はじめに
この記事はKeyNoteやセッションで紹介された新機能、サービス、SDKなどを実際に試した際のメモです。
誤りなどがありましたら随時、修正していく予定です。
今回はADK(Agent Development Kit)を試してみました。
Quickstart – Agent Development Kit
ADKとは
ADK(Agent Development Kit)は、Google Cloud上でエージェントを開発するためのツールキットです。
Goolge Cloud Next 2025のOpening KeyNoteで発表された新しいエージェント開発キットです。
GitHubでは以下のように説明されています。(以下、adk-pythonより翻訳)
エージェント開発キット(ADK)は、Google Cloud のサービスと緊密に統合された高度な AI エージェントを構築する際に、きめ細かな制御と柔軟性を求める開発者向けに設計されています。エージェントの動作、オーケストレーション、ツールの使用をコード内で直接定義できるため、ノートパソコンからクラウドまで、あらゆる環境で堅牢なデバッグ、バージョン管理、デプロイが可能になります。
実際に触る前に準備
起動方法はさまざまあります。
- ローカルでの実行
- Python仮想環境(venv)を使った実行
- クラウドIDE上での実行
- Dev Containerを使った実行
公式ではPython仮想環境(venv)を使った方法が紹介されていますが、この記事ではDev Containerを使った方法を紹介します。
参考:Quickstart – Agent Development Kit
Dev Containerを使った実行(おおまかな流れ)
Dev Containerを使った実行手順はおおまかに以下の通りです。
1.VSCodeの拡張機能でDev Containerをインストール
2..devcontainer
ディレクトリでdevcontainer.json
を作成
3.Dev Containerを起動
4.Pythonとパッケージのセットアップ
5.コンテナ内でadk web
を実行
6.ブラウザでhttp://localhost:8080
にアクセス
なお、今回はpostCreateCommand
を設定しているため
コンテナ起動時に自動でPythonとパッケージのセットアップが行われます。
※postCreateCommand
はDev Containerライフサイクルの一部で
コンテナが作成された後に発生するイベントです。このイベントに合わせてコマンドを実行できます。
ハンズオン
今回はDev Containerを使った方法を紹介するため、あらかじめ作成しておいた
以下のリポジトリをクローンします。
git clone https://github.com/ymd65536/adk_quick_start.git
次に、VSCodeでリポジトリを開きます。
cd adk_quick_start code .
VSCodeを開いたら、検索窓で> reopen
と入力して実行します。
Dev Containerのセットアップ
まずはGeminiを利用するため、gcloudのセットアップを行います。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
curl -sSL https://sdk.cloud.google.com | bash && exec -l $SHELL && gcloud init
gcloudを認証します。
gcloud auth login
次に、Google Cloudのプロジェクトとリージョンを設定します。GOOGLE_CLOUD_PROJECTにはGoogle CloudのプロジェクトID
GOOGLE_CLOUD_LOCATIONにはus-central1
のリージョンを指定します。
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT=your-project-id export GOOGLE_CLOUD_LOCATION=us-central1
次に、Geminiを利用するための環境変数を設定します。quickstart用の.envファイルを作成します。
echo "GOOGLE_GENAI_USE_VERTEXAI=TRUE" > ./multi_tool_agent/.env echo "GOOGLE_CLOUD_LOCATION=us-central1" >> ./multi_tool_agent/.env echo "GOOGLE_CLOUD_PROJECT=$GOOGLE_CLOUD_PROJECT" >> ./multi_tool_agent/.env
GOOGLE_GENAI_USE_VERTEXAI
はVertex AIのGeminiを利用するための環境変数です。
今回はGoogle CloudのVertex AIを利用するため、TRUE
を指定します。
最後に以下のコマンドを実行してADKを使ったサンプルのアプリケーションを起動します。
adk web
実行結果
まとめ
今回はADK(Agent Development Kit)を試してみました。
ADKはGoogle Cloud上でエージェントを開発するためのツールキットです。
Geminiを利用するための環境変数を設定することで、簡単にGeminiを利用したエージェントを開発することができます。
あまりにも簡単に動いたので
以前作成したGeminiのサンプルアプリケーションをADKを使って書き直したいと思いました。