株式会社NTTデータグループ様(以下、NTTデータ様)による「事例で学ぶ、競争力を高める生成AI活用の実践的アプローチ」のセッションについて、セッション内容をまとめたレポートを共有いたします。

セッション概要

タイトル 事例で学ぶ、競争力を高める生成AI活用の実践的アプローチ
日時 8/1(木) 12:00 – 12:30
概要 生成系AIを活用し、如何に業務効率化やサービス改善・創出につなげられるか、その具体的なアプローチが求められてます。

生成AIの活用スコープは、法務・財務・人事のようなバックオフィスから、マーケティング・チャットボットのような顧客とのタッチポイント、またソフトウェア開発など多岐に渡ります。
本セッションでは生成AI活用の実践に向けて、NTTデータにおける様々な事例をご紹介します。

生成AIの歩み

労働集約型→AI駆動型

冒頭で昨今の流れとして人口減少に伴い、受託型ビジネスなどで労働集約型だったビジネスモデルから、AIを活用したAI駆動型に時代を変えていく必要がある点について述べられました。

NTTデータ様の生成AIの歩み


NTTデータ様での生成AIの取り組みが紹介されました。
その取り組みの一つに生成AIを活用したソフトウェア開発となります。ソフトウェア開発での活用にも積極的に取り組んでおられるようで、生成AIを取り入れることによって、生産性が向上した事例を紹介されました。(具体的な事例内容については事例紹介の項目で紹介いたします。)

Co-Creation with client (先進顧客との共創)
GenAI Ecosystem (コンサル・サービス・アセットの拡充)
Client's Own LLM (セキュア・業務特化型生成AIの提供)

上記3つの戦略の柱に基づいて、生成AIを用いてお客様のビジネス変革をサポートしているとのことでした。ただ労働力を提供する様な従来型ではなく、コンサル業務や生成AIの提供なども実施することによって、より付加価値を提供していきたいということでした。

事例紹介

生成AIを用いた事例について、いくつか紹介されました。数多くの事例の紹介がありましたが、その中でもいくつかピックアップしたものをここでは共有いたします。

ソフトウェア開発


NTTデータ様内でのソフトウェア開発における生成AI活用事例について説明がありました。
Javaのバージョンアップ作業・シーケンス図などのドキュメント作成・PJの課題抽出や解決策提示など従来人の手が必要だったような作業も生成AIを使用することで、時間の短縮や抜け漏れの防止に役立ったとのことです。

商品企画


商品企画における生成AI活用事例が紹介されました。
トレンドエクスプローラーといわれる、SNSのユーザの投稿から最新トレンドを予測するサービスを使用し、商品企画でどのように生成AIが使用されるのか説明がありました。従来ですと、アンケートなどで消費者の声を拾い上げる必要があり莫大なコストがかかりましたが、SNSによる分析ツールを使うことで従来の方法に比べると手間が減らすことができます。

ユースケースに応じた対応

世間では「生成AIを使いたいが、セキュリティ的に問題ないか心配」といった声がも多いかと思います。発表の中で、プライベート/オンプレミスにおける生成AIも提供することで、ユースケースに応じて最適な選択肢を提供することができるようになり、生成AIの活用を促進できる点が強調されました。

AIガバナンス

最後にAIによるガバナンスの取り組みについてのお話がありました。
今後人間と同じように特化型AIを設けて、何かあった時に生成AI同士がコミュニケーションをして、支援することが増えるのではないかということでした。
NTTデータ様のサービスの一つであるLITRONでを使用し、それぞれの立場のAIがコミュニケーションをとりながら、お題に対するディスカッションのデモが実演されました。

所感

筆者の業務ではAIはあまり使用しないのですが、NTTデータ様での活用事例を通してAIに対する活用方法が具体的にイメージがつきました。筆者の中では生成AIというとChatGPTなど質問に答えてくれるチャットボットのイメージが強かったのですが、ビジネス上の課題にも対応してくれたり、生成AI同士が議論をするなど想像していた以上の働きをしてくれることにとても驚きました。

AIが誕生した際に、世間では「将来AIが発達することで、人の手は必要なくなるのではないか?」という心配の声も上がっていたかと思いますが、日本における人口減少も揶揄される中で、いかにAIを用いて生産性を向上させるかという考えにシフトしていく方が建設的であると改めて気づかされたセッションでした。
お客様の中でも「AIを活用したいがセキュリティ上の懸念から出来ていない」というお言葉をいただくこともあるので、ユースケースに応じて柔軟に対応していきたいと感じました。