クラウドインテグレーション事業部の森です。
re:invent 2023 に現地参加しております。
S3の新機能について共有します。
これまでのS3
AWSの最初のクラウドサービスであるS3は、これまでの拡張性が低かったストレージから、すぐさまほぼ無限に拡張できる高耐久性と高パフォーマンスを併せ持つオブジェクトストレージとして登場しました。
2006年に発表された際、これまでよりコストパフォーマンスが良いためユーザーは非常に驚きました。
その後、進化を経て、S3 Glacier Deep Archive 等さまざまな、ストレージ階層が提供されよりコストメリットがあるサービスになりました。
その後、どのストレージ階層を利用するか検討する必要を無くすため、アクセスパターンの変化に寄ってデータを移動してストレージを最適化する、S3 Intelligent-Tiering が登場しました。
Amazon S3 Express One Zone
リアルタイム広告や機械学習トレーニングなどのワークロードでは、数分で百万回を超えるのアクセスがあり、ミリ秒未満のレイテンシーが求められる背景があり、
この度 Amazon S3 Express One Zone がリリースされます。
このストレージは頻繁にアクセスされるデータを保存するために、高いパフォーマンス、低い遅延を目的としています。
データ処理を高速化するために構築されており、S3としては初めてAZを選択するオプションがあります。
アクセスするデータを高性能コンピューティングリソースの近くに配置して、レイテンシーを最小限に抑えています。
一貫した1桁ミリ秒の遅延で数百万のリクエストに対応しています。
また、性能としては S3 Standard よりも10倍高速であり、データ処理の高速化によりコンピューティングコストが最大60%節約されます。
実際に画像投稿・検索サービスであるPinterestでは利用されており、機械学習のトータルコストを40%削減しながら、10倍以上早い性能を実現しているそうです。
コメント
ちょっとしたことですが、AZの選択肢はS3の設定項目として初めてだと思いますので、S3 Express One Zoneを利用する際、その性能を最大限に発揮するためにも今後は連携するAWSサービスのリージョンやAZを気にする必要がありそうです。
また、S3 Standard よりもS3 Express One Zone10倍高速という点は特に驚きました。
re:invent 2023 はAI系サービスが期待される中で、AWS最初のサービスであるS3が進化し、他の機械学習ワークロードをエンハンスさせるという縁の下の力持ち的な機能がre:invent 2023 keynote の最初に発表なのは粋だと感じました。