概要

セッション詳細:Reskill and upskill your programs and teams with Google Cloud’s generative AI tools

スピーカー:

Kelly Thompson 氏 (Google Cloud Global Lead & Manager of Curriculum Development: AI, ML, and Data Engineering)

Gwendolyn Stripling 氏 (Google Cloud AI/ML Technical Curriculum Developer)

セッション内容

本セッションではGoogle Cloudのトレーニング部門に所属しているKelly氏とGwendolyn氏から、Google Cloudにより提供されている生成AIのトレーニングプログラムの紹介と、組織やチームにどのように生成AIスキルを導入していけば良いかという紹介が行われました。

3つの重要なこと

Kelly氏はまず生成AIがなぜ重要であるのかの理由として、以下の3つを挙げました。

  1. 実世界での応用: 生成AIモデルはより洗練され、複雑なタスクを処理できるようになってきている。
  2.  ユーザーエンパワーメント: 生成AIは経験豊富なユーザーや初心者のどちらにとっても強力なツールとなりえる。
  3. 仕事の進め方に変革をもたらす: 生成AIとユーザーのスキルセットが組み合わさることで、仕事の進め方が大きく変わる。新たな役割、新たな効率性、そしてこれまで解決不可能とされてきた問題に取り組む能力が期待される。

そしてGoogleが掲げる責任あるAIがなぜ重要なのかは、以下の通り。

  1. より安全で責任ある製品:先端技術は誰もがその恩恵を受けることができるときに、最も成功する。
  2. 顧客の信頼を獲得し維持する:無責任なAIは信頼を失い、顧客も失う。
  3. 責任ある革新の文化:倫理観はミッションを前進させるための、新しく革新的な方法を模索する際の基盤となる。

AIを中心としたチーム作り

AIを中心としたチームを作るには変更管理、技術、生成AIのドリームチームの3つの観点が必要とのこと。

変更管理

  1. 明確な実施計画を立てる
  2. 変化の推進者を特定する
  3. 進捗状況をモニタリングし、影響を測定する

技術

  1. データソースを特定する
  2. インフラの必要性を評価する
  3. セキュリティとコンプライアンス

生成AIのドリームチーム

  1. AIエキスパート
  2. データサイエンスの能力
  3. ソフトウエアエンジニアリングのノウハウ
  4. 変更管理の経験

またKelly氏のチームではADDIEモデルと呼ばれる教育改善手法を取り入れているとのこと。

ADDIEモデルとは「Analysis (分析)」「Design (設計)」「Development (開発)」「Implementation (実施)」「Evaluation (評価)」の頭文字をとった言葉で、PDCAサイクルのように徐々に改善を重ねて、教育プログラムをより良くする手法のことです。Kelly氏のチームではADDIEモデルの各フェーズにおいて、あるプロセスを採用しているとのことです。そしてそのプロセスごと成果物になるとのこと。

さらにこのスライド内の赤字のフェーズは生成AI自体がこなせるタスクであり、緑字はAIと人間のハイブリッドで行うタスクとのこと。

ADDIEモデルの進め方

続いてGwendolyn氏により、ADDIEモデルを具体的にどのように進めるのかという紹介がありました。

技術の進化には継続的な学習が必要

これは生成AIに限らず、IT分野すべてにおいて言えることだと思いますが、特に生成AIは進化が早く進化する内容も大きいため、継続的な学習が重要となってきますね。

従業員のAIスキルギャップを埋めるには、以下の3つの観点が必要とのこと。

  1. スキルギャップ分析
  2. 聴衆をターゲットにする
  3. 学習経路を開発する

そして生成AIにおけるスキルレベルの定義や、学習状況のアンケートなどをGeminiに作成させ、さらにそれをGeminiにスプレッドシートやGoogleフォームにエクスポートさせているとのこと。先程のADDIEモデルの赤字で記載されていた、AIにより可能なタスクはこのようにこなすことができるのですね。

アンケート結果をLooker Studioで可視化し、ADDIEモデルのサイクルを回すのが良いとのことです。


最後に生成AIのL&D(Learning & Development)における推奨されるツールキットとベストプラクティスの構成は以下とのこと。

トレーニングプログラム

最後に本セッション内で紹介された生成AIのトレーニングプログラムのリンクです。

※ 一部クレジットを消費するものや英語版が含まれます。

詳細はこちらの公式ブログでも確認できます。

最後に

このセッションではGoogle Cloudにおける新しい技術を導入する際の手法や生成AI自体の重要性について学ぶことができました。またレベル定義やアンケート作成などをGeminiに依頼するのも生成AIがここまで来ているのだと改めて実感しました。

生成AIにおけるチーム作りで重要なこととして、スキルギャップを埋めることが何よりも重要とセッション内で強調していたので、ADDIEモデルやGeminiを駆使して、生成AIに強いチーム作りを弊社でも実施して行こうと改めて思いました。