はじめに
2024年3月4日にMIRARTHホールディングス株式会社様(以下、MIRARTH様)のアイレットによるGoogle Cloud導入支援の事例が公開されました。
MIRARTHホールディングス株式会社様のクラウドを活用した導入事例
この事例では顧客向けのGoogle Cloudに関するオーダーメイドのレクチャーとBare Metal Solution(以下、BMS)のPoCを実施しました。
本記事はレクチャー内容について紹介し、BMSのPoCは別の記事にて解説します。
概要
背景
上記の導入事例記事にもありますが、MIRARTH様ではオンプレミスで運用をしていたWebアプリやOracleDBをGoogle Cloudに移行することを検討していました。
最終的に顧客側でGoogle Cloudを活用したPoCの実施やGoogle Cloudに関するナレッジの蓄積を目標とし、アイレットによる全7回のレクチャーを実施しました。
レクチャー内容
本事例におけるレクチャー内容はオンプレからBMSへの移行に際して、必要となるGoogle Cloudのサービスの説明を重点的に行いました。
各レクチャー60分、ハンズオン30分を目安として以下のトピックでレクチャーを構成しています。
レクチャーパート
回数 | タイトル | 内容 |
第1回 | 三大クラウドの比較とGoogle Cloudについて |
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第2回 | Google Cloudの権限 |
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第3回 | Google Cloudのネットワーク管理 |
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第4回 | 踏み台サーバの設定とログの設定 |
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第5回 | Google Cloudのバックアップと障害対応 |
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第6回 | Bare Metal Solutionの利活用 |
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第7回 | PoCの運用検討〜BMSにおけるモニタリングや冗長化について〜 |
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ハンズオンパート
- ハンズオン2:サービスアカウントの作成、カスタムロールの作成、権限設定を行ったリソースの操作
- ハンズオン3:VPCの作成と接続について、ファイアウォールルールの作成と通信の制御
- ハンズオン4:踏み台サーバの作成と通信の制御、各種Audit Logsの設定と確認
- ハンズオン5:GCEのマシンイメージの作成と復元、スナップショットの作成と復元
レクチャースライドの紹介(一部抜粋)
以下ではBMSの概要や責任範囲についても詳細に説明をしています。また、BMS移行に際してリフト&シフトについても解説しています。
講師として注意した点や反省点
レクチャーを進める上で苦労した点は3点あります。
1. 相手の事前知識や経験の確認
2. 話すスピードや抑揚
3. レクチャー内容とボリューム調整
1. 相手の事前知識や経験の確認
- 今回のお客様はオンプレミスでシステムを運用しており、エンジニアも参加されていました。
- 不特定多数に向けた講義ではなく、お客様のクラウド導入支援という目的があるためなるべく要望に沿った上で実用的なレクチャーができるように構成しました。
- Google Cloudの広範な分野になりますが、例えばネットワークの分野ではIPアドレスやプロトコルといった基礎知識の事前確認を取ったり、事前学習用のURLを共有したりなどを行ったことでより効果的に進められました。
2. 話すスピードや抑揚
- Meetsを使用したビデオ会議の利用かつ、お客様は会議室参加でしたので全員の顔色を伺うことが難しく一方的なレクチャーになりがちでした。
- 1時間を超えるレクチャーになると、最初はスピードや抑揚を意識してできていても、後半になるにつれて単調になってきたりなど所謂マンネリ感がでてきます。
- 節目節目で動画などを使って見せ方を変えたり、対話するポイントを作ったりすると満足感のある内容になると思います。
3. レクチャー内容とボリューム調整
- 最終的にお客様側でPoCを実施しベンダーコントールができるようになるという目標がありましたので、なるべくPoCに沿った形でレクチャー内容を考えました。
- レクチャーごとに60スライド以上を作成しましたが時間も限られている上、お客様自身のキャパもあります。目的を考えるとつい内容を詰め込んでしまいがちですが、ポイントを絞ったスライドと説明の方が結果的にお客様が理解しやすいように思います。
- レクチャー内容やボリューム感についてはGoogleフォームで簡単なアンケートを用意し、レクチャー実施後に回答いただいた内容を次回に反映するというサイクルで顧客満足度の向上に努めました。
さいごに
最後までご覧いただきありがとうございます。
私の所属する事業部ではアプリ開発やシステム開発をメインに行っておりますが、MIRARTH様の事例ではレクチャーを実施してGoogle Cloudの導入や活用の支援を行うという貴重な経験を得ることができました。個人としても曖昧だった知識を改めて学習し直すことで不足していた知識の補填に繋げられました。
部内でもGoogle Cloudの開発プロジェクトも増えてきているため、今後Google Cloudでの開発が活発化するための一助となればと思っています。