はじめに

当該記事はラスベガスで行われている Google Cloud Next 2025 の Day1 の What’s new Cloud Run に関する記事となります。

概要

前編に続いて、当該記事では、Cloud Run の注目している新機能及び、AI Agent での活用について触れていきます。
前回も記載していますが、「Cloud Run のアップデート内容がいっぱいなんだよ」ということで投影されていたものが以下で、前後編分けての記載となります。

AI 周りを中心に前編では記載しましたが、アップデート周りを中心に後編は記載していきます。

新機能

Direct VPC Egress

Cloud Run service では対応されておりましたが、今回 Cloud Run jobs で GA となります。release note でも発表されておりました。

両 Cloud Run を利用し且つ、VPC を利用する場合に Serverless VPC Access Connector を選択せざるをえない状態でしたが、今回のアップデートにより Direct VPC Egress を選択しやすくなりました。また、Direct VPC Egress の活用時の IP 数についても、以下の通り以前の4倍から2倍となり、この点においても活用機会が増えそうです。release notes はこちらです。

cross-regional failovers

複数リージョンで Cloud Run service を作成する場合、Service halth を組み合わせることで、cross regional failover をすることが可能となります。これにより、リージョンをまたぐ高可用性構成を組みやすくなりました。障害時に別リージョンでの運用を検討しているような場合、切り替え時間の短縮になり、運用者には嬉しい機能になると思います。

こちらはまだ未公開となる機能です。

IAP

Cloud Run の IAP が プレビュー公開となりました。

これにより、IAP するためには今まで Loadbalancer が必要でしたが、Loadbalancer なしで IAP により認証機能を提供することが可能になります。

Worker Pools

継続的にバックグラウンドで動かし続けるような特性のある挙動をするものに適したサービスとして発表されました。
こちらまだ未公開の機能となります。

利用例として、以下があげられておりました。

  • Apache Kafka
  • Pub/Sub に対して継続的にメッセージをバッチで取得しポーリングがし続ける
  • Github Actions の self host runner としてビルド等のタスク処理を継続して行う

Worker Pools は例にあげたような、継続してバックグラウンドで処理し続け、プールベースでのワークロード、スケールが求められるもので、もっとも効果を発揮する、Cloud Run に新たなサービスが誕生しました。実際の動作などを行えるタイミングで私も試したいと思います。

AI Agent としての動作の紹介

Cloud Run は AI Agent を動作させるのに非常に適しているという説明があり、その理由として以下が挙げられておりました。

  • AI Agent フレームワークでの実行も可能であり、コンテナとして動作することから、OS や基盤の制約を受けづらい環境で動作可能
  • ストリーミング通信も行うことができるため、チャットボットも含めた役割も担うことが可能
  • Gemini API の呼び出しも、認証キーの払い出しが不要で、service 内に認証(サービスアカウント)が含まれている
  • GPU も対応したことで推論ワークロードも対応
  • データベースや他機能と連携が必要な場合も連携機能が多岐にわたるため柔軟に対応可能
  • 発表された Google Agent Development Kits を活用した構築も行える

これらのことから、 Cloud Run ならではの柔軟性及び容易なデプロイなどが見事にマッチしたと考えられます。

纏め

新たに発表された Worker Pools での活用、AI Agent としての期待など、Cloud Run の柔軟性が更に広がりを見せるアップデート内容でした。また、プレビューではあるものの、Cloud Run 自体の使いやすさの向上として単体での IAP、cross region failover などかゆいところに届くアップデートもあり、満足のセッションとなりました。これからも Cloud Run についていきます。