はじめに

10/12(土)に広島県の広島大学でJAWS FESTA 2024 in 広島が開催されました。
前日の夜に前夜祭、翌日の日曜日には遠足もあったようですが、私はスケジュールの都合上、10/12(土)のみ参加いたしました。
当日の盛り上がった様子は、Xで#jawsfesta2024でもたくさんツイートされているのでぜひ確認してみてください!

JAWS FESTAとはJAWS-UGが毎年どこかの地方で開催している全国規模のイベントです。
今年は私の地元である広島で行われるということで帰省も兼ねて参加してきました!(現在は福岡在住)

会場まで

JR西条駅からバスで15分ほどで会場である広島大学に到着!大学受験で落ちて以来の広島大学。嫌な思い出が少しよみがえります笑

10/12、10/13は町全体をあげておこなわれる「酒まつり」も西条駅周辺で行われていました。
JAWS FESTAに参加した後は酒まつりにも参加できるようスケジューリングされていました。実行委員の方のアイディア、すばらしいですね!!(写真は夕方ですが朝から出店やブースは営業していました)

オープニング・キーノート

オープニングで実行委員の方から本イベントの趣旨の説明があったあと、
キーノートとして、広島県知事の湯崎知事のプレゼン及び対談がありました。豪華ですね!
広島県はAIを活用した様々な取り組みをはじめており、「失敗OK」というコンセプトでこれからもさらに推進していきたいとのことでした。
広島AIラボではAIを使ってさまざまな研究をする人員を募集中とのことでしたので興味ある方は要チェックですね!
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/8/hiroshimaairabogaibu.html
キーノート

セッション

登壇の応募も相当あったようで11倍という高倍率を勝ち抜いた洗練されたセッションを受けることができました。
6つのトラックがあり、私は「テクロジートラック」と「広島県内企業トラック」を中心に参加しました。全てではありませんが印象に残ったセッションを記載いたします。

CloudWatchで小さく始めるWebサービスのオブザーバビリティ

導入で「オブザーバビリティとはNew RelicやDatadogなどのSaaS製品のことだと思ってないですか?」というお話があり、まさに図星でした。
オブザーバビリティの概念の説明からしていただき、CloudWatchによる構成まで紹介いただきました。
なんとなく理解したつもりになっていることでも、有識者の方からの説明を聞くことでより理解が深まりますね。
昨年のre:Inventで発表されたAmazon CloudWatch Application Signalsですが、恥ずかしながらまだ使ったことがなく、早速使ってみようと思います。

また、他のイベントでも登壇されている内容ということで、
20分という短い時間でしたがプレゼン内容が洗練されており、そういった点でも勉強になりました。

ペアーズにおけるAWS Rekognitionを活用した本人確認の新しい挑戦

AWS Rekognitionの「DetectFaces」、「Face Liveness」、「CompareFaces」を利用した本人確認システムの構築のセッションでした。
Rekognitionsで判定を自動化しながらも、一定割合で人の目による目視審査も実施することでチューニングに活用しているとのことでした。
私自身まだ使ったことのないサービスですが、そういったトピックスも聞けるのがこういったイベントの良さですね!

XSS攻撃から考察するAWS設定不備の恐怖

リソース不足の中でも優先順位をつけながらセキュリティ向上を目指していく重要性を再確認しました。
WAFルールに関してはWafCharmの利用、AWSのベストプラクティスに沿っているかは診断をアウトソースするなどいろいろツールを使うのも手ですね。

AWSを利用した新しい乗車券システムの構築

個人的に最も興味深いセッションとなりました。
広島県内の市電、バスは「PASPY」というICカードで運賃の支払いをしていたのですが、今年の9月よりスマホアプリのQRコードによる決済「MOBIRY DAYS」が開始し、来年の3月には「PASPY」のサービスは終了するとのことです。
スマホ音痴である私の母や祖母は非常に反発的だったので、サービス改変の裏側を知りたいと思い今回のセッションを聞くことにしました。

「MOBIRY DAYS」の導入に踏み切った理由

・広島電鉄では「PASPY」の基盤としてオンプレ環境で運用していたが、5~7年単位で数十億円をかけてリプレイスをしており、かなりの負担となっていた。
・ICOCAに移行する案もあったが、ICOCAのシステムを維持することはかなり高額でこちらもコスト負担がネックとなった。実際に熊本市の電鉄ではICOCA決済から離脱する動きもあった。
(確かにググるとそのような記事がでてきました。)

「MOBIRY DAYS」のメリット

・CBT(Card Based Ticketing)方式からABT(Account Based Ticketing)方式に移行したことでスマートフォンに表示させたQRコードを認証媒体として残高や利用者情報をクラウド側で参照・更新可能。
・「PASPY」に代わる新しい専用ICカードもクラウド側で参照・更新可能。
・オンプレ機器のリプレイスが不要。
・読み取りだけで高速処理が不要になったため、リーダーが安価。
・常時通信のため毎日の利用明細の転送作業が不要。
・データボックスが車載機からクラウドに移ったため、金額式定期券など新しいサービスの実現が可能(実施するかは未定)。

今回の施策では、クラウド移行することでコストダウンが見込めるだけでなく、新たなサービスの展開も期待できるということでユーザーにもメリットはありそうです。
実家に帰宅後早速母親にメリットを説明しましたが、分かったのか分かってないのような表情でした笑
また、ABT方式を交通決済利用としての実用化は日本初とのことでした。冒頭で湯崎知事が述べていた「失敗を恐れず新しいことに挑戦する精神」が民間企業でも発揮されており、今後も広島県に注目ですね!

自治体システム標準化とガバメントクラウド

ガバメントクラウドのお話を自治体の方から直接聞ける貴重な機会となりました。
ガバメントクラウドの背景、および課題、期待することなどを聞くことができました。
・日本には1,724自治体があり、1,724通りのシステムができてしまっている
・サービスごとにベンダーが乱立してしまっている
ガバメントクラウドの動きは知っていましたが、それを取り巻く課題までは知らなかったので非常に勉強になりました。


懇親会

近くのホテルの会場を貸切り、懇親会(1次会)が行われました。
ほとんど知り合いがいない中参加しましたが、お酒の力もあっていろいろな方と交流することができました!
そういった意味でも今回のイベントに参加した価値がありました。

事前予約制でしたが、懇親会は2次会、3次会、そして翌日は宮島まで遠足があったようです。
帰りに酒祭りの雰囲気を味わいながら「雨後の月」と「宝剣」という広島の地酒を少しいただきました。
チケットを購入しないと入れないブースもあれますが、それ以外にも出店や日本酒の飲み比べができる場所もあるので
少し寄ってみるだけでも楽しめるのがいいですね!

後記

興味深いセッションを聞けたり、いろいろな方と交流することができ、とても満足したイベントでした。イベント内で来年のJAWS FESTAの開催場所の発表はありませんでしたが、来年もぜひ参加したいと思いました!どこになるのか楽しみですね!

また、JAWS-UGが主催するイベントとしてJAWS DAYS2025が2025/3/1(土)に池袋で開催されると告知がありました。詳細は今後決まっていくかと思いますので要チェックですね!

学生の方も多く参加されており、どなたでも参加できる雰囲気がありました。セッションの幅も広く、必ず自分に刺さるセッションはあるかと思います!きっかけはノベルティ目当てでも友達作りでもなんでもいいと思います。参加することに意義があるイベントと言えます。

そして改めてですが、こんなにも有意義なイベントを、ボランティアで企画・実現された実行委員やスタッフの皆さん、また協賛してくださったサポーターのみなさんに尊敬の念と心からの感謝です。。本当にありがとうございます!