Google Cloud Next Tokyo ’24 で行われたセッション「生成 AI と共に。社内事例を元にアプリ開発とデータ利活用の新たな進め方を学ぶ」のレポートです。

日本情報通信株式会社 (NI+C)さんの登壇で、社内における生成AIの利用が課題に対し、どのような効果をもたらしたかというセッションでした。

何に対してアプローチしたか。

案件管理、作業時間の削減、データの利活用の活性化が主な課題とのこと。

AppSheet、Looker に対して生成AIを組み合わせる。

課題解決のために既存サービス + 生成AI

AppSheet、Looker とそれぞれのサービスに導入された Gemini を活用した社内事例が展開されました。

Gemini in AppSheet による自然言語による AppSheet 上のアプリ開発。

AppSheet はノーコードのアプリ開発プラットフォームではありますが、視覚的なインターフェースで開発、構築ができるとはいえ、学習コストはネックになると個人的には思っており、チャットで指定してアプリを作れるというのは画期的かつ、敷居がより低くなると感じました。

ただ社内事例といいつつ、具体的にどんなアプリを作ったか説明が無く残念でした。

どういったリテラシーレベル、業務に就いている社員がどんなアプリを Gemini ベースで作ったか解説はありませんでした。スライドに入っていた内容もサンプルかと思われます。

Gemini in Lookerの2つの機能

Gemini in Looker に搭載されたダッシュボード要約機能、自然言語によるグラフ作成機能についての事例と解説は、ダッシュボードの要約に関して、分析における次のステップ、どうするべきかを提示されるのは実務活用できる点です。

要約だけでいうとダッシュボード自体がサマリーなので、それを読み解けないようでは・・・というところになるので、Gemini がどう捉えているかを解説されるようになっていくと、さらに活用が進むと予想します。事例として要約がでることで業務時間が改善と言っていましたが、実際にはどうなるかですね・・・。

自然言語によるグラフ作成機能については、Explore における Gemini のグラフ作成機能となるのですが、ここに関してもサンプルがグラフのパターンの変更指示で終わっていたので、それはグラフパターンをボタン一つで切り替えられるよね・・・という話しになってしまうので、これで利活用できるようになったのか、本当に実践しているのか何とも言えない部分です。

結構突っ込んでしまうと、Explore を扱うには Standardユーザーを払い出すので、少しは機能を理解していることが前提になり、こういったケースがネックになるなら Viewer で充分かなと。

弊社の場合はダッシュボードを段階的に深堀りするにあたり、サマリデータのグラフ、種別毎の区分、特定区分内での時間帯別データといった形で作る際に分析担当者が開発者に頼むのではなく、Geminiを使って作成するパターンで使っています。

Geminiと各サービスの相乗効果

Gemini の素晴らしいところは Google の既存サービスに組み込まれ、その敷居を下げ、利便性を向上する点にあります。

その上で、ビジネス上どのような成果がでたのかという点が重要になってくると考えており、我々ベンダーはそれらをお客様に訴求する必要があります。

弊社もさらにGemini、Vertexを軸に生成AI導入を加速させていくにあたり、事例、登壇におけるアピール内容をしっかり考えていこうと思いました。