DX開発事業部 フルスタックセクションの田村です。
Google Cloud Next ’25 現地参加2日目のイベントレポートをお届けいたします。
セッション情報
セッションタイトル:What’s new with Google Agentspace
概要:
組AIエージェントを使用したワークインターフェイスがどのようになるのか気になったことはありませんか?Google Agentspaceの最新の進化について学びましょう。このセッションでは、Agentspaceのエキサイティングな新機能とすぐに使えるエージェント、そしてそれによって可能になる新しいユースケースについて説明します。
Agentspace とは何か
Agentspace は、Google が新たに発表したエンタープライズ向けAIワークスペース統合基盤です。
このサービスを使うことで以下のことを行うことが可能です。
- Enterprise Search – 構造化・非構造化データを横断的に検索
- Generative AI – Geminiなど最新の生成AIモデルで要約・意思決定支援・コンテンツ生成
- Agents – エージェントの構築・展開・利用・管理ができる実行環境
この3層構造をAPI&UIベースで提供されており、Google Workspaceの各種サービスやSalesforce、ServiceNow、Box、JIRA、Slackなど主要な業務ツールともネイティブ連携可能となっております。
Google曰く「Agentspace を全社のナレッジワーカーに展開し、効率化を目的としたエージェントをできるだけ多く作れるよう支援する」を最終的な目標とされているようでした。
最新アップデート総まとめ(2025年4月時点)
Podcast Generation API(Preview)
- PDF、テキスト、音声、画像などのコンテンツからポッドキャストを生成するAPI。
- 以下のフローでポッドキャストを生成できるようです。
- データをアップロード(PDF, text, audio, image)
- プロンプトを設定(短め or 標準)
- 自動で音声化されたポッドキャストを生成
「読む」から「聴く」へ。ナレッジの音声化することでポッドキャスト感覚で情報収集をすることができるので面白い機能ですね。
Agent Gallery
- Google提供・開発者・パートナー・ユーザー作成のエージェントを一元管理・発見できるハブ。
- アプリの切り替え不要、単一UIで利用可能。
Deep Research Agent
- Webと社内データを横断的に調査し、構造化されたレポートを自動生成。
- マルチステップなリサーチが可能。
Deep Research自体はWorkspace Geminiでも利用可能ですが、やはり人手では時間のかかる調査をAIでレポート化できるのは便利。
Idea Generation Agent
- アイデア生成用マルチエージェント。
- 複数視点で評価、トーナメント形式で優れたアイデアを選出。
AI同士がブレストして最適なアイデアを導く、いわゆる“社内アイデア大会のAI自動化”はエージェントならではの機能ですね。
Build and publish High-Code Agent Builder
- Vertex AI経由でデプロイ可能。
- LangChain、CrewAIなど3rdパーティフレームワーク製のエージェントも統合可能。
Agent Designer
- コード不要でエージェントを作成可能なUIビルダー。
- 30以上のプリビルドアクションを活用。
- アクセス権を保持したままデータ連携が可能。
非エンジニアでも業務に最適なエージェントを簡単に自作できる点はこれからのAIエージェント時代を象徴する機能だと思う。
Google Cloud Marketplace連携(100+エージェント)
- パートナーがMarketplaceへ公開
- 管理者がエージェントを選定・導入
- ユーザーはAgent Galleryから利用
Chrome Enterprise統合
- ChromeのURLバー(Omnibox)からAgentspaceの検索・クエリが可能に。
- 社内検索をブラウザから直接実行。
Conversational Looker Agents(Coming Soon)
- Lookerで会話型エージェントを構築し、Agentspaceに公開。
- Salesforce/SAP/BigQueryとの連携により、自然言語での分析が可能に。
個人的に刺さったポイント
アイデアトーナメント型の Idea Generation Agentの機能で、エージェントが議論して最適解を出す”という発想が面白い。業務の中でGeminiを使用してアイデアを練ることが多いが、Agentspaceで社内横断的に資料を参照しながら使えるのは便利なので使ってみたい。
最後に
Agentspaceは、単なる検索ツールやチャットボットではなく、社内情報を一元的に管理できるプラットフォームとなっている。
昨年までの「AIを活用する」ではなく「AIと一緒に働く」という時代が来ていて、Agentspaceはこれを叶えるためのサービスだと思う。