Google Agentspace と Slack を連携すると、チャンネルに蓄積された情報を検索・活用できるようになります。
本記事では、 Agentspace に Slack を接続する手順と検索方法についてご紹介します。
Google Agentspace とは
Google Agentspaceとは、Google Cloud が提供する企業向けの AI エージェントプラットフォームです。
このプラットフォームの特長は、組織内の様々なシステムやアプリケーションに散在する情報を横断的に検索し、タスクの実行ができる点にあります。
Gmail や Google Drive といった Google サービスだけでなく、Slack や Jira などのサードパーティ製アプリケーションともシームレスに連携可能です。
Agentspace の主な機能については、以下の記事も是非ご覧ください。
【Google Cloud Next ’25】社内情報を検索できる AI ポータルを簡単構築🚀 Google Agentspace を試してみました!
※2025年5月現在、Agentspace は「早期アクセス(Early Access)」として提供されています。
利用可能な機能や仕様は今後変更される可能性がありますのでご注意ください。
Agentspace に Slack を接続する手順
Slack アプリを作成する
Slack APIのサイトにアクセス後、画面右上の「Your apps」からアプリを作成します。
https://api.slack.com/
- 「Create New App」をクリックします
- 「From scratch」をクリックします
- アプリの名前と連携するワークスペースを指定します
- 「Create App」をクリックしてアプリを作成します
トークンを設定する
Slack から Agentspace にデータを取り込むには、アクセストークンが必要になります。
使用できるトークンにはボットトークンとユーザートークンの 2 つの種類があり、どちらのトークンを使用するかによって機能や権限が変わります。目的に合わせて適切なトークンを選択してください。
今回はボットトークンを例に進めます。
項目 | ボットトークン | ユーザートークン |
---|---|---|
紐づく先 | Slack アプリ | インストールしたユーザー |
プライベートチャンネル | 招待すればアクセス可能 | ユーザーが参加している場合のみアクセス可能 |
パブリックチャンネル | 招待 or 自動参加でアクセス可能 | すべてアクセス可能 |
- サイドバーの「OAuth & Permissions」をクリックします
- 「Scopes」>「Bot Token Scopes」に下記のスコープを追加します。
- channels:history
- channels:read
- files:read
- groups:history
- groups:read
- im:history
- im:read
- mpim:history
- mpim:read
- team:read
- users:read
- users:read.email
- channels:join(ボットをチャンネルに自動参加させる場合)
最後に、同じページ内で「Install to <ワークスペース名>」をクリックして Slack アプリの設定は完了です。
インストール完了後に表示される「OAuth Token」は後の手順で使用するため、控えておきましょう。
Agentspace アプリを作成する
Google Cloud コンソールにログイン後、AI Applications から Agentspace アプリを作成します。
画面上部の「アプリを作成する」をクリックします。
Agentspace を選択し、「作成」をクリックします。
任意のアプリ名と会社名を入力します。
アプリのロケーションは「global」、階層は「検索 + アシスタント」を選択して「続行」をクリックします。
データストアを作成する
続いて「データストアを作成」をクリックします。
データソースの選択画面でスクロールするか、検索して「Slack」を選択します。
認証の設定画面で以下の情報を入力し、「続行」をクリックします。
- Workspace ID
- ブラウザ版のSlackでワークスペースにアクセスし、URL の
/client/TXXXXXXX
の「T」から始まる部分が Workspace ID です。
- ブラウザ版のSlackでワークスペースにアクセスし、URL の
- Auth Token
- 先ほど取得したボットまたはユーザートークンを入力します。
詳細オプションの「Enable Static IP Addresses」はオフのまま「続行」をクリックします。
同期するエンティティを選択では、「フィルタ」をクリックして特定のチャンネルのみ同期を許可することができます。
今回は全てのチャンネルを同期します。同期頻度は任意の値を選択してください。
最後にデータストアのリージョンと名前を入力して「作成」をクリックします。
データストアの作成後、「データの取り込みアクティビティ」を確認します。
ステータスが成功になっていれば接続完了です。次回以降は設定したスケジュールで自動的に同期されます。
※データのサイズに応じて、取り込みにかかる時間が大きく変動するためご注意ください。
動作確認
ナビゲーションメニューから「統合」タブに移動し、「ウェブアプリへのリンク」で作成したアプリを実際に使ってみます。
プロジェクトの進捗を質問してみると、Slack 内のメッセージを元に回答を返してくれました。
SlackにアップロードされたPDF(Gemini で生成した架空の就業規則)についても、内容を解釈した上で回答が返されることを確認できました。
さいごに
本記事では、Google Agentspace と Slack を連携して組織内のナレッジを検索する方法をご紹介しました。
今後も Agentspace の機能に関する情報を随時発信していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!