概要

セッション

「本気のナレッジ活用」は企業をどう変える?知識×生成AI×Glean (D1-GL-08)
株式会社アシスト 八木 康介 氏

主に各社のナレッジの活用状況や、活用する際の課題について。
具体的には、AI活用のためにどんな情報整理フローが必要か。毎日どれだけ時間を浪費しているか。など、わかりやすくお話しいただきました。

まず、このセッションのテーマ

どこの会社も、ナレッジが貯まるけどもなかなか活用できない…。
だから!本気で!ナレッジを!活用しよう!

ナレッジが活用できなくて困ること

見ているだけで、悲しくなってくることばかりですね。

  • イノベ定価
  • 意思決定の遅延
  • 品質低下
  • 顧客対応の増加
  • 効率低下
  • コスト増加

ナレッジ活用のポイント

DIKWピラミッドを土台から順に愚直に進めていこう。
DIKWというのは、データを活用するためのフレームワーク。

  • データ整理 (Data)
  • 情報共有 (Information)
  • 知識理解 (Knowledge)
  • 知恵活用 (Wisdom)

DIKWの中で、一番躓くことが多いのが「情報共有」から。
これ以降も、情報共有から先の問題について、お話しいただきました。

情報共有 (Information) の課題

サイロ化は、企業が大きくなるほど多くなっていく。
また、ドキュメントをどこで管理するか、本当に明確になっていますか…?

知識理解 (Knowledge) の課題

普段たくさんのアプリを使用していて、どのアプリで共有したのか忘れてしまう。
アプリをあれこれ探してやって見つけても、ドキュメント自体が間違っていたりする…。
もっと有効に時間を活用して、すばやく正しい情報にアクセスしたいですよね。

情報共有と知識理解ができていないことで消える時間は…

  • 情報収集にかける時間
    • 9.3 時間/週
  • 重複作業に費やす時間
    • 6.5 時間/週
  • アプリ切り替えに浪費する時間
    • 30 回/日(13アプリ)

単純計算で、1週間の業務時間(40時間)のうち、約4割弱くらいが消えていってるわけですね…
とても忙しい現代人につらい現実です。

情報収集・検索する業務とは?

普段、検索と意識していなくても、情報収集・検索をする業務はたくさんあります。
むしろ、情報を扱わない業務はほぼないのではないでしょうか。

そして、情報収集・検索に時間を使うのは、本当にあたりまえ。でいいのでしょうか…?
こんなに何も生んでいない時間を使うのはもったいない。

みんな大好きAI!…でも

最近は、耳にしない日はない。AI。
そんななか、情報共有・知識理解できてなくても、すぐ意思決定に活用(知恵活用)したい。という企業様も多いんだとか。

RAGを使っても、ドキュメントの信頼性が担保できなければ、意味がないですよね。
結果として、間違った・古い回答が返ってきてしまう。

最初に、RAGを作る時には、とてもとても小さい範囲で始めましょう。
例えば、人事規定のドキュメントを参照させるだけ。とか。

DIKWピラミッドを下から積み上げていこう!
すっ飛ばして意思決定しようとすると、なんの変哲もないチャットボットになる。

ところで、ナレッジ活用ツールはたくさんありますよね?

昨今、ナレッジ活用ツールはたくさんありますが、
それだけでは乗り越えられない壁がたくさんあります。

  • 機密
    • 誰がどのデータにアクセスできる?
  • 分散
    • データがあちこちに散らばっている
  • 変化
    • データの保管場所が、翌日から変わる…など、日常茶飯事
  • 組織理解
    • どの部門でどんな活動しているのか把握する必要がある
  • 社内用語
    • 社内用語を理解する必要がある
  • 正確性
    • 本当に正確な情報か、担保する必要がある

せっかく、検索ツールを導入しても、上記の壁が理由で、全く使われないツールになることも多い。
また、各ツールの検索精度が違ったり、当然そのアプリ内のデータしか検索できない。

壁を解決したアプリ Glean

  • 必要なデータを横断して検索
  • ユーザごとに検索結果が異なる
    • 検索履歴などの情報からパーソナライズされる






効果

まとめ

近頃、今すぐRAGで情報活用したい!が多いですが、まずはデータ、フローの整備などが当然必要です。
データ活用の流れをDIKWピラミッドとともにご説明いただきました。
また、普段の業務時間の約4割程度が非生産的な時間に消えています。
どんどん加速する世の中で、データを整備して、しっかり活用していきたいですね。

また、個人的に、某少年漫画のように熱く本気の気持ちが届いてとても聞いていて元気が出ました。
人間、定期的に琴線に触れることはとても大事。