AWS Summit Japan 2024のセッションの内容を一部ご紹介します!
今回は再生エネルギーのプロジェクトにおいてAWSをどのように活用するかといったセッションです。
今回参加したセッション
再エネ時代のエネルギーシフトに向けたエネルギー基盤を支えるAWS サービスの活用
アマゾン ウェブ サービスジャパン合同会社
概要
- 再生エネルギー時代における分散型エネルギーの活用の重要性を理解
- 再生エネルギー分野の課題に対してAWSサービスからのアプローチを紹介
- 関連するAWSサービスを幅広く紹介
- 活用例を紹介
詳細
それではセッションの内容を画像を交えながら紹介していきます!
セッションの流れ
再生エネルギーに関する課題を紹介
↓
課題に対して活用できるAWSサービスの紹介
↓
活用例の紹介
といった順で進んでいきます
日本が抱える課題と今後についてまとめ
①世界的な気候変動に伴い、カーボンニュートラルの取り組みが必須
②日本では2050年の脱炭素に向けた取り組みが推進されている
③再生エネルギーの活用がこれからの取り組み
④四方を海に囲まれた日本の地理を活かした洋上風力発電が期待されている
⑤ただし小規模な発電所を分散させると主力の電源としては不安定なのが課題
⑥離れた分散型エネルギーリソースを効率的に管理する技術が求められている
再生エネルギーの発電の取り組みに対する課題
・バーチャルパワープラント(VPP)とは:ざっくり書くと自宅の上のソーラーパネルが過剰に蓄電した際に、他の人に対して電力を提供することで、まるで発電所のように振舞っていること。仮想的な発電所の意
・マイクログリッドとは:エネルギーの自給自足をおこなう送配電の仕組み。地産地消する電力制御
課題
・実現するための課題はいくつかある
デバイス管理や、管理するためのデータをどう集めるか、将来的な予測をどうやって立てるか、など
AWSが課題に対してどう貢献できるか
・課題に対してAWSでは解決するためのサービスを有しています
IoTを含む200以上のサービスを組み合わせて発電システムのためのシステムを構築できる
活用イメージ
・こちらは再生エネルギー管理における一般的なアーキテクチャの概念図
データ収集からデータレイクまでは、クラウド上にデータ蓄積する流れ
データの可視化は、収集からダッシュボード
データの分析は、データ活用からデータベースまでの流れ
・上記の表をカテゴリーごとに区分けしたのがこちら
左側がIoT、データ分析、DBなどを本セッションでは紹介しています
IoTサービス
最初にIoTサービスから紹介
AWSが持つ豊富なプロダクトと、IoTのサービスが連携することでデータの高度活用を実現できます
クラウドから集中管理をしたり、ファームウェアのアップデートなど多くのユースケースに対応が可能
実際の利用シーン
デバイス制御できるIoT Coreについては下記の記事でも触れてますが、本イベントでも注目のあったプロダクトです
【AWS Summit Tokyo 2024】 ITとOTの橋渡し【AWS-02】 | iret.media
IoT機器を統合的に管理できるプロダクトです
左から右のデータ連携、右から左のデータ連携がAWSサービスを活用することで可能
AWS IoT Greengrassについて
こちらはGreengrassをご紹介
AWS IoT Greengrass(AWS をエッジデバイスへシームレスに拡張)| AWS (amazon.com)
Greengrassはエッジデバイス(端のデバイス)にインストールするタイプのソフトウェア型のサービス
インターネットに通信するための中継をおこなうことが可能
制御対象の端末に近い分、レイテンシーが低くなります
数十億台の充放電を制御するのはとても大変ですが、
Greengrassを利用することで電技力系統に流れる電力を制御が効率的に可能となっています
インターネットに接続しなくてもデバイス制御が可能となるのが大きい特徴です
・一旦エッジデバイスにデータを集計し、集計されたデータがクラウドに送られているという例
逆に右の送配電事業者からエッジデバイスに対して出力制御をおこなうことも可能
Greengrassの価値
こちらは分散エネルギーを制御しているのをわかりやすく伝えたスライド
Greengrass・AWS IoTを活用することで拠点が独立して稼働が可能
遠隔地のデバイス制御を1拠点でおこなおうとすると負荷の問題もありますが、1拠点にリスクが集中するという問題があります
各地がそれぞれ制御をおこない、データ収集を1拠点でおこなうとした例が下記のスライド
個人的に、特に感動を覚えたスライドでした
データレイク
続いて話題はデータの蓄積へ
集めたデータをどうやって蓄積するか、といった話題です
実際にデータを用いる際に、データレイクからデータを取得して活用が出来る
・S3のご紹介
データレイクとAWSの親和性はとても高い
・サイズに上限がないこと
・非常に耐久性の高い
が親和性の高さの理由
・データレイクに関連した複数のサービスを豊富な選択肢から選べます
データ分析サービスについて
続いてAWSが有するデータ分析サービスのご紹介
分散処理、データ蓄積と続き、集めたデータをどのように活かすのか、といったパートです
たとえば発電量の予測では過去の発電実績や日射量から精度の高い発電予測が可能
・豊富な選択肢から選べ、あらゆる分析ニーズを満たせるのがAWS
左のETLは前処理。欠損値の補完など
データカタログは、データ利用者のために管理するサービス
データクエリの項目は、中核を担っている。傾向や関連性の洞察を得られる
データ可視化は、表やグラフで見ることが出来るサービス
機械学習
様々なデータ、サービスで予測が可能
AWSでは、AIやMLで30種類以上のサービスがある
↑ たくさんのサービスが3つのカテゴリに分かれている
上から順に難易度で分かれているのをわかりやすくしたのが下記
・機械学習のサービスでどのようなことが出来るのか紹介
発電量の予測など、データ予測
将来の値を予測が可能
風力発電など環境に左右されるが、あらゆるデータから将来の発電量の予測が可能
・設備故障予兆もAWSサービスで可能
過去の振る舞いを予兆して、故障が発生する前に検知が可能
AIと機械学習を利用してビジネスに繋げられる
最適なデータベースについて
適材適所に最適なデータベースを
豊富な選択肢から最適なデータベースを選択可能
・今回一つ紹介いただいたのがTimestream
Timestreamは特に時系列に強いDB
高コストパフォーマンスで利用できるサービス
自動スケーリングも特徴
・時間経過で変化するデータはTimestreamと相性がいい
・さらに時系列専用の関数もTimestreamで提供している
パターン検出や欠落していたデータを補完してデータを扱いやすくすることも出来る
アプリケーションを稼働させるコンピューティングサービスについて
・エッジコンピューティング向けのサービスが上
AWS Wavelength (5G デバイス向けの超低レイテンシーアプリケーションを提供) | AWS (amazon.com)
AWS Outposts(AWS サービスをオンプレミス環境で実行)| AWS (amazon.com)
・高パフォーマンス向けのサービスが下
AWS ParallelCluster – アマゾン ウェブ サービス (amazon.com)
・ハイパフォーマンス向けのサービスの例
大規模なデータを、シミュレーションするため、大規模な計算が必要となる
本セッションで紹介いただいたサービスの例
説明のまとめ
・再生エネルギー分野に対してAWSが貢献でき
・AWSのサービスとデータ分析の親和性があること
を理解出来ました
セッションのまとめ
・世界各国で分散型エネルギーの活用が重要とされている
・AWSの俊敏性や拡張性で課題を解決できる
・新しいテクノロジーでさらにビジネス価値を高められる
感想
知らなかったサービスをたくさん知れる機会となり、大変勉強になりました
普段はシステムの一部分を携わることが多いのですが、こうして大きなシステムの全体像の中で、豊富なAWSを活用しながら実際の課題を解決している事例も聞くことが出来る貴重な機会でした
中でもGreengrassはそういったIoTサービスがあるのを知らなかったのでとても面白かったです