はじめに

AWSではAWS IoT Sitewise、Amazon Lookout for Vision、Amazon Monitronなど、工場IoTで活用できる充実したサービスが豊富に提供されており、アイレットではこれらをお客さまにお届けできるよう、早期から活用技術をキャッチアップしています。

さらに、エッジコンピューティング領域を軸とした新たな付加価値創出を目指して活動している「Edgecrossコンソーシアム」にも参加しており、今回「2023国際ロボット展」のEdgecrossコンソーシアムのブースでAWSと一緒に構築したダッシュボードを出展しました。

このブログでは、ダッシュボード構築の作業概要をお伝えします。

展示内容

Edgecrossコンソーシアムでは、大手ロボットメーカー5社のブースで実際に展示されているロボットからEdgecrossが提供するソフトウェアでIoTデータを収集し、会員企業が提供する様々なソリューションと連携したデモを展示しました。AWSとアイレットはEdgecrossで集めたIoTデータをAWS IoT Greengrassで収集し、AWS IoT Sitewiseで蓄積、Amazon Managed Grafanaでダッシュボードを表示し、AWSサービスを活用することのメリットをお伝えしました。

展示環境の構築

構成

今回、以下のサービスを利用して展示環境を構築しました。

  • AWS IoT Sitewise
  • AWS IoT Greengrass
  • AWS IoT TwinMaker
  • Amazon Managed Grafana

AWS IoT Sitewiseの設定

AWSマネージメントコンソールのAWS IoT SiteWiseで、以下を設定しました。

  • ゲートウェイ
    パブリッシャーとデータソース(データを取得するOPC-UAサーバー)、ゲートウェイのOSを設定し、ゲートウェイを設定すると、エッジコンピューターで実行する導入ファイルをダウンロードすることができます。
  • モデル
    「イベント」「メーカー」「ロボット」の3つのモデルを階層構造で設定しました。「ロボット」のモデルには実際に収集するデータ項目に加え、設備総合効率(OEE)等、ダッシュボードに計算結果を表示する項目については、これに対応するメトリクスと計算式を設定しました。また、「メーカー」「イベント」のモデルには、配下のロボットの生産性指標の平均値を保持するメトリクスを設定しました。
    メトリクスに計算式を設定することで、収集した時系列データの値から計算した結果を時系列のデータとして保存できます。
  • アセット
    モデルから展示会場に合わせた階層構造のアセットを設定しました。

AWS IoT Greengrassの導入

Windows PCにJDK等AWS IoT Greengrassを実行するためのソフトウェアをインストールした後、AWS IoT Sitewiseでゲートウェイを設定した時にダウンロードした導入ファイルを実行して導入しました。

AWS IoT TwinMakerによる3Dモデルの作成

展示会場全体のフロアマップを3Dモデルで作成し、これにロボットメーカー5社のブースをマッピングしてメーカー毎にロボットの稼働状態が見えるようにしました。稼働状態はAWS IoT Sitewiseのアセットから取得しています。

Amazon Managed Grafanaによるダッシュボード作成

AWS IoT SiteWise、AWS IoT TwinMakerをデータソースに設定し、展示会場全体のダッシュボードと、ロボットのデータを表示するダッシュボードを作成しました。

テスト

ダッシュボードの表示をテストするため、AWS Cloud9でPythonにてOPC-UAのサーバーとロボットのデータを生成するクライアントを開発し、このツールからAWS IoT Sitewiseにデータを投入してダッシュボードのテストを行いました。

また、展示会前にはEdgecrossコンソーシアムを訪問し、事前にロボットーEdgecrossーAWSを接続したテストも実施しました。

おわりに

今回の2023国際ロボット展を通し、ダッシュボードの展示に加え、ミニセミナーにも2回登壇させていただき、アイレットのことを知ってもらう良い機会になりました。また、ブースにお越しいただいた方や、出展されていたロボットメーカーの方ともお話しでき、工場IoTについて様々な課題をお持ちであることを知ることができました。今後もAWSのサービスとアイレットのノウハウを活かし、さらに技術を磨いてお客様のお役に立てるよう頑張っていきます。