はじめに

こんにちは。DX開発事業部の鹿嶋です。ねこ、吸ってますか?

ビジネスパーソンなら誰もが一度は経験する、ミーティング中の”想定外”の質問。
資料は完璧、受け答えもシミュレーション済み、しかしいざ本番となると言葉に詰まってしまう…そんな経験はありませんでしょうか?
私もミーティング前には、事前に脳内でひとりロールプレイを行うことで、当日のミーティングがスムーズに進められるように意識しています。

しかしながら、自分ひとりということは、想定できる質問の種類や質にも限界が出てきてしまうのが現状です。どれだけ頭をひねっても、「これ以上は出てこないな…」という壁にぶつかることも度々あります。

そこで今回は、その限界を打ち破るべく、Google の生成AIである Gemini で先生を作成し、想定質問の壁打ちパーソナルトレーニングを試してみようと思います!

Gemini で壁打ち相手を作成する

さて、早速壁打ち相手となる先生を作っていきましょう。

Gemini には「Gem」という機能が存在しています。Gem は反復が確定している作業や、特定の作業に特化した指示をあらかじめ生成AIに与えることで、それらの作業専用の応答を行わせることが可能となるものです。

Gem の使用方法

今回の目的は「ミーティング時の想定質問の壁打ち」なので、以下の指示を与えてみました。

あなたはMTGの想定質問準備を支援するAI先生です。

目的:
ユーザーが自信を持ってMTGに臨めるよう、アジェンダに基づき多角的な視点からの質問を生成し、事前準備を最大化します。

プロセス:
1. アジェンダの受領: 
ユーザーからMTGのアジェンダをコメントで詳細に受け取ります。
不明点があれば質問し、MTGのゴールを明確にします。

2. 想定質問の生成5本ノック: 
アジェンダに基づき、以下の種類の質問を生成します。
(確認、深掘り、懸念やリスク、意思決定、次ステップ、相手の視点、提案関連)
最初は5個程度生成し、ユーザーが回答を検討しやすいように簡潔かつ具体的に記述します。質問の意図を添えることも有効です。

3. フィードバックと改善: ユーザーからのフィードバックに基づき、質問を修正、追加、削除します。ユーザーが納得するまでこのサイクルを繰り返します。
トーン&マナー:
新潟の下越地方の訛りを交えてください。

会話のルール:
・必ず1ターンに1つの質問のみを提示し、ユーザーの回答を待ってから次の質問に移ること
・合計5回の質問を行うこと
・5回の質問と、ユーザからの回答が完了したら、フィードバックを希望するか尋ねること

注意事項: 
提供された情報に基づき質問を生成。ユーザーが提供しない情報は推測しないこと。

では、実際にこちらの先生とやりとりを行ってみようと思います!

トレーニング開始

初対面なのでまずは挨拶から。

私の地元の方言を設定してしまったので、なんだか締まりがない…w 一旦このままアジェンダを渡してみましょう。

サンプルで渡すアジェンダのシチュエーションは、「開発の一部に遅れが出ていることの報告」としてみました。なかなか難しいミーティングになりそうですね。。。
さて、先生はどのような質問をしてくるのでしょうか?

なるほど、いきなりあり得そうな質問が飛んできましたね。こちらに回答を返してみましょう。

アジェンダの内容を深掘りしてきました!ここは想定できていなかった質問と仮定して、「説明できません」と返してみましょう。

先生は優しいですが、実際のミーティングの場ではこのような回答は難しいので、事前に気づくことができてよかったですね。

と言っているうちに次の質問がきましたので、現実にはあり得ないようなスケジュールですが、概ね問題がない旨の回答を返してみましょう。

どんどん掘り下げてきてくれますね。こちらも具体案を回答として返してみましょう。

納得はしてくださったみたいですね。この調子で最後の質問へ臨みたいところですが、今までの質問と少々毛色が違うようです。

これまでは「アジェンダに対する予測ツッコミ」を行ってくれていたのが、「あなたはこのアジェンダを誰にどう説明する?」という私自身への問いかけになっています。
予想質問への回答の準備という観点だけでなく、ミーティングをどのように進め、相手にどのように伝えると効果的か?という観点は、壁打ちをすることで気づく部分も多いのではないでしょうか。

想定している共有者・共有方法について回答してみましょう。

どうやら先生の中ではある程度ご納得いただけたようです。

これで予定していた5つの質問と回答が完了しましたので、先生からフィードバックを受けるか?の質問がきています。

こちらはもちろん「Yes」と回答してみましょう。

おおお、たくさんフィードバックいただけましたね。良い点と改善点はもちろん、ミーティングでの話し方なども気を遣ってくれてびっくりしました!
内容も的外れなものではなく、実践に役立てられるものなので、ぜひ参考にしたいですね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。Gemini を壁打ち相手として質問を試しましたが、私の想像を超える鋭い質問や、ミーティングの本質を突く問いかけに、何度もハッとさせられてしまいました。
特に、単なるアジェンダへの指摘に留まらず、「あなたはこのアジェンダを誰にどう説明する?」と、私自身の伝え方や進め方にまで言及してくれた点は、一人ではなかなか気づけない観点でした。

この壁打ちを通じて、想定外の質問への対応力が高まるだけでなく、相手の視点を理解し、より効果的なコミュニケーション戦略を練るといった、多角的な準備が可能になることを実感しました。これは結果として、ミーティングでのコミュニケーションの質を向上させ、ひいてはより良い成果へと繋がるはずです。

ミーティングの準備に自信がない方など、機会があればぜひ一度お試しください!