AWS Summit JAPANのセッションをテーマにした社内勉強会を開催したので振り返ります

この記事について

AWS Summitのセッションをテーマに 『AWS Summit JAPAN 2024 テックラウンド』 という社内勉強会を開催しました。セッション動画の理解が深まったのはもちろん、それ以外にも学びがあったので記事にまとめます。

まえがき

梅雨明けが発表され、暑い日が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。猛烈な暑さが続き、体調を崩しやすい時期だと思いますのでご注意ください。体調を崩しやすい時期だと思いますのでご注意ください。さて、今回は先日開催した社内(部署内)の勉強会について記事にします。
小規模な勉強会ですがあまり企画をしたことがなく、手探りだったのですが色んな発見があり楽しかったです。

お客さんの情報や個別の案件に紐づく話しも出てきていたので詳細を公開することはできないですが、どんな事をやったのか、どんな気づきや発見があったのかなどを今回のブログにまとめていきたいと思います。最後までお付き合い頂けると有り難いです。

なぜ勉強会を開催しようと思ったのか

AWS Summit JAPANのセッションを聞いている際に一人でじっくり聞くのもいいけど、何人かで集まって同じセッション動画を聞いて分からないことをその場で質問できたり、意見を出し合ってディスカッションしたりできると面白いなと思いました。そこで、社内のSlackに以下のような投稿をした所、賛同してくれる方がいたので一回やってみようという流れになりました。

AWS Summitとかのセッションって自分で気になるやつ聞くのは全然いいんだけどチームや案件担当者同士で気になるセッションを一緒に見て深堀りしたりディスカッションしたりするのも楽しそうだなと思った。現地参加は現地参加で得るものは沢山あるけど、オンライン視聴の方が資料もしっかり見えるし一時停止できるのでじっくり見たり考えたり参考資料を調べたりしやすい。

勉強会の名前について

今回、勉強会の名前を 『AWS Summit JAPAN 2024 テックラウンド』 としました。適当に名前をつけても良かったんですが折角やりたい事が明確になっているのでそれにあった名前をつけたいと思いました。
ただ自分はあまりネーミングセンスが無く、いい名前を思いつかなかったのでChatGPTに相談しました。

ChatGPTの回答からの抜粋
『techround』という名前は、技術的な話題やセッションを「ラウンドテーブルディスカッション」のように囲んで議論するイメージから考えました。この勉強会では、AWS Summit Tokyoのセッション内容をベースに、参加者全員が自由に意見を出し合い、ラウンド形式で技術的な質問やアイディアを共有する場として適していると考えました。
要するに、「tech」は技術、「round」はラウンドテーブルディスカッションの「ラウンド」という意味で、技術的な話題をみんなで円卓に集まって話し合うイメージを持たせています。

最高ですね。クールでポップな名前を見つけることができました。

勉強会の内容

まずは勉強会の主旨を伝えて参加者を募りました。
その際、ある程度候補となるセッションをピックアップし、参加者に視聴したいセッションを選んでもらい、希望者が一番多かったセッションをみんなで視聴することにしました。

① AWS-28 大規模クラウドインフラ設計・構築案件の歩き方
② AWS-58 インシデントの影響を封じ込める クラウドアーキテクチャの実践
③ AWS-59 アーキテクチャ道場 2024!
④ AWS-43 大規模言語モデルのプロンプトエンジニアリングのコツ
⑤ CUS-21 リファレンスアーキテクチャによるガバメントクラウド活用と Amazon Bedrock を活用したモダン化アプリの例

各セッションの詳細ページはオンデマンド配信終了と同時に非公開になっているようなので、AWS Summit Japanのイベントサイトへのリンクを掲載しておきます。
AWS Summit JAPANイベントサイト

勉強会参加者から視聴したいとの希望が一番多かったのは『① AWS-28 大規模クラウドインフラ設計・構築案件の歩き方』でした。そのため、今回の勉強会ではこちらのセッションをみんなで視聴することにしました。

尚、既にオンデマンド配信期間は終わってしまっているのですが、こちらのセッションの視聴レポートが同じiret.mediaにも掲載されているのでご紹介します。
大規模クラウドインフラ設計・構築案件の歩き方(AWS-28)がインフラエンジニアに刺さりまくりな内容だった | iret.media

実際の勉強会ではセッション動画を視聴した後に参加者それぞれから感想やメモった内容を発表してもらいました。また余った時間で少しディスカッションも行っています。

勉強会の開催日時

実際の勉強会はオンデマンド配信期間中の 2024年7月3日(水) 18:30~20:00で開催しました。
業務時間中でも都合をつけて勉強会が開催(参加)できるのはアイレットの良い所です。
今回の勉強会参加者は最終的に同じ部署内の7名になりました。
業務で忙しい中時間を割いていただきありがたいです。

勉強会のタイムスケジュール

ディスカッションのネタ集め

勉強会を開催するにあたりちょっと工夫した事としては、参加者の皆さんに対しCacooに用意したボードに気づいたことや分からなかったこと、業務に活かせそうなこと、などをそれぞれぞれ書き出してもらった点です。動画を視聴しながらメモ代わりに書き出してもらうような形式にしました。そうすることで、自分がどんな事に気づいたのかを他の人に知ってもらう事ができますし、他の参加者の人も、自分以外の人はどんな気づきがあるのか、という事を知ることができます。

書き出してもらう観点は以下の3つ
1. 得たこと・気付き
2. 分からないこと・聞きたいこと
3. 業務に活かせそうなこと

実際にCacooで作成したボードは以下のような内容になります。具体的なコメントは伏せさせてもらっていますがイメージはなんとなく伝わるかなと思います。

書き出してもらった内容は参加者7名で計53枚ありました。

  1. 得たこと・気付き:27枚
  2. 分からないこと・聞きたいこと:18枚
  3. 業務に活かせそうなこと:18枚

もちろん、重複している項目はありますが自分ひとりだけでは気づかないような事もあり、非常に勉強になりました。

実際に記載頂いた内容をちょっとだけ抜粋します。

1. 得たこと・気付き:27枚

  • 役割分担の考え方の一つとして『運用インフラ』と『アプリインフラ』という考え方がある!
  • コスト管理は『開発開始時点から』意識する!

2. 分からないこと・聞きたいこと:18枚

  • RACIやADR、SASTという言葉やそれぞれの意味
  • インフラ構築における自動テストってどんなものがあるんだろ
  • パラメータシートはIaCコード?それともドキュメント?

3. 業務に活かせそうなこと:18枚

  • 設計書の目次の建て方は参考になる。
  • ADR(Architecture Decision Record)を明確にして設計書に残す、もしくは(iretではお客さん毎にBacklogプロジェクトを使用しているので)設計書のWikiにADRに関連するBacklog課題へのリンクを記載するといいかも。
  • タスクは担当者だけでなくRACIを明確にしておくの大事だね。
  • コーディングルールにはルール自体とそのルールに関するサンプルコードを記載しておくとわかりやすくなる。
  • 開発フェーズからコスト管理開始して、AWS Budgets や Cost Explorer を活用しよう。
  • Amazon Q Developer + VSCode拡張機能は使ってみたい

ディスカッション

少し時間があったので質疑応答とディスカッションをしました。

話したのは
1. IaCのテストってどうやってます?
2. Amazon Q developer + VSCode ってどんな感じ何だろ?
といった所です。

IaCのテストについてはできている所、できていない所がある、といった意見や、テストの自動化は今後の課題になるといった話がでました。

また Amazon Q + VSCode については実際に使ってる参加者がいたのでterraformコードを対象にcomplicationする所を見せてもらいました。とても便利そうなのでどんどん使っていきたいね、といった印象でした。

アンケート結果

勉強を開催した後、参加者を対象にアンケートに回答してもらいました。
アンケートの項目としては下記6項目です。できるだけシンプルに回答できるようにしました。

  • 本日のセクション内勉強会に参加してよかったと思いますか?(回答:1~5点)
  • 本日のセクション内勉強会でよかったなと思ったことがあれば書いてください(記述式テキスト)
  • 本日のセクション内勉強会、改善点などあれば教えて下さい。(記述式テキスト)
  • 今後、同じような勉強会があったら参加したいですか?(回答:1~5点)
  • セクション内、もしくは社内の勉強会を開催してみたいと思いますか?(回答:1~5点)
  • その他、気になることコメントなどあれば記載してください。(記述式テキスト)

抜粋にはなりますが少しだけアンケート結果も掲載します。

本日のセクション内勉強会に参加してよかったと思いますか?(回答:1~5点)

参加者全員が最高点をつけて頂きました。びっくりです。

本日のセクション内勉強会でよかったなと思ったことがあれば書いてください(記述式テキスト)

  • ディスカッションの機会、中々ないので、良かったです!
  • 課題だと思っていることの共有や、担当案件をベースにいろんな視点でコメントを聞けたこと
  • プレゼンに対する他の方の見解を聞けるので、自身の考え方や認識の違いがわかることがとてもありがたいです。また、自身の疑問点についても解消できたりAmazon Qなどの知らなかった便利ツールを知れたりしてとても有意義な時間を過ごせました。
  • 他の人の意見がいろいろきけたこと
  • いろんな視点での意見を聞けた。新しいアイディア・気付きがあった。
  • 他の人の考えを聞くことができた。一人で見ると見て終わりになりがちなので、一人で見るよりも身になるとおもった
  • 自分以外のエンジニアの考え方を自然に知れる良い機会だったと思います!また、技術レベルが一定の水準に達していれば、業務の結果はエンジニアによって大きな差は発生しないものと思いますが、考え方は十人十色でそこに至るまでの取り組み方、工夫、反省点、伝え方については色々と学べるものが多く、視野を広げられる良い機会だったと感じました。

本日のセクション内勉強会、改善点などあれば教えて下さい。(記述式テキスト)

  • 今回の進め方は良かったので継続を望みます!
  • 個人的にオンラインでなくて、オフライン参加にすべきだったとおもいました。
  • もう少し『ディスカッション』ができるといいなと思った。
  • オフラインで統一してやんややんや言ってもよかったかもしれない
  • OBS等の仮想デバイスを利用した動画視聴が出来れば良かった。動画の音声が小さかった為、恐らくですが、音声入力はスピーカー入力だったのではと感じました。

今後、同じような勉強会があったら参加したいですか?(回答:1~5点)

こちらも参加者全員が最高点をつけて頂きました。ありがとうございます。

セクション内、もしくは社内の勉強会を開催してみたいと思いますか?(回答:1~5点)

半数の方がポジティブな回答をしてくれました。色んな人が色んな勉強会を開催するムーブメントに繋がるといいなと思います。

その他、気になることコメントなどあれば記載してください。(記述式テキスト)

  • 開催いただきありがとうございました!楽しかったです
  • 初めての参加でしたが、プレゼン内容だけでなく他グループリーダーの方の考えについてもお聞きすることができ、案件に携わっていく中で参考にできそうな部分が多くありました。
  • こういった機会があれば今後も参加したいです。沢山の人に参加してもらえて良かったです。オンラインとオフラインのハイブリッドだったのでオンラインの人との距離感・温度差がどんな感じだったかはちょとと気になりました。

今回の勉強会を開催してみての振り返り

課題

どうしてもオフラインで全員集まってもらう事が難しいのでハイブリッドになりがち。ただ、セッションを視聴するだけでなくディスカッション等をメインにするのであればやはりオフラインでやれるのが一番かなと思いました。
今回もハイブリッドだったのでできるだけオフライン・オンラインでの壁を取り除こうとしましたができた所、できなかった所はあったかなと思います。

また参加人数をどうするかという所も難しいなと思いました。できるだけ多くの人に参加してもらいたいとは思いますが、一人ひとりの持ち時間が短くなってしまったり、QAやディスカッションをする時間が減ってしまうので。
今回みたいなスタイルであれば5〜6人くらいが一番スムーズかも知れないです。参加人数を絞るけど、開催頻度を上げればカバーできるかなと思いました。

所感

技術的なテーマを対象にしたディスカッションができて、まさに『テックラウンド』だったなと思いました。
こういったディスカッションをするような場は大人数だとどうしても発言者が限られたり偏ったりしてしまうので『ピザ2枚分くらい』がちょうどいいのかなと思います。
大事なのは一緒に勉強したいという姿勢や同じような考えを持っているかどうか、という所。
仮にあまり話すのが得意ではない人でもフォーマットを決めて考えを書いてもらい、あとはファシリテートする人が頑張ればきっと成長に繋がる材料にはなると思いました。

今後も機会があれば同じようなスタイルで社内勉強会を開催してみたいと思います。

あとがき

アイレットの社内では色んな勉強会が開催されていて他の部署で行われている勉強会についてもブログの記事にしてもらっています。是非そちらも覗いてみてください。
ハッシュタグ:#勉強会

また社内の人もで社外の人でももし同じような勉強会を開催してみたいと思った方はぜひチャレンジしてみてください。時間を確保するのは大変かも知れませんがきっとそれ以上の発見やメリットがあると思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。