインテグレーション事業部 副事業部長・橘 弘樹(以下、橘)です。

この記事では、「レガシーからの脱却、VMware Cloud on AWS 活用でのハイブリッド基盤の実現」と題した講演をレポートいたします!

レガシーシステムの課題と課題解決のための提案

まず橘から、弊社のクラウドインテグレーション事業部についての紹介がありました。同事業部にはレガシーシステムの移行案件についてお客様から多くのご相談を受けており、特に「2025年の壁」について悩んでいらっしゃるお客様が多くおられます。

橘が報告した統計によると、既存のシステムから新しいシステムへと刷新しなければならない状況にもかかわらず、約8割の企業様が既存のシステムを使い続けていること、約7割の企業様が「この状況を足かせ」だと感じているという話でした。

レガシーなシステムの課題として、ハードウェアの老朽化や管理・運用のコスト、あるいは新しいハードウェアの選定等が挙げられます。橘の分析によると、お客様が重視しているポイントは次の3点だといいます。

1.信頼性の向上(Quality)
2.コストの抑制(Cost)
3.俊敏性の追及(Delivery)

こうしたポイントを踏まえた上で、既存のシステムから新しいシステムへと拡張していくのが弊社の提案です。具体的な実例として、次の3つの提案を挙げています。

1.SaaS 型の監視/可視化プロセスを活用した”クラウドいいとこ取り”の基盤設計
2.非破壊的な移行によりアプリケーション改修コストを抑制しつつ、同一種アーキテクチャ採用により学習コストを抑制
3.パブリッククラウドのうまみを最大限発揮できる、効率的な技術アプローチ

これらの背景を踏まえた上で、アイレットでは VMware Cloud on AWS をシステム拡張に活用しています。

AWSから移行コンピテンシー認定を取得している、プレミアコンサルティングパートナーのcloudpackが持つAWSおよびVMwareの知見を活かし、お客様に変わってVMware Cloud on AWSの環境構築を行いスムーズなクラウド移行を支援します。

レガシーシステムからの移行と VMware Cloud の活用

続いて、 VMware Cloud on AWS の活用について橘から実例ベースで紹介がありました。VMware Cloud on AWS により、オンプレミスの仮想化環境を AWS へと移行・構築することが可能となります。

既存のシステムあるいはサーバーを移行する戦略として、クラウドネイティブな構成から現状をある程度踏襲できる構成まで幅広い戦略が考えられます。しかし、自社の状況やシステムの移行先、移行方式などが課題となるため、各企業は自社の状況に応じてバランスを考えながらこれらを選定するのが重要となります。今回は、環境を単独移行する方法として、 VMware Cloud on AWS への移行について橘から紹介がありました。

VMware Cloud on AWS をシステム移行に活用したポイントとして、次の3点が挙げられます。

1.既存のレガシーシステムで活用してきた VMware 製品の資産をそのままパブリッククラウドへと移行可能(Delivery)
2.VMware 製品 を AWS と同一基盤で利用するため、 AWS のネイティブサービスへの直接アクセスが可能(Quality)
3.AWS や VMware Cloud 等のインターフェイスを活用することで、ハードウェアの調達など、従来のオンプレミスで実施してきたリードタイムを変更可能(Cost)

VMware Cloud on AWS でどうクラウド化するか

続いて、橘から VMware Cloud on AWS によるクラウド化の具体例について、システム移行のイメージ図を活用しながら紹介がありました。

重要なのは、既存のワークロードのすべてが VMware Cloud on AWS へ移行できるわけではないという点です。VMware Cloud on AWS は既存のワークロードや資産を活用できるメリットがある一方で、細かい部分ではネイティブ環境で構築するほうが効果的な場合もあります。VMware Cloud on AWS は、既存の VMware 製品の集約率をできるだけ高くすることで、コスト効率を上げることが可能です。つまり、現状ではライセンスやディスク容量等でクラウド上での保守を許容していないものの、AWS と組み合わせることで課題を解消してゆき、レガシーな環境からクラウド移行できるという話でした。

もちろん、各企業様によって既存のシステムの利用状況や移行の仕方は異なります。そこで、どのようにアイレットが企業様とクラウドへの移行を進めていくのかというロードマップについて、橘から説明がありました。まず、クラウドへと移行した際に最終的なシステムの姿を検討し、移行に際してどのような変化点が発生するのかを確認。その上で、最終的に新しい基盤のデザインをお客様と一緒に進めるなど、移行プラン計画を順次作成するというのが、基本的なロードマップだという話でした。

9年連続 AWS プレミアティアサービスパートナー認定だからこそ実現できた

今回、VMware Cloud on AWS によるシステム移行という提案が実現したことで、お客様のデータセンター・ファシリティへの投資を抑制できたこと、ハードウェア老朽化や工数削減に伴う人的コストが不要になったこと、さらにはハードウェアのリソースの確保が不要になった等が、橘から報告されました。

また VMware 製品を利用することで、以下の3つのメリットが確認できました。

1.VMware Cloud on AWS を同じ VMware 製品基盤でクラウド上へと移行できるので、アプリケーション改修コストを最小限に済ませられた
2.VMware Cloud on AWS を既存の VMware コンソール同様に使用できるため、拡張性・俊敏性を向上しつつ AWS の基盤を利用できた
3.VMware Cloud on AWS が VMware 製品基盤と同じアーキテクチャで稼働するので、データベース上に移行されていても VMware の同じサービス群として利用可能であり、移行リスクを軽減できた

こうした VMware Cloud on AWS と AWS によるハイブリッド基盤により、クラウドへの移行が可能となるだけでなく、AWS の併用により DX を推進可能だと、橘は話を締めくくりました。

今回、 VMware という新しい武器を携えたことで、一段階上のハイブリッド基盤のデザインが可能となりました。これも、アイレットは9年連続で「AWS プレミアティアサービスパートナー」に認定される技術力だからこそ、可能になったと言えるでしょう。

cloudpackとは、AWSの導入設計から運用・保守までワンストップでご提供するマネージドホスティングサービスです。

アイレットの cloudpack は、クラウド基盤を活用したフルマネージドサービスでクラウドの導入・設計・構築・運用を中心にお客様のインフラ環境を総合的にご支援しています。
また、システム開発から UI/UXデザインまでワンストップで提供しているため、お客様のご要望に沿った最適なソリューションが提供可能です。

既存の複雑なシステムをクラウドに移行したい企業様は、ぜひ弊社にご相談ください。


アイレットなら、AWS で稼働するサーバーを対象とした監視・運用・保守における煩わしい作業をすべて一括して対応し、経験豊富なプロフェッショナルが最適なシステム環境を実現いたします。AWS プレミアティアサービスパートナーであるアイレットに、ぜひお任せください。

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