こんにちは!クラウドインテグレーション事業部MSPセクションで一次運用(コアオペレーショングループ)でグループリーダとして活動しております石田(姉の方)と申します!
MSP勤務でデータ分析は専門外の私ですが、最近はもっぱらGeminiにお世話になりつつ業務に取り組んでいることもあり、意を決してGoogle Cloudが主催するイベント『Google Cloud Data & AI Summit ’25 Spring』参加してきました!
まずは参加したセッションの「生成 AI はデータドリブン経営の救世主か? ~ Google Cloud が考える Data x AI、ビジネス プロセスの融合」と「生成 AI が拓くデータ活用の新境地:Google Cloud の「データ エージェント」とは?」のレポートをお届けします。
専門的な話についていけるか最初はドキドキでしたが、未来(もう直近!)の働き方やビジネスのあり方を垣間見るようで、非常に刺激的な時間となりました。このレポートでは、データ素人の私なりに理解したこと、感じたことをお伝えできればと思います。
セッション1:生成AIはデータドリブン経営の救世主か? ~ Google Cloud が考える Data x AI、ビジネス プロセスの融合
まず驚いたのは、日本のデータ活用が世界的に見て必ずしも進んでいないという厳しい現実です。国際経営開発研究所(IMD)の世界デジタル競争力ランキングでは、日本の順位は芳しくなく、多くの中小企業が「データドリブン経営を目指したいが十分に出来ていない」と感じているそうです。その背景には、データが部門ごとにバラバラになっていたり(サイロ化)、専門知識を持つ人材が不足していたり、費用対効果が見えにくいといった課題があるとのことでした。
そんな中、まさに「救世主」として期待されているのが、最近話題の生成AIです。Google Cloudは、この生成AIを単に新しい技術として捉えるのではなく、データとAI、そして日々のビジネスプロセスそのものを融合させるための重要な鍵と考えているようでした。
特に「なるほど!」と思ったのは、これからのデータ活用を形作るという3つのキーワードです。
- Real-Time(リアルタイム): ビジネスのスピードがどんどん速くなる中で、データが発生した瞬間にそれを捉えて分析し、すぐに行動に移すことの重要性が強調されていました。これまでは処理に時間がかかっていたような大量のデータ(ストリーミングデータ)も本格的に活用することで、今まで見過ごしていたビジネスチャンスや顧客のニーズをリアルタイムに掴めるようになるかもしれません 。
- Agentic(エージェント的): これは、AIが単に分析ツールとして指示を待つのではなく、まるで秘書やアシスタントのように、自ら考えてタスクを理解し、計画を立てて実行する「エージェント」として働くという考え方です 。人間はもっと戦略的な仕事や創造的な作業に集中できるようになる、そんな未来を感じました。
- Multimodal(マルチモーダル): 私たちが普段扱っているデータは、数字やテキストだけでなく、画像、音声、動画など様々です。こうした多様な形式のデータ(非構造化データと呼ばれていました)を、AIがまとめて理解し、分析できるというのがマルチモーダルAIの力だそうです 。これまで活用が難しかった情報からも、新しい発見が生まれるかもしれません。
これらの未来を実現するためには、しっかりとしたデータ基盤(例えばBigQuery)とAI基盤(例えばVertex AI)を統合することが不可欠で、Google Cloudはそのためのプラットフォームを提供していくとのことでした 。データに基づいた意思決定が、特別なことではなく、組織の誰もが当たり前に行えるようになる。そんな未来像に、大きな可能性を感じずにはいられませんでした。
セッション2:生成 AI が拓くデータ活用の新境地:Google Cloud の「データ エージェント」とは?
次のセッションでは、先ほどの「Agentic(エージェント的)」という考え方をさらに具体的にした「データエージェント(DataAgent)」というAIの姿が紹介されました。データ素人の私にとっては、ここが一番「未来が来た!」と感じた部分かもしれません。
多くの企業が、データを価値につなげるかという点で苦労しており、その課題として「データのサイロ化」や「専門家不足」が挙げられるのは、最初のセッションでも触れられていた通りです。
では、データエージェントとは何なのでしょうか?簡単に言うと、AIが自律的にデータに関する色々な作業をこなしてくれる賢いソフトウェアシステムのことです 。この「Autonomous(自律的)」というのがポイントで、指示待ちではなく、目標を与えれば自分で考えて動いてくれるイメージです。
「自律的なデータとは」何かというと、データそのものが賢くなるというよりは、データエージェントが間に入ることで、データがまるで「私をこう使って!」と語りかけてくるように、必要な時に必要な形で価値を提供してくれる状態になる、そんな風に理解しました。まさに「データを使う人がAIを使ってデータを活用する」時代が来るのだと感じました。
このデータエージェントは、主に3つの要素で成り立っているようです。
- Model(モデル): Geminiのような強力なAIモデルが「頭脳」の役割を果たします。
- Tools(ツール): 検索したり、データベースにアクセスしたり、分析したりするための道具です。
- Orchestration(オーケストレーション): 複数のエージェントやツールをうまく連携させて、複雑な仕事もこなせるようにする指揮者のような役割です。
そして、このデータエージェントが、私たちの仕事をどう変えてくれるのか、具体的な例も紹介されました。
- DataEngineeringAgent(データエンジニアリングエージェント): データエンジニアの方々の手作業を減らすことを目指すエージェントです。例えば、BigQueryDataPreparationデータのクレンジング(散らかったデータを綺麗に整える作業)や 、BigQueryPipeline(データを処理する流れ)の設計やコード作成をAIが手伝ってくれるようになります 。
- Data GovernanceAgent(データガバナンスエージェント): データの品質やセキュリティを守るためのエージェントです。Automated metadata creation(自動的なメタデータ作成)でデータの意味を分かりやすくしたり 、Anomaly Detection(データの異常検知)で問題が起きる前に気づけるようにしたりします 。
- DataScienceAgent(データサイエンスエージェント): データサイエンスのタスクを自動化するエージェントで、AIモデルの開発などを効率化してくれるそうです。
- ConversationalAnalyticsAgent(会話型分析エージェント): これが特に私のようなデータ素人には朗報で、専門知識がなくても、普段話すような言葉でデータについて質問したり、分析を頼んだりできるようになるエージェントです。
これらのエージェントを支える中核技術として、「Gemini in BigQuery」という言葉が何度も出てきました。これは、Googleのパワフルなデータ倉庫であるBigQueryと、賢いAIであるGeminiを組み合わせることで、データ分析の可能性を大きく広げるものだそうです 。そして、これらの機能はAPIで提供されるため、色々なシステムと連携しやすいとのことでした。
まさに、「専門家に依頼しなくても自分でできる世界観」が近づいていると感じました。これまでは専門部署に頼っていたようなデータ収集や分析も、AIエージェントの助けを借りて、各部門ごとにそれぞれ必要なデータを収集分析できるようになる。これは、ビジネスのスピードを格段に上げあらたなイノベーションを起こす可能性を秘めていると思います。
データ素人の私が感じたこと:MSPとしての可能性
今回の2つのセッションを通じて、MSPにいるデータ素人の私でも強く感じたのは、生成AI、特にAIエージェントの登場によって、データ活用のハードルが劇的に下がり、専門知識がない人でもデータに基づいて判断できる未来がすぐそこまで来ているということです。
もちろん、AIが全てを解決してくれるわけではなく、これからは「AIをマネジメントする」といった新しい働き方やスキルが求められるようになるでしょう 。しかし、面倒な作業や複雑な分析をAIエージェントが肩代わりしてくれることで、私たちはより創造的で、より本質的な業務に集中できるようになるはずです。
これは、私たちMSPにとっても大きなチャンスだと感じています。お客様が抱えるデータ活用の課題に対して、こうした新しいテクノロジーを理解し、分かりやすく伝え、導入を支援することで、お客様のビジネス成長に貢献できる可能性が広がります。
今回のGoogle Cloudの発表は、データとAIがもっと身近になり、誰もがその恩恵を受けられる時代の到来を強く予感させるものでした。データ素人の私ですが、この変化の波に乗り遅れないよう、これからも情報をキャッチアップし、お客様に価値を提供できるよう努めていきたいと、改めて決意を固めることができました。今後のGoogle Cloudの動向から、ますます目が離せません。
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