第四開発事業部の西田です。
最近SaaS型国産ヘッドレスCMSのKurocoをプロジェクトで利用したので、Kurocoを利用するときとそうじゃないときを比較したメリットを書いていきます?
Kuroco vs フルスクラッチ
工数が圧縮できる
フルスタックなWebフレームワークを使ったり、フルスクラッチでプロジェクトをやる場合と比べた圧倒的なメリットが工数圧縮ができる点です。
バックエンドとその管理画面をまるっとサボれるのは非常に大きいです。
コンテンツは画面で投入して、APIは管理画面からポチポチ押していくだけで出来上がります。
それだけでなく、APIにキャッシュ機能やセキュリティ認証もきめ細かく設定できます。
さらに、ユーザーを管理したり、細かなロール管理、代理ログイン、アクティビティ管理などもあらかじめ付いており、イチから実装しようと思うとめんどくさいけどついてると嬉しい機能がしっかり入っています。
個人的に驚きだったのが、KurocoFrontという静的なフロントエンドコードをホスティングしてCDN配信する部分もセットで用意されている(GitHubリポジトリとホスティングするコード自体は自分で用意する必要はありますが)ため、フロントエンドの領域においてもコード以外はサボれるのが嬉しいですね。
フルスクラッチだと毎度フロントエンドエンジニアにその時用意したAPIの仕様を覚えてもらう必要もありますが、そこもKurocoなら仕様が決まっているので必要なくなります。
パッケージシステム導入もそうですができることが決まっているというのは、スケジュールの見通しも立てやすいのでプロジェクト管理もしやすいです。
幅広いユースケース
自由度の高さではフルスクラッチに軍配が上がりますが、それでもKurocoのユースケースのカバー範囲はとても広いです。
少し動的な部分があるLPやブログ系のサイトはもちろん、問い合わせ・アンケートフォーム、会員制サイトや簡易なECサイトであったり、メールも送れたり、癖はありそうですがバッチ処理なども組めそうです。
ざっとみたところドメインの発行やBIやDWHへの直接データ連携以外の痒いところには手が届きそうです。
もちろんKurocoで満たせないような要件ではフルスクラッチを選択することも必要だと思いますが、個人的にはWebサイトを構築するプロジェクトのかなりの部分をカバーできるのではないかと思いました!
要件が満たせないところだけフルスクラッチで作るなんてやり方もクラウドサービスの組み合わせや設計次第で可能かなと思います。
Kuroco vs OSS
頼れるドキュメントやサポート
OSSのWebサイトテンプレートやWordPressなどのOSSのCMSは無料で使えますがKurocoは有償のSaaSです。
有償な分それに見合うサポートがあり国産な分Kurocoはサポートがかなり頼りになると思います。
公式サイトのチャット窓、問い合わせフォーム、Slackワークスペースとチャネルが豊富で、レスポンスも早く親切です。
マニュアルサイトもかなり情報量が多く詳しいので大概のことはマニュアルとサポートで解決するのもありがたいです。
検索してもマニュアル以外の情報が出てこないのはマニュアルが詳しすぎる説かも。
また、OSSとは違い自分でホスティング環境を整える必要もありません。
KurocoのインフラはGoogle Cloudのため、冗長性とパフォーマンスを備えた安心できる環境となっています。
お金はかかる?
確かにお金はかかるのですが、使った分だけの従量課金なのと、毎月の無料枠がちょうどいい感じに太っ腹です。
運用した感じ、ちょっとした検証や動きの少ない開発環境、場合によっては本番環境でも規模次第で無料枠で収まる範囲で利用できそうです。
自由度がない?
OSSと違いソースが公開されていない分、自分たちでコア部分をカスタマイズすることはできません。
しかし一般的にバックエンドや管理画面はあまりエンドユーザーが自由度を求めたり関心のあるものでもなく、先に述べたユースケースはクリアできるのであまり気にする必要はないように思います。
管理画面に追加CSSを当てるなど、拡張する方法もちゃんと用意されていたりします。
まさに黒子となってWeb開発プロジェクトで活躍してくれるSaaSだと思いました!
今後も利用して知見を深めていきたいですし、アップデートにも期待です🥷