はじめに

当該記事はラスベガスで行われている Google Cloud Next 2025 の Keynote に関する記事となります。

トピックス

今回 Keynote でお話された内容について、私なりにまとめてみたいと思います。

  • Gemini モデルの進化
    • Gemini 2.5 Pro 、Gemini 2.5 Flash
  • AI インフラストラクチャの強化
    • 新 TPU 「Ironwood」
    • NVIDIA 最新 GPU
    • Hypercomputer の効率化
  • Google Workspace の新機能
    • Google Sheets の Help me analyze
    • Google Docs の Audio overviews
    • Google Workspace flows
  • Vertex AI
  • Google Agentspace の活用
  • セキュリティ

トピックスの内容

Gemini モデルの進化

今回、Gemini 2.5 Pro、Gemini 2.5 Flash が発表されました(プレビュー)。
Gemini 2.5 Pro については推論能力の高さの向上について強調されて説明されており、デモを交えて説明されておりました。Gemini 2.5 Flash では Thinking 能力も組み込まれ、以前同様低遅延で最もコスト効率が良いモデルとして紹介されておりました。
Flash では 以前の Flash にはなかった、Thinking 能力があり、更に低遅延であるため、とてもストレスが少ないながら、質の高い応答が得られそうで、とても期待できますね。

AI インフラストラクチャの強化

新たな TPU 「Ironwood」が発表されました。処理能力の高さから、Gemini 2.5 Pro のようなものが登場したことからも、今後、そういったモデル開発でのトレーニングをターゲットとしたものであることが説明されておりました。
また、TPU だけでなく、GPU のインスタンスとして、B200 と GB200 Blackwell GPUs を搭載した、 A4 および A4X が提供されており、次世代 GPU の Vera Rubin GPU を最初に提供するクラウドプロバイダーの1つであることも紹介されておりました。
TPU だけでなく、最新の GPU についても提供されており、多くの AI 開発ワークロードで Google Cloud が対応できると改めて話されておりました。
インフラストラクチャだけの紹介ではなく、その効率化についても挙げられており、Cluster Director が GA されたことも発表されておりました。Cluster Director の詳細については、別途記載したいと思いますが、強調されていた点としては、多くの GPU などのマシンを1つのマシンであるかのように、管理、デプロイする仕組みとのことで、運用の効率化、耐障害性に関しても見込めるとのことです。
Hypercomputer 周りのデプロイや管理は担当案件でも苦慮していた点であるので、そこが今回の機能により、煩わしかった点が効率的に行われるといいな、と期待したいです。

Google Workspace の新機能

先のトピックスにも記載した通り、以下の3つが新たな機能として紹介されていました。
いずれもまだ提供されていないものとなります。

  • Google Sheets の Help me analyze という分析をサポートする機能、
  • Google Docs の Audio overviews
  • Google Workspace flows

いずれもさらっと説明されたものだったため、詳細な内容はこの Keynote からは明らかになっていませんが、Audio overviews は高音質で提供され、新しい方法でドキュメント操作ができる、というようなコメントあったので、今まで違う形でドキュメント操作する仕組みのようで楽しみです。

Vertex AI

Vertex AI については、推し機能であることは間違いなく、やはり多くの機能が紹介されておりました。
私自身インフラエンジニアなので、その部分でも関わりそうな内容を中心に記載させてもらいます。

  • Vertex AI の新しいダッシュボード提供
    • これによりスループット、レイテンシ、エラー箇所の特定及び、監視においても役に立つものと思います。
  • データ分析
    • BigQuery AI Query Engine
    • 今まで抽出が困難だった非構造化データの抽出ができるようになるようです、デモでは PDF からデータ抽出するようなシーンがデモされていました
    • データ専用エージェント
    • データエンジニア、データサイエンスなどそれぞれの役割に応じたエージェントが提供され、これにより、データパイプラインの作成などが自然言語により自動で生成されるようなサポートが得られるものとおもいます。

Vertex AI と BigQuery の連携が加速したことで、BigQuery を利用したことがなくても、単なるクエリ生成だけでなく、パイプラインの生成などもエージェントを活用することで、また多くの方が活用するきっかけになると思いました。

Agentspace の活用

Agentspace の説明には多くの時間を割いていたように思え、今回の推しポイントなのでは?と感じました。
今回デモ内で、銀行のリレーションシップマネージャがポートフォリオ分析、リスク機会の特定、音声サマリーの作成と送信を行う、などのデモが行われ、Agentspace の活用のしやすさを語る内容でした。挙げたような内容が自然言語で行われると思うと、ワクワクしちゃいますね。
また当該サービスは VPC 内でも実行可能なためデータの安全性の確保が行えると思われる内容でした。

セキュリティ

主に Google Unified Security について話されていました。通常だとセキュリティアナリストが手動で設定していた内容を統合したプラットフォームのような位置付けで発表されておりました。
その GUS のルールに基づき、セキュリティリスクを一元管理できるダッシュボードとして提供していたり、AI を活用したセキュリティリスク検出を行っていたりと、多岐にわたる機能提供が行われていることを示していました。
これらにより、今後のセキュリティ検出における、Google Cloud の活用が一変するような内容だと思いました。

まとめ

今回初めて Next に参加しましたが、多くのボリュームが Keynote で発表されており、フォーカスしないと難しい内容でしたが、それぞれピックアップして紹介させていただきました。
いくつかプレビューの機能もありますが、これらの機能に期待するとともに、現状の構築内容やアーキテクチャを見直すにあたり良い機会となりました。