DX開発事業部 フルスタックセクションの田村です。
Google Cloud Next ’25 現地参加1日目のイベントレポートをお届けいたします。

セッション情報

セッションタイトル:Opening Keynote: The new way to cloud

概要:

世界中の企業が Google Cloud を活用して成長を促進し、業界を変革しています。 Google Cloud CEO Thomas Kurian の開会基調講演に参加し、新製品の革新や最新のトレンド、洞察を最前列でご覧ください。 また、実際にビジネスにインパクトを与える新しいソリューションを構築しているお客様の声をお聞きください。

AIエージェントの5つのカテゴリ

  1. Customer Agents
  2. Creative Agents
  3. Data Agents
  4. Code Agents
  5. Security Agents

Customer Agents

Vertex AI Search for Healthcare and Retailに代表されるように、医療や小売などの業界において多様なデータを検索、分析を行うことができるようになっています。

この度、以下のサービスが情報公開されています。

  • Human-like voices
  • Understanding emotions
  • Streaming video support
  • AI assistance to build agents
  • Interact with other applications
  • Integrations

これらの機能は例えば、以下のようなECサイトにおいて音声対話ベースでの商品購入フローを実現することができます。

また人間のような声と感情理解を行い、会話の中でエージェントが適切に顧客支援を行うことができるようになります。

さらにAIを搭載したメルセデスベンツ社の車においては、会話形式での検索やナビゲーションが会話型エージェントの例として提供されていました。

Creative Agents

メディア制作やマーケティング、広告、デザインの分野で活用されるエージェントのカテゴリです。

ラスベガスにあるスフィアを最大限に活かすコンテンツとして、「オズの魔法使い」を選択したとのことですが、従来の方法では困難とされ技術的な挑戦でしたがGoogle DeepMindの研究者と協力して、AIモデルでダンスシーンを再現していることを紹介していました。特にVeo2モデルを使用するなど、Google Cloudのインフラ活用し、クリエイティブエージェントとしての可能性を示す象徴的な事例となっているようです。

その他、Monk Stock Flowの事例では広告キャンペーンのクリエイティビティを異なる地域や言語に適応させるためにGoogle のAIを活用していることが示されていました。

Data Agents

データ分析や洞察の提供をしたり、データエンジニアリングやデータサイエンス、分析業務を支援するために活用されるエージェントです。

想定されるロールは次のように解説されていました。

  • Data Engineering:データカタログの自動化、メタデータ生成、データ品質維持、データパイプライン生成
  • Data Science:コーディング支援、データローディング、特徴量エンジニアリング、予測モデリング支援
  • Data Analysis:自然言語での分析、信頼性の高い分析、Webアプリやモバイルアプリへの組み込み

BigQueryは構造化・非構造化のデータやテーブルやテキスト、ログ、画像、ビデオなどの多様なデータ形式に対応しています。

Code Agents

Code Agentsは大規模コンテキストウィンドウを活かした推論能力により、企業のコード標準を理解した上でコードの改善点を特定することができます。

Google CloudではGemini Code Assistが代表的なシステムとして挙げられますが、RENAULT社、BROADCOM社、CME GROUP、PayPal、wiproなどの企業で利用されています。

そしてこの度、Gemini Code Assist AgentsがPreviewで公開されました。

このサービスでは開発のライフサイクルを横断したタスクの支援をしてくれるようです。

詳細はDevelop向けの基調講演で公開されるということで、情報公開が楽しみなサービスの1つです。

Security Agents

最後のエージェントとしてSecurity Agentsについて語られました。

セキュリティ対策の効果やスピードを劇的に向上させるべく利用されるエージェントとなっているようです。

主な機能としては以下の2つが挙げられておりました。

  • Malware Analysis(Googleの脅威分析)
  • Alert Triage(Googleのアラート調査)

これによりVERTIV社はこれまでと比べ、ログデータの取り込みが22倍、イベント検知が3倍、調査速度が50%も向上したようです。

さらにセキュリティエージェントを支える統合セキュリティソリューションとしてGoogle Unified Security(GUS)をGA公開しました。

このサービスは以下のセキュリティ対策を兼ね備えたプラットフォームとなっております。

  • Google Security Operations
  • Google Chrome Enterprise
  • Mandiant Consulting
  • Google Cloud Security Command Center
  • Google Threat Intelligence

Google Unified Securityサービスは画像のようにダッシュボードで管理することができ、AI駆動によるセキュリティ運用を行うことができるようです。

個人的に刺さったポイント

エンジニアとしてはやはりCode Agentsによる開発者支援がとても魅力に感じました。近年の開発ではGeminiやCopilotなどのAIツールが開発や調査に使用されることも多く、開発のライフサイクル全体を支援してくれるエージェントが登場すると、よりスムーズな進行や業務効率化を行なっていくことができると思っています。

最後に

今回はKeynoteで紹介された5つのカテゴリのエージェントについて触れました。顧客や開発、セキュリティなど各領域でエージェントが利用されるようになっており、今後もAIエージェント時代が続いていくのではないかと思います。