DX開発事業部の西田です。
Wynnでサイレントセッションを聞いてきたのでレポートです。

サイレントセッションは一箇の会場に複数のスピーカーがいるので、それぞれの聴衆はヘッドホンで聞くことになります。

このようなヘッドホンが座席にかかっており、つけ心地がよいです。
また、チャンネル合わせと側面のカラーライトが連動しているユニークな作りになっています。

セッション概要(翻訳ツールより)

電通クリエーティブは、知的障害を持つ何百万人もの人々が読書をより容易にするための先駆的な AI ツール「Easy Reading」を発表しました。AWS を使用して開発された Easy Reading は、あらゆるテキストを国際的に認められた Easy-to-Read 形式に変換できます。電通は、文学を専門とする組織である Visit Portugal と提携し、人々が文学の古典を通じてポルトガルを「訪問」できるようにしています。Easy Reading を使用することで、Visit Portugal は easyreadingportugal.com で 3 つの有名なポルトガルの作品への無料アクセスを提供しています。このプログラムは 4 月にリスボンで祝われ、Visit Portugal のデジタル チャネル全体でキャンペーンが行われ、このアクセス可能な読書プラットフォームが宣伝されます。

スピーカー

Thiago Winkler
Executive Director of Operations, Dentsu

Jeremy Bartosiewicz
Senior Solutions Architect, Amazon Web Services

セッション内容、感想

本セッションは、読むことが困難な人でも読みやすく書かれた文章「Easy-to-Read」形式で本を生成するAIツール「Easy Reading」についてのもの。

Dentsu CreativeはAI for Good(良いことのためのAI)を使う方法を考えた。

そのためのチャレンジとして、コストと時間がかかるEasy-to-Read形式の本の作成を生成AIで効率化しようと考えた。

プロジェクト「Easy Reading」はvisit Portugalと共同で行われた。

セッションで流れた動画。

ソリューションの全体像。

原本はこのようにePub形式の電子書籍に変換。読みやすい文章に変換し挿絵も生成する。

プロダクションまでのタイムライン。
最初のPoCでMinimal Loveable Product(最小限の愛すべきプロダクト)をリリースするまで半年しかかかっていない。

これを可能にしたのがAmazon Bedrockとそこで利用できる基盤モデル。

まず最初に本の章を一つとり読みやすい同等のものが出せるか検証した。
読みやすい形式をモデルは知っていたが、品質は良くなく、Easy-to-Readの形式に従っていなかった。

そこでルールセットを分割し、一つの章に分割したルールセットを適用して生成する。これを繰り返し最終的な章ごとの出力品質を向上させた。

本の分割、統合もモデルに行わせることで本全体の出力品質も向上。
また、途中アップデートされたモデルへの切り替えも行った。

モデルと人間のダブルチェックにより最終品質も担保される。
イラストもモデルの提案により最適なものを生成するように。
Bedrockを活用することで複数のモデルを扱うインターフェースが統合され、コードがクリーンになった。

「Easy Reading」がビジネスに与えたインパクト。

「Easy Reading」のがこれから目指すこと

  • 複数のフォーマットへの対応
  • 音声への対応
  • Amazon Bedrock Flowsを使ったリファクタリング

取り組みの社会的意義があり、「Easy-to-Read」についても知らなかったので大変感銘を受けるセッションでした。
AI for GoodやMinimal Loveable Productなど心に残るワードも多かったです。

その他

この後ベネチアンのEXPOがオープンしたので展示をみたりSWAGをもらったりしてきました。

AI on TAPというバーテンダーに選択肢を選んで自分の好みのビールを出してもらうアトラクションを試しました!
これもビール好きには「AI for Good」、ですかね?