はじめに

今回はAmazon FSx for Windows File Server を構築する手順をまとめました。

注意点

前提としてFSx for Windows File Serverを構築するには
AWS Managed Microsoft ADまたは自己管理型のADサーバーが必要となります。
今回はAWS Managed Microsoft ADを作成し利用します。

作成順序

作成に必要なVPCは既に準備されている想定で記載します。

  1. AWS Managed Microsoft AD を作成
  2. Amazon FSx for Windows を作成
  3. FSxに接続するEC2(Windows) を 作成、EC2(Windows)にマウント

1. AWS Managed Microsoft AD を作成

コンソールからDirectory Serviceに移動し、ディレクトリのセットアップを選択します。
ディレクトリタイプからAWS Managed Microsoft AD(以降AD)を選択します。

エディションにStandard Editionを選択し、ディレクトリの DNS 名に任意のドメイン名を入力します。
そして、Admin パスワード(*)を設定し、次へ進みます。

*こちらのAdminパスワードはADのデフォルト管理ユーザのパスワードとなります。

続いてネットワークの設定で、事前に作成しておいたVPC、サブネットを選択し次へ進みます。

設定した内容の確認を行い、ディレクトリの作成を選択します。

以上でADの作成は完了となりますが、
ADの作成完了までは30分程度の時間が必要となります。

ADの作成の際に、セキュリティグループの選択がありませんでしたが
ADでは作成の際に自動的にセキュリティグループが作成されます。
セキュリティグループの詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。

2. Amazon FSx for Windows を作成

Amazon FSx for Windows用のセキュリティグループの作成

Amazon FSx for Windows(以降FSx)の作成にあたり、以下の要件を満たしたセキュリティグループを作成します。

アウトバウンドルール

プロトコル ポート ロール
TCP / UDP 53 ドメインネームシステム (DNS)
TCP / UDP 88 Kerberos 認証
TCP / UDP 464 パスワードを変更 / 設定する
TCP / UDP 389 Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)
UDP 123 Network Time Protocol (NTP)
TCP 135 Distributed Computing Environment / End Point Mapper (DCE / EPMAP)
TCP 445 Directory Services SMB ファイル共有
TCP 636 TLS/SSL (LDAPS) を介した Lightweight Directory Access Protocol (LDAPS)
TCP 3268 Microsoft グローバルカタログ
TCP 3269 SSL 経由の Microsoft グローバルカタログ
TCP 9389 Microsoft AD DS ウェブサービス、PowerShell
TCP 49152 – 65535 RPC 用のエフェメラルポート

インバウンドルール

プロトコル ポート ロール
TCP 445 Directory Services SMB ファイル共有
TCP 5985 WinRM 2.0 (Microsoft Windows リモート管理)

上記条件を満たしたセキュリティグループであれば問題ないため、アウトバンド通信はすべて許可、
インバウンド通信はポート 445, 5985 のみを許可するような、セキュリティグループでも問題なく使用可能です。

セキュリティグループの詳細につきましてはこちらのドキュメントをご覧ください。

Amazon FSx for Windows を作成

FSxのコンソールに移動し、ファイルシステムの作成を選択します。
ファイルシステムのオプションからAmazon FSx for Windows ファイルサーバーを選択し次へ進みます。

作成方法はスタンダード作成を選択、ファイルシステムの詳細にて、任意のファイルシステム名の入力し
任意の

ネットワークとセキュリティにて、ADを作成したものと同じVPCとサブネットを選択します。(*)
Windows 認証にて、AWS Managed Microsoft Active Directoryを選択し、1.で作成したADを選択します。

*別のVPC、サブネットで作成すると、作成時にエラーとなります。

暗号化については今回はデフォルトの暗号化キーを利用するためそのまま次へ進みます。

 

設定内容を確認し、ファイルシステムを作成を選択します。

以上でFSxの作成は完了となりますが、FSxの作成完了まで30分程度の時間が必要となります。

3. FSxに接続するEC2(Windows) を 作成、EC2(Windows)にマウント

EC2の作成

EC2コンソールに移動し、インスタンスの起動を選択します。
Windowsを選択し、インスタンスタイプ、ネットワーク、ストレージ設定を行いインスタンスを作成します。
※EC2の作成は本題ではないので、詳細は割愛します。

EC2をADへ参加させる

作成したEC2にリモートデスクトップで接続します。
接続についてはコンソールから作成したEC2を選択し、「接続」からRDPクライアントの情報を確認することができます。

コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
このコマンドにより、Network Connections(ネットワーク接続)を開くことができます。

%SystemRoot%\system32\control.exe ncpa.cp
  1. Network Connectionsからネットワークインターフェースを選択し、右クリックでPropertiesを開きます。
  2. プロパティからInternet Protocol Version 4を選択しPropertiesを押します。
  3. Use the following DNS server addressesを選択し、作成したADのDNSアドレスを入力しOKを押します。

以上でEC2のADへの参加が完了になります。

詳細な手順についてはこちらのドキュメントをご覧ください

FSxをEC2にマウント

FSx コンソールから作成したFSxを選択し、アタッチボタンを押します。

アタッチ手順 – デフォルトの DNS 名を使用に記載されている、コマンドをコピーし
EC2のコマンドプロンプトで実行します。ADの管理ユーザ名、パスワードを入力します。

net use Z: \\amznfsxxxxxxxxxxxxxxx.com\share
Enter the user name for 'amznfsxxxxxxxxxxxxxxx.com': Admin@ADのDNS名
Enter the password for amznfsxxxxxxxxxxxxxxx.com:
The command completed successfully.

The command completed successfullyが確認できれば正常にコマンドが完了しています。
エクスプローラーを確認すると、ZドライブとしてFSxがマウントされていることが確認できます。

まとめ

以上がAmazon FSx for Windows File Server を構築する手順となります。
途中にも記載しました通り、ADとFSxの作成については、30分程度の時間を要するためお気をつけください。
記載した内容がお役に立てば幸いです。