2024 年 8月 1日、パシフィコ横浜ノースで Google Cloud Next Tokyo ’24 Day 1 が開始されました。
アイレットは、Diamond パートナーとしてイベントを盛り上げていきます！
早速ですが、Day 1 の基調講演についてまとめていきたいと思います。
Day 1 基調講演
今年は、生成 AI を強く感じる Next 開幕になりました。
Opening Movie では、生成 AI がビジネスの課題を解決するためのツールになりつつある事が強調されており、Google の生成 AI がお客様のビジネスを変革していくという強いメッセージを感じました。
Google Cloud 平手 智行 様
Google Cloud Next Tokyo ‘24 は Google 日本代表 平手さまの挨拶で始まりました。
今年の Google Cloud Next Tokyo ’24 は、生成 AI を駆使してパートナー企業とともに日本のビジネスを変革するという Google の強いメッセージを感じるものです。
生成 AI を支えるインフラとして、 Google Cloud は 40 リージョンの間を高性能で信頼性の高いネットワークで接続しています。
これは、他のクラウドプロバイダーよりも圧倒的に多く、リージョン間の遅延が少ないということです。
つまり、日本は世界と高速でつながっており、日本の顧客はそのメリットを享受できるということでした。
日本国内のみで、生成 AI の活用で 49.9 兆円の経済効果があるとのことです。
多くのお客様は、『試す』から『活用』へ変革しています。
Google は、生成 AI サービスとして、Gemini を発表しています。
また、最新のモデルとして Gemini 1.5 Pro を一般提供しています。
Gemini はマルチモーダルのデータを取り込み、ビジネスの課題を解決するために映像・音声・文書などを活用できます。
Google の Gemini は、The Forrester Wave などの第三者機関から評価されています。
生成 AI を取り巻く状況は、モデルの活用から生成 AI エージェントの活用に変わってきています。
LLM モデルの活用は特定のタスクを効率化します。それに対して AI エージェントは業務全体をカバーして効率化を行うことができます。
信頼して使える AI を活用するためのフルスタックサービスラインとして、Google はいくつものサービスを提供しています。
AI ハイパーコンピュータでは、AI に特化したコンピューターを開発者が活用することができます。これにより、 AI を活用した新しいサービスの開発に係る時間を短縮して、ビジネス上の優位性を得ることができます。
Gemini モデルでは、業務ニーズに合わせた最適なモデルを選定、組み合わせて利用することができます。
最適なモデルを選定することは生成 AI の活用に重要です。
Google が提供するモデルだけでなく、150以上ものサードパーティのモデルを活用することができるとのことです。
Vertex AI では、レベルを問わない E2E モデル開発が可能です。
セキュリティ、ガバナンスのあるソリューション開発が可能で、ローコード・ノーコードでモデルを作成することができます。
生成 AI 活用の事例では、GE Appliances より、キッチンの食材から、レシピを作成する新機能について紹介がありました。
これは、アイディアからプロトタイプまで 5日間で成功した事例とのことで、生成 AI でイノベーションを起こせる一つの事例として紹介されていました。
Google DeepMind セシュ アジャラプ 様
『生成 AI は成功や失敗を学習して、どんどん賢くなっている。』と話すのは、 Google DeepMind セシュ アジャラプ 様です。
Google DeepMind は『人類にとって利益のある AI を責任ある形でつくりあげる』ことがミッションとのことです。
Google DeepMind は多くのものを作成しており、2023 年に Gemini を作成しました。
Gemini は、Google Cloud の技術によって全ての方に提供できるようになっています。
Gemini は『ネイティブマルチモーダルモデル』であるため、多くのタスクをこなすことが可能です。
Gemini 1.5 Pro では 200万トークンを有しており、生成 AI として Arena Leaderboard で 1位を獲得しています。
Gemini は一瞬の出来事を理解できる。
人間は長期記憶と短期記憶を有していますが、Gemini では 200 万ものトークンを活用して、短期記憶よりすごい瞬間記憶のような活用を行うことができます。
『大胆かつ責任ある AI』として公正・安全・倫理的な AI を実現できるとのことです。
昨今問題となっている deepfake に対応するため、SynthID といった電子透かしも提供されており、信頼されるAIの実現に活用することができます。
Google アーワン メナード 様
Google の Customer Agent 領域について、Google アーワン メナード 様から話がありました。
Google はビジネスユーザーと開発者向けの製品を提供しています。
事例として、Contact Center as a Service を提供することでコスト削減、顧客満足度の向上、顧客維持率向上、従業員生産性向上などを実現することができるとのことです。
Vertex AI は開発者向けのソリューションとなり、生成 AI 作成のためのツールにアクセスできます。
Model Garden では、開発者は 150以上ものモデルに簡単にアクセスすることができます。
また、モデルの評価フレームワークなども用意されています。
Gemini 1.5 Flash は、高速でコスト効率が高いモデルであり、Gemini 1.5 Pro とともに一般提供されています。
事例では、 TBS による動画のメタデータ作成事例での活用事例がありました。
Gemini Model in Japan では data at rest として AI に活用するデータの日本国内保管を提供しています。
また、ML Processing in Japan、Gemini for Google Cloud SLA により、日本国内で信頼できる生成 AI 開発ができるようになったとのことです。
AI エコシステムでは、モデルへのアクセスは数クリックで可能であり、PLaMo-100B は日本語最高性能を誇るモデルを Marketplace 経由で利用できるとのことです。
また、Context Caching が Gemini 1.5 Pro 、Gemini 1.5 Flash で利用できるようになっており、入力コストを 75% 削減することが可能となったとのことです。
Agent Builder では、ノーコード・ローコード・フルコードでの開発をサポートします。
Vertex AI Search では Google ベースのセマンティック検索が可能です。
利用者は RAG でモデルを利用して結果を強化することができ、ハルシネーションを抑止することができます。
LLM のハルシネーションを抑止する方法はいくつかあります。
- Google 検索 (一般提供)
- 自社データグラウンディング (一般提供)
- サードパーティデータセット (3Q より提供予定)
- 高忠実度モードによるグラウンディング (Preview)
Google 検索を使ったグラウンディングでは、検索の質の向上やハルシネーションの抑止に Google 検索を活用することができます。
これは、Google Cloud だけでなく、Slack や Box などの複数のソースに対応するとのことでした。
LINEヤフー株式会社 宮澤 弦 様
自社サービスや顧客サービスの体験向上を図り、24 件の導入を行ったと話すのは LINEヤフー株式会社 宮澤 弦 様。
生成 AI の活用には情報の正確性が重要であり、ハルシネーションを軽減することが不可欠です。
LINEヤフー株式会社では、情報の正確性のために、Google Cloud を活用しています。
生成 AI は 2023 年にローンチしたばかりです。
Google Cloud は責任ある AI と保証に対応した唯一の クラウドサービス です。
もともとは、他社 LLM を活用していましたが、ハルシネーションにより対応できないために Google Cloud の生成AI に乗り換えたとのことでした。
現在は、Vertex AI と Gemini で生成 AI を活用しているとのことです。
具体例としては、コマースユースなどに生成 AI を活用しているとのことです。
Yahoo! フリマにおいては、マルチモーダル AI により説明文を自動生成しています。従来モデルよりも生成速度が早く (20s => 5s) 、文章の質も向上したとのことです。
Yahoo! 検索では、Vertex AI と Gemini を活用して生成 AI の回答をおこなっています。
社内業務改善ではVertex AI によってチャット型応答システムを活用しているとのことです。
Google Cloud 諏訪 悠紀 様
Google Cloud 諏訪 悠紀 様より、Gemini を活用したデモがありました。
ファッションサイトで YouTube のリンクを含む文字ベースの入力から、お客さまにファッションの提案を行うデモサイトのことです。
動画から服を選択したり、着こなしの提案、実際の利用シーンを Imagen により生成するなど、生成 AI を活用してお客様に提案を行うことができるとのことです。
Google Cloud クリスティナ ベア 様
Employee Agent について、Google Cloud クリスティナ ベア 様の話がありました。
Gemini for Google Workspace は日本語で連携でき、Gems カスタマイズ可能とのことです。
自動翻訳により、Meet や Chatで 69 もの言語を同時翻訳することが可能とのことです。
Google はセキュアな製品を作ることに注力しています、これは生成 AI でも同様です。
例えば、フィッシングメールは攻撃の入口として広く悪用されています。
生成 AI の活用によって、Gmail へのスパムは 20% 削減することができました。
Gemini Side panel の日本語サポートが提供されています。
Gemini Side panel を活用するための効果的なプロンプトについて話がありました。
効率的なプロンプトに必要な要素は下記が必要とのことです。
- ペルソナ
- 誰が利用するのか
- タスク
- 何をさせたいのか
- コンテクスト
- 条件は何か
- 何を入力するのか
- フォーマット
- アウトプット形式は何か
これを含めることで、出力の質が大きく改善するとのことです。
星野リゾート 星野 佳路 様
Gemini for Google Workspace の活用事例について星野リゾート 星野 佳路 様から話がありました。
星野リゾートではいろいろな言語に Web ページを対応する必要性があります。
現在は 5言語展開していますが、生成 AI を活用することで 69 言語で全世界の人に紹介できるようになるとのことです。
星野リゾートでは、生成 AI に下記を期待しているとのことです。
正確性
これは、Google Cloud の信頼できる AI によって提供されています。
固定観念からの脱却
星野リゾートでは、大きな意思決定には市場調査を実施しています。
しかし、小さな決定は市場調査を実施できていません。
日々のスタッフの意思決定に、生成 AI が活用できるとのことです。
創造性の刺激
生成 AI によってブレストの刺激を行うことができます。
星野 佳路 様いわく、自身は英語の取得に多大な時間を掛けてきたが、今後は国語力が必要になると話がありました。
生成 AI の活用によって、自身が更にスキーを楽しむことができるようになるのを期待するとのことです。
Google Cloud 白川 遼 様
Google Cloud 白川 遼 様によるデモがありました。
Gemini によって、メールを検索して優先タスクを決めることができます。
これを、自然な会話で行うことができます。
自身の持ってるドキュメントを参照して、ドキュメントを作成することができます。
また、ビジネスにとって必要なレポートを簡単に作成することができるようになります。
東日本旅客鉄道株式会社 伊勢 勝巳 様
既存事業に対する推進について東日本旅客鉄道株式会社 伊勢 勝巳 様 から話がありました。
東日本旅客鉄道株式会社では輸送サービス、生活サービス、 IT / Suica サービスなどを提供しています。
生成 AI を活用してあらたな価値を提供するとのことで、JR East Travel Concierge を検討しています。
これは、 Gemini 1.5 Pro を用いて日本旅行を楽しめることを目的にしています。
日本旅行の課題として、いくつかの課題があります。
旅行計画時には、言語の壁、文化の違い、地方の情報不足などがあります。
とくに、地方の情報不足によって多くの訪日観光客は地方の機会を逃しています。
これを解決するため、JR East Travel Concierge では、情報提供、旅程生成、安心感の提供などの多くの機能を提供し、生成 AI によって地方促進を図るとのことでした。
生成 AI を活用して「変革 2027」 に向けて邁進したい。とのことです。
さいごに
最後に、Google Cloud 平手 智行 様より Google Cloud Japan ハッカソンのご紹介がありました。
世界をアッといわせるアプリを、とのことで、非常に興味のある内容でした。
まとめ
今年は生成 AI が非常にアツいですね！
生成 AI を活用して、セキュリティの向上などに寄与できるように、生成 AI を使いこなせるようになりたいです！
余談ですが、モバブ忘れました 🥺
