Google Cloud Next ’24にて行われたセッション「Slash invoice processing costs with BigQuery, DocAI, and generative AI」のレポートです。

Google Cloudを使った請求書作成業務の効率化

Liberty Shared ServicesはHR、バックオフィスを提供するシェアードサービスです。
顧客に代わり年間数十万件の請求書を処理して行く中で、顧客によって様々な請求書の形式、国によって変わる税金、通貨など対応が必須なものにリソースを大量に投入する必要があります。

このセッションではLiberty Shared ServicesとパートナーであるDatatonicが、Google Cloudを使用してこの課題に対処する請求書照合ソリューションをどのように開発したか、その結果で請求書処理コストの70% 削減など、大幅な運用効率とコスト削減をどのように達成したかを話してくれました。

Datatonicが請求書処理コストを6か月以内に70%削減を達成したプロセス。

アーキテクチャとソリューションのレポーティング

主なアーキテクチャ図。

Cloud Storageに配置した請求の元になるデータをDocument AIで抽出、生成AIによって注文データと照合し、一致するものはERPへ連携、一致しない例外は通知、人の手で処理し解決したものはERPへというフローを構築しています。
元データにはスマホで撮影した写真画像なども入ってくるという自由度。

ここで請求元データの抽出をDocument AI、照合が生成AI (PaLM 2)と処理するプロダクトを明確に分けている点がポイントだと思いました。
より優れているもの、適したものを採用するというところですね。


請求書の取り込み状況、抽出のマッピング状況もLookerでレポーティング。ここもGoogle Cloud。

上位アーキテクチャの図。
同じくGoogle CloudのCloud SQLをバックエンドアプリケーション部分に採用しています。あれ?BigQueryは?(笑)
私の英語レベルが低いので微妙ですが、冒頭でBigQuery導入について話しており、おそらくレポーティングがログから起こしているので、そういったあたりでBigQueryを利用していると思います。

生成AI (PaLM 2)による手作業の30%削減、効率化。人間を介する作業がAIによってカバーできたという結果ですね。

あらゆるフォーマットで自動化の余地がある

請求書の処理は今回のようなサービス提供側でなくとも、大半の企業が必須の業務として取り扱っており、普遍的な課題と言えます。
自分の会社独自のルールがあるので、効率化は難しい、人による作業が必須である。で終わらせるのではなく、蓄積したデータと人の作業に対応できるレベルに達しつつある生成AIの組み合わせによる自動化、効率化を改めて考え直すタイミングではないでしょうか。

また、Liberty Shared ServicesとDatatonicの関係性も素晴らしく、単純に自社開発をするのではなくAIとデータ分析に特化したDatatonicと組むことで、より完成度の高いソリューションを開発しています。開発パートナーとして弊社もお客様の課題解決を掲げているからこそ、非常に刺激を受けました。

業務量の増加 = 人員の増加ではないということ、弊社の請求処理もまだまだ改善、効率化の余地があるな・・・。

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