クラウドインテグレーション事業部の池田(kiwi_clp)です。
JAWS FESTAに初参加してきました!今年は広島の広島大学での開催です。
JAWS FESTAとは
JAWS-UGの各支部が立候補し、選ばれた支部が地元で開催する全国規模のイベントです。
春は東京でJAWS DAYSが開催され、秋は地方でJAWS FESTAが開催されます。
昨年は福岡で開催されました!その他北海道、宮城、愛知、大阪で開催されました。
今年は中国地方初開催とのことでした!
イベント規模
申し込み者数ベースで「343人」の規模で地方開催、土曜日開催で全国から300人以上の参加があるのは単純にすごいと思いました!
懇親会など数百人規模の募集ですぐに予約枠が埋まっていて人気度の高さにびっくりしました。
前夜祭
前夜祭は広島駅付近での開催で関西在住の私は前夜祭参加目的で前乗りしました。
早めに広島入り出来て暇だったので「ひろしまお好み物語 駅前ひろば」でお好み焼きを食べてました。
横丁みたいな感じで多数のお好み焼き店舗があり、広島駅からのアクセスもいいので食べるところに迷ったらここに行っとけば間違いなさそうでしたー
関西の混ぜ焼きと違って重ね焼きが特徴で麺が入る分ボリューミーで美味でした!
牡蠣好きな方は牡蠣トッピングが鉄板っぽいですねー
お好み焼きを食べて前夜祭会場に向かいましたが、広島の繁華街での開催でしたのでタクシーや路面電車でのアクセスが良いところでした。
前夜祭はDoorkeeperで事前予約が必須で約100人の参加者がいました。
会場は EIGHT Supperclub で100人規模でも余裕な感じでした。事前にDoorkeeperで決済、入場時にQRコードでの受付だったのでスムーズに開始出来ていて非常に参考になりました。
冒頭にイベント当日の注意事項や大事なポイントを紹介されており、会場へのアクセスを案内いただいてました。
当日は酒まつりが広島大学最寄りの西条で開催されており、臨時駐車場の広島大学と酒まつり会場を往復でバスが用意されていたのですが、そのバスを乗り入れ出来るように交渉いただいていたり、JAWS FESTA専用のシャトルバスが用意されていたりと事前の段取りの良さにびっくりしましたw
事前に確認をしていなかったので当日知ったのですが会場は広島駅から1時間以上かかる為朝が非常に早い事が判明・・・
来年度参加する時は前夜祭の場所と当日の会場をしっかり確認しておきたいと思います・・・
前夜祭でもLT枠が募集されており、魅力的なLTを楽しめました。
弊社から小巻も登壇しており、LTでは実家の飲食店向けへのサポートシステムを紹介されており、個人で構成するには贅沢な構成で視聴者の方の反響が多く盛り上がっていました!
LTでお話された実家のサポートシステムの詳細は今週10/18(金)にJAWS-UG神戸で踏み込んだ話をされるみたいなので興味のある方はぜひJAWS-UG神戸にご参加ください!
自社、他社問わず沢山のエンジニアさんと交流が出来ました。
お相手いただいた方ありがとうございました!
JAWS FESTAイベント当日
イベント当日は朝早くから広島→西条へ移動。
西条駅からシャトルバス乗り場まで徒歩10分くらいで歩いて移動していたら同日開催の酒まつりメイン会場が。
8時過ぎでしたがもう列が出来ていました!
人気度の高さがうかがえました。JAWS FESTA二次会は酒まつりでの開催なので場所だけとりあえず確認して広島大学に向かいますー。
西条からバスで向かって大体9時過ぎに開催場所の広島大学につきました。
開催は10時からの結構余裕を持って到着出来ました。
JAWS FESTAメインイベントもDoorkeeperでの受付でQRコードの受付を行い、ノベルティ、名札を頂きました。
名札には職種や居住地、初参加などの属性シールを貼れる仕組みにされており交流のきっかけになるように工夫がされていました!
ノベルティでAWS BuilderCardsももらえてめちゃくちゃ嬉しかったです!
懇親会の受付も同時に行えて、懇親会参加者へはわかりやすくリストバンドの配布がされてました。
いただいたノベルティです!
JAWS FESTA専用の垂れ幕もあり写真撮影スポットとして賑わってました。
10時から開会式でスポンサー紹介、会場の注意事項、イベントの見どころなど紹介されていました。
会場は広島大学の講義室で多くの人がセッションを聞ける環境でした。
キーノート:~AIで未来を切り開く~広島県におけるAI活用の取組
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/A-0/
キーノートでは広島県知事 湯﨑さんが広島県のAI活用の取り組みについてお話されていました。
以下レポートです。
セッション概要
広島県知事の湯﨑英彦氏が、広島県のAI戦略と具体的な取り組みについてAIの重要性と広島県の強みを活かした施策を紹介。
AIの社会的影響
- AIの影響力はインターネットの登場以上の可能性がある。
- 最近のノーベル賞でAI関連研究が評価されている。
広島県の特徴と強み
- 自然と都市の共存環境
- チャレンジ精神旺盛な企業文化
- 半導体関連企業の存在(例:マイクロンの最先端メモリ開発・生産拠点)
広島県のAI推進施策
AIサンドボックス
- AI活用ソリューションの開発支援
- 最大1億円の補助金提供
- 失敗を恐れない挑戦を奨励、全国初の「失敗OK」というコンセプト
- ユニコーン級の企業を今後10年で10社創出目標
AIラボ
- 県庁内に5人程度のチームを設置(2人庁内、3人を外部から採用予定)
- AIの新しい使い方を自由に探索
広島AI部
- 高校生向けAIクラブの設立
- 企業参加によるコーチングや実践的課題の提供
- 東大・松尾豊教授が最高顧問に就任
感想
失敗することを前提に、失敗してもいい、という姿勢でイノベーションを生む仕組みが非常に素晴らしいと思いました。
日本では失敗が許容されない文化が根強くあり、イノベーションが生みづらいと個人的にも感じますので官公庁が率先して失敗してもいいからイノベーションを優先する方針を聞いてワクワクしました。
AIの急速な発展を広島県の更なる発展のチャンスと捉え、産学官連携や若手人材の育成を通じて、AIを活用した地域イノベーションを推進する方針を示されておりましたが、広島の強みを活かしつつ県をあげてAI活用を進める取り組みは日本のIT力強化、県の発展にも非常に有効だと感じましたので今後の広島県の動向に注目していきたいと思います。
Amazon ECS & AWS Fargate今昔物語
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/C-1/
AWS Container Heroの新井さんのセッションではAmazon ECS及びAWS Fargateを中心としたコンテナサービスにおけるこれまでの歴史を発表されておりました。
以下レポートです。
セッション概要
AWS Elastic Container Service (ECS) が長年にわたり支持され続けてきた理由、過去のアップデートなど紹介されておりました。
ECSのシェア、タスク実行数
- 規模: 世界中で1日あたり約3億のタスクが実行されている。
- 採用率: コンテナ利用を検討する新規顧客の約65%がECSを選択。
ECSが支持され続ける3つの要因
1.ロードマップによるオープンな方向性
- GitHubプロジェクトとして公開され、ユーザーフィードバックにより優先順位が決定される。
- ビジネス戦略上の理由で一部機能は非公開。
2.ニーズに基づく継続的なアップデート
- 10年間で255回のアップデート(主要な機能追加は155回)。
- 平均して月に2回のペースでアップデートが行われている。
3.定期的な価格改定
- 2019年に最大50%の値下げを実施。
- 最近ではWindowsコンテナが最大49%値下げされた。
最近のAWSサービスの動向
- これまでAWSは「サービスを終了しない」というスタンスを取っていたが、最近変化が見られる。
- 24のサービスが新規利用停止や終了のアナウンスをしている(例:AWS IoT 1-Click、Cloud9など)。
今後のクラウド利用者の姿勢
- 単純なアップデート追跡だけでなく、業界の潮流の変化を能動的にキャッチアップする。
- 新技術(例:ETF、AIなど)とECSの統合可能性を考える
- フィードバックを通じて積極的にユーザの声をAWSに伝えることが重要。
- ユーザーからのフィードバックがサービス継続の判断材料となる。
感想
最近ではコンテナ前提でのサービス選定の機会も多く、ECSを採用するケースが増えてきました。
アップデートも定期的に行われており、ユーザの声が多く反映されておりかなり使いやすくなっている印象です。
一方でService Meshの新規利用中止など「AWSが提供してきたサービスは終了しない」という神話が崩れてきているのでサービス終了も視野に入れたアーキテクチャの検討も重要になってくると感じました。
しかしECSのシェアの高さ、アップデートの頻度などECSの未来は非常に明るいものだと感じているため積極的にECS Fargateを活用していきたいと思います!
ペアーズにおけるAWS Rekognitionを活用した本人確認の新しい調整
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/C-2/
株式会社エウレカ所属の山口さんのセッションではマッチングアプリ「ペアーズ」の本人確認認証にAWS Rekognitionを活用した事例をお話されておりました。
以下レポートです。
セッション概要
マッチングアプリ「ペアーズ」におけるオンライン本人確認(eKYC)システムの改善について紹介
背景と課題
- マッチングアプリの利用増加に伴い、安全性確保の重要性が増大
- 不正アカウント対策と審査コスト削減が主な課題
- 従来のシステムでは 18 歳以上の確認と実在確認を別々に実施
新 eKYC システムの概要
以下の AWS サービスを組み合わせて新しい eKYC システムを構築
- Amazon Rekognition: ID カードの顔検出
- Amazon Rekognition Face Liveness: 生体認証(なりすまし防止)
- Amazon Rekognition CompareFaces: ID カード写真とセルフィーの照合
技術的ポイント
- スコアリングシステムの採用
- 各 AWS サービスはスコアを返す
- サービス側で閾値を設定し、判断を行う
- 画像処理の最適化
- ID カード画像から顔部分をクロップして使用
- 画像の品質(明るさ、サイズ)が結果に影響
- API の使用方法
- 画像データをバイナリまたは Base64 エンコードしてリクエスト
- レスポンスにはスコアや顔の位置情報などが含まれる
- エラーハンドリング
- AWS サービスからの予期せぬ空応答に対する適切な処理
- パフォーマンス最適化
- AWS サポートとの協力により、処理能力を 5 TPS から 60+ TPM に向上
- セキュリティ考慮事項
- 一定割合で人間による目視確認を実施し、システムの品質をチェック
改善の結果
- 不正アカウントの通過率が大幅に減少
- ユーザーの本人確認バッジ取得率が向上
- 人による目視審査時間を 3 分の 1 に削減
今後の課題
- 継続的な不正対策の強化
- マルチリージョン対応
- 新技術導入(マイナンバーカードの IC チップ読み取りなど)
感想
AWSサービスを効果的に組み合わせることでセキュリティと利便性を両立させたeKYCシステムの構築をされた事例として非常に興味のあるセッションでした。
マッチングアプリという性質上、不正アカウントが増えるとユーザの信頼性が低下し、ユーザ数の減少に繋がってしまうが個人認証が遅くなるとユーザ体験も悪くなってしまうのでeKYCの信頼性、スピード感は非常に重要だったかと思います。
重要なミッションをAWSサービスを効果的に組み合わせて大幅な改善をされている事例は同業他社の方は貴重な参考事例になると思います。
Application Signalsで始めるSLOユーザー満足度を数値化する第一歩
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/D-3/
ニフティ株式会社所属の浅見さんによるCloud Watch Application Signals活用事例です。
以下レポートです。
セッション概要
AWS Application Signalsを活用してサービスレベル目標(SLO)を設定する方法を概念からアプリケーションパフォーマンスや可用性の測定方法、ユーザ体験の数値化方法などを紹介されておりました。
AWS Application Signalsの概要
- AWSのサービスカテゴリの一つ
- アプリケーションの状態や性能を可視化するダッシュボードを提供
- OSネイティブエージェントを使用してデータを収集
SLO(Service Level Objective)の重要性
- サービスの信頼性と性能を定量的に管理するための指標
- SLI(Service Level Indicator)、SLO、SLA(Service Level Agreement)の関係性を説明
エラーバジェットの概念
- 許容可能なエラーの予算
- SLOに基づいて自動的に計算される
SLOの設定方法
- ユーザージャーニーを考慮して重要な機能を特定
- 可用性とレイテンシーなどのカテゴリーでSLIを設定
- AWSコンソールでの具体的な設定手順を解説
AWS Application Signalsの特徴
- サービスオペレーションとCloudWatchメトリクスの2種類の設定方法
- 期間ベースとリクエストベースの計算方法
- カスタムメトリクスによる柔軟な設定が可能
AWS Application Signalsを利用するメリット
- ユーザー視点からの重要な機能に基づいてSLOを効果的に設定できる
- SLOドキュメントを活用してチーム内で方針を共有しやすい
- CloudWatchメトリクスベースでもSLOを作成できるため、既存のモニタリング体制からも始められる
- ダッシュボードを通じて、エンジニア以外でもサービスの状態やユーザー満足度を把握しやすくなる
感想
2023年のre:Invent参加時にApplication Signalsの発表を聞いていましたがサービス設定方法などはわかっていなかったので前提知識がそこまでない私でもメリットや具体的な設定方法についてイメージが出来ました。
非機能の要件要件時にSLAの設定など指定がある場合でも具体的な指針やパフォーマンス測定などがされていないケースもあると思いますのでApplication Signalsを活用して数値化、ダッシュボードなどを通じてアプリケーションの状態測定など活用できるケースが多いサービスであると感じました。
GPSデバイスを使った簡易位置案内システムの構築をしてみた話。
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/C-5/
アイレット所属の和田さんによるJAWS FESTAでもユーザに公開されていたスマホでシャトルバスの位置が確認出来る「酒バスウオッチ」のお話が聞けました!
以下レポートです。
セッション概要
SORACOM GPSマルチユニットとAmazon Location Serviceを使った過去開催のワークショップ紹介や酒まつりイベントでのバス位置追跡システム構築の概要
過去実施してきたプロジェクト
- SORACOM UGイベントでIoTデバイスとAmazon Location Serviceを使用した可視化プロジェクトを作成。
- GPSボタンやGPSマルチユニットなどのデバイスを使用して位置情報を収集。
- 日本全国の複数の場所からのデータを可視化。
ハンズオンワークショップ
- 盛岡でワークショップを実施。
- デバイスが特定のジオフェンス領域に入ったときに通知を送信するシステムを作成。
- AWSサービスを使用する学生から好評を得た。
JAWS FESTA2024酒バスウオッチシステム構築
- 酒まつりイベント用のバス位置追跡システムを開発。
- 8人のチームでシステムのセットアップと管理を協力して行った。
- バスに設置したSORACOM GPSマルチユニットデバイスを使用して位置情報を送信。
- IoT Core、Lambda、Amazon Location Serviceなど、様々なAWSサービスを活用。
- バス会社からのご要望や運用上の問題点に対処するため以下のような機能を実装
- 運転手の休憩中のデータ送信停止
- AWS IoT Eventsを使用したデバイスの潜在的な問題の通知
- データ送信間隔の調整(最小1分に制限)
- 今回の酒バスウオッチで認識した今後の課題
- より短い送信間隔の必要性(今回はデバイスの制限により実装は1分間隔)
- バスの進行方向の可視化の改善
- バス停の位置表示
酒バスウオッチシステム構成図
酒バスウオッチページ
https://bus.jawsfesta2024.jaws-ug.jp/
こんな感じでリアルタイムでバスの位置が表示されます!
感想
SORACOM LTE-M Button powered by AWSは過去購入して通知システムなどを個人的に作ったりしておりましたが位置情報は取得は出来ませんでしたので通知システム止まりでした。
SORACOM GPSマルチユニットを使うと簡易的に位置情報を利用したシステム構築が出来るみたいですので色々アイデアを練って活用してみようと思いました。
バス会社の方と協力して専用のシステムを構築する行動力、技術力はすごいなと感じさすがJAWS-UGと思いましたw
不要なリソースを自動で定期的に整理する方法~Sandboxアカウントのコストを削減しよう!~
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/C-6/
株式会社Relic所属エイミさんこと保さんの不要なリソースの自動削除ソリューションのお話でした!
以下レポートです。
セッション概要
Resource Exproler API、タグの仕組みを活用して不要なリソースを整理する仕組み、運用方法の紹介
背景
- サンドボックス環境で不要なリソースが蓄積し、コストが増大
- 手動での管理が困難になり、自動化の必要性が生じた
実現した成果
- 約60%のコスト削減に成功
利用AWSサービス、言語など
- AWS Lambda、EventBridge、Resource Exproler API
- JavaScript (Node.js)
自動整理の仕組み
- EventBridgeでスケジュール実行
- Resource Explorerでリソースのリスト取得
- タグベースでの削除対象判別
- リソースタイプ別の削除関数実装
自動整理のポイント
- 「消すなと言われていなければ消す」方針
- 削除2週間前に通知を送信
- タグによるリソース管理(例:YYYY-MM形式で保持期限を指定)
実装のポイント
- Resource Explorer APIの活用
- リソースタイプごとの削除関数の実装
- エラーハンドリングと再試行の実装
- 自動化システム自体が削除されないための対策
テスト方法
- 自動テスト:判別関数のユニットテスト
- 手動テスト:実際のリソースでの削除テスト
組織内での運用
- タグ付けルールのドキュメント化と共有
- 削除前の通知による納得感を得てもらう
感想
検証アカウントの不要リソース停止漏れ、削除漏れ、リソースへのタグ設定漏れなどはどこの企業でも問題になることがあるのだなと感じました。
故意ではなくうっかりや多忙で忘れてしまうことがあるのは仕方がないので自動整理の仕組みを作って運用するのは非常に参考になりました。
現在私の所属するグループでも稼働しているリソースや不要なリソースをslack通知する仕組みは実装していますが削除までは行っていませんでしたのでセッションで聞いたシステム構成を参考に実装してみようと思います。
削除前に削除されるリソース通知をして削除されることへの納得感を持ってもらう寄り添う姿勢なども参考になりました。
広島銀行におけるAWS活用について
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/E-7/
広島銀行所属の森さんによる広島銀行でのクラウド活用の事例紹介のお話でした。
以下レポートです。
セッション概要
広島銀行のクラウド活用方針、クラウドシフトの背景やC-BIZラボという組織紹介
森さん経歴
- 2009年:TIS(独立系SIer)に入社
- その後:広島銀行に転職
- 2020年:クラウド担当に就任
広島銀行について
- ひろぎんホールディングスの傘下
- 1878年創業(約150年の歴史)
- 地域に根ざした総合サービスグループを目指す
AWS活用の歴史と取り組み
- 2020年以前:クラウド利用に消極的
- 2020年4月:クラウド積極活用の方針決定
- 2021年3月:最初のAWSアカウント取得
- 2021年9月:第1号案件サービス開始
- 2022年4月:クラウド専門組織「C-BIZ」設立
- 2022年9月:AWS Migration Acceleration Program(MAP)2.0契約
- 2023年度末:オンプレミスからAWSへの全面移行計画作成
- 2024年3月:Azure利用の開始
- 2024年10月:合計39AWSアカウント保有
AWS利用方法など
- NTTデータのセキュリティサービスを利用
- セキュリティポリシーの自動適用機能
- 情報漏洩防止のための設定ミス自動修正
- 環境構築:主にAWSマネジメントコンソールを使用
- システム監視:ひろぎんITソリューションズ(HITS)に委託
C-BIZラボについて
- 2022年4月に設立されたクラウド専門組織
- 役割:クラウドの一元管理、内製開発人材の育成
- 構成:クラウド基盤ライン、アプリケーションライン等
- 特徴:専用の執務室を設立
- 人員:AWSインフラ担当は銀行員1名、HITS2名、地場企業からの派遣3名の合計6名
今後の課題と展望
- 開発方法の改善:
- 現状:マネジメントコンソールによる手動構築
- 目標:Infrastructure as Code(IaC)の導入
- システム構成の最適化:
- 現状:基本的なEC2とRDSの組み合わせ
- 目標:より多様なAWSマネージドサービスの活用
- エンドユーザー向けシステムの開発:
- 現状:主に行員向けシステムの開発
- 目標:一般顧客向けサービスの開発
感想
銀行業界の中でも先進的にAWS活用を推進されており、経営層を含めて広島銀行全体でクラウド化を進められていると聞いて同業他社も動向を注目しているのではないかと感じました。
金融業界のクラウド動向については各社気になっているところだと思いますのでセッション参加者は非常に多かったです!
ぜひ広島銀行さんには率先してクラウド活用を行っていただき、銀行業界でのクラウド活用をリードしてほしいです!
パートナー企業のテクニカルサポートエンジニアとして気になる、より良い AWS サポートの利活用について
セッション詳細ページ:https://jawsfesta2024.jaws-ug.jp/sessions/timetable/D-8/
株式会社サーバーワークス所属の市野さんによるAWSサポートの利活用についてのお話です!
以下レポートです。
セッション概要
パートナー企業の目からみたAWSサポート活用ポイントの紹介
AWSサポートへの問い合わせに関する注意点
- AWSは障害の詳細説明を行わない方針
- 理由としてはユーザーがコントロールできない範囲の問題であり、効率的な解決につながらないため
- ステータスチェックやエラーチェックなどからインフラ領域なのかOS、アプリケーション側の障害などか確認することが重要である
AWS設計思想と推奨設計
- 「常に失敗する可能性がある」という前提での設計を推奨
- 高可用性を意識したアーキテクチャの重要性
- 問題発生時の対応よりも、予防的な設計に焦点を当てる
効果的なAWSサポート活用のポイント
- クラウドに適した設計を心がける
- 障害を前提とした復旧可能な設計を実装
- サービス全体の視点から問題を捉える
- 必要以上に細かい問い合わせを避け、ビジネスに即した質問をする
AWSサポートに問い合わせしても回答、対応はしてもらえないケース一例紹介
- 明確な原因の追求やAWSに対して改善策をご要望される場面
- 意図せず発生した再起動の理由を教えてほしい
- インスタンスのretirementについて、今後発生しないように改善してほしい
- 今回発生した事象に対してAWSとしてどう考えているのか書面を出してほしい
- 開示されていない情報をご要望される場面
- メンテナンスの頻度や傾向を教えてほしい
- S3の静的ホスティングではApacheを使っているか?
まとめ
- AWSのベストプラクティス(設計原則)に沿っている、かつ、。AWSドキュメントで解説されているものがあれば問い合わせをしなくても良いように出来る。
- エラー記録→正常復旧→サービス影響なし:この場合は「事象」発生でクローズ出来る。
- エラー記録→想定通り復旧しない→サービス影響発生:この場合は「障害」とみなす。
- マネージドサービスと銘打ったAWSサービスでもないEC2の採用ですら、基盤の運用・管理をAWSに委ねているといえる。
- 基盤のことで発生することをすべてオンプレミス的に捉える必要はない
- インフラ基盤観点ではなく、提供サービス観点で事象を捉えることにより、よりビジネスに即した問い合わせにすることができる
- ひいては細々した問い合わせ頻度の低減に寄与すると考えられる(運用で疲弊しない)
感想
私もAWSパートナーとしてお客様のサポートをする立場なので非常に参考になるお話が聞けました。
お客様としてはどうしてもなんで障害が発生したのか、なにが起因でサーバが落ちたのか、を気にするお客様が多い為障害の詳細をAWSサポートに確認することがあったりします。
「詳細を回答してもユーザーがコントロールできない範囲の問題であり、効率的な解決につながらないため」という理由は非常に納得のいく説明だと思いましたので心に刻んで今後お客様への対応、回答の参考にさせてもらおうと思いました。
確かにマネージドサービスに寄せたマイクロサービスアーキテクチャなどは可用性も高くインフラ起因での障害でもサービス影響が限りなく少なく、適切なアーキテクチャ設計が運用疲弊を低減出来ると感じておりますのでクラウドに適した設計を心がけていきたいと思います。
キーノートを含む合計8セッションの講演を視聴しましたがどのセッションも勉強になり非常に参考になりました!
トラックもA〜Eと選択肢も多く学びは非常に多く得られるので来年参加に迷っている方はぜひ参加してほしいと思います。
お祭りトラックのAWS BuilderCardsリーグ選手権など魅力的なコンテンツもあり、来年はお祭りトラックにも参加してみたいと感じました!
本筋と関係ないですが大学での開催だったので学食を久しぶりに楽しめました!
この量で850円!安い・・・!
JAWS FESTA 2024 in 広島 懇親会
JAWS FESTA終了後最寄りのホテルでの一次会の懇親会に参加しました!
懇親会は事前にDoorkeeperで申し込み済み、参加に必要なリストバンド持っていたのでスムーズに会場入り出来ました。
円卓、立食での懇親会で自社の方や他社の方と沢山交流が出来ましたー
お相手いただいた方ありがとうございました!
会場では広島名産の日本酒も楽しめました。
二次会西条酒まつり
二次会は西条で開催している酒まつりで実施でした!
各自好きに日本酒を楽しんでください、って感じでした。
残念ながら時間的に酒造蔵は閉まっていたので路上で販売していた日本酒を楽しみました!
街全体は日本酒まつりで広島名産のフードと日本酒を楽しむことが出来る祭りでした。
三次会は新幹線の時間に間に合わなかったので参加出来てませんが次回は後泊も検討して最後まで参加検討したいと思います!
JAWS FESTAに初参加してみて
ユーザ会のイベントとしては多数の企業スポンサー、個人スポンサーからの協賛もあり公式イベントと遜色ない規模、内容でした!
ノベルティも本格的で感動しました!
セッションももちろん魅力的ですが私が一番参加するメリットがあると感じたのは他社のAWSエンジニアの方と交流が出来ることだと思います。
各支部のJAWS-UGに参加していない方でもJAWS FESTAの参加はしやすいと思いますので私のように初参加でも充分に楽しめると思います!
普段行かない地域などでの開催ですと地域のイベントや観光も同時に楽しめますので普段の業務の息抜きにもぜひ参加してみてください!
大人の遠足という宮島観光やお好み焼き体験などすごく楽しそうでした!
私は今後JAWS-UGの支部イベントも積極的に参加しようと思います!
イベント期間中交流していただいた方ありがとうございました!またお会い出来ること楽しみにしてます!