新卒の成長を力強く後押しする充実した研修制度。それがアイレットのカルチャーです。

その象徴ともいえるのが、2019年から続く「新卒が新卒に教える」社内AWS研修

そして2025年、私たちは新たな挑戦の扉を開きました。「社内Google Cloud研修」のスタートです。

本研修は「配属後、エンジニア・非エンジニア関わらずスムーズに業務を行うために、基本的な Google Cloud のサービス知識やハンズオン経験を身につける。」を目的に企画・準備しました。

この前例のない研修の準備〜講師という大役を担ったのは、19卒から24卒までの歴代の新卒社員4名!

どのようにして研修をゼロから創り上げたのか?

今回は、初代講師として後輩たちの成長を支えた 4名の講師にインタビュー。プロジェクト立ち上げの裏側と、この大きな挑戦を通じて得られた学びについて、余すところなく語ってもらいました。

講師プロフィール


亀田 楓太(かめだ ふうた)
クラウドインテグレーション事業部 AIインフラグループ所属。2019年新卒入社。
主な業務:Google Cloud を用いたインフラ設計構築、運用監視
Google Cloud Partner Top Engineer 2024/2025 受賞。
▶本研修プロジェクトのリーダー

 


森 柾也(もり まさや)
クラウドインテグレーション事業部 クラウドコンサルティンググループ所属。2021年新卒入社。
主な業務:Google Cloud を利用されるお客様の運用・内製化支援を担当
Google Cloud Partner Top Engineer 2025受賞。

 


山中 輝修(やまなか あきのり)
DX開発事業部 フルスタックグループリーダー。2022年新卒入社。
主な業務:エンジニア・プリセールス・PjMとして、様々な生成 AI プロジェクトに従事。


開江 太一(ひらくえ たいち)
DX開発事業部 フルスタックグループ所属。2024年新卒入社。 
主な業務:Google Cloud の生成 AI サービスを使った開発。 

期待、不安、そして使命感。初代講師たちが語る「選ばれた日」

まずは講師に任命された時の気持ちを教えてください。
新卒育成G
新卒育成G

亀田 楓太
亀田 楓太
以前からPTE*として「社内のGoogle Cloudを盛り上げたい、その推進に貢献したい」という想いはあったものの、なかなか具体的な行動に移せていませんでした。
なので、今回のお話をいただいた時は、絶好の機会だと感じ、純粋に嬉しかったです。
この研修をきっかけに、社内でGoogle Cloudに興味を持つ人がさらに増え、全体の盛り上がりに繋がればと期待していました。
森 柾也
森 柾也
私も同じく、PTE*として、社内に良い影響を与えられる活動をしたいと常々考えていました。
今年で入社5年目になり、新卒社員と直接関わる機会も減っていたので、講師という立場で次の時代を担う後輩たちに貢献できることに、大きなやりがいを感じました。
毎年優秀な新卒が入社してくる中で、その成長を手助けできることに期待が膨らみました。
*PTE:Google Cloud Partner Top Engineer の略称。
Google Cloud のパートナー企業所属のエンジニアの中で、高い技術力を持ち、Google Cloud ビジネス拡大のための普及に向けた登壇や案件対応・ソリューション開発、Google Cloud ビジネスとファン拡大のための情熱を評価されたエンジニアに贈られる称号のことで、2025年度、アイレットからは亀田・森含め15名が受賞しています。詳しくはこちら
山中 輝修
山中 輝修
私は前年のPTE選考に落ちてしまい、「今年こそは活動でリベンジしたい!」と考えていたので、自身の活動評価にも繋がるこのお話は、素直に嬉しかったです。
ちょうど事業部としてもGoogle Cloudに力を入れ始めたタイミングで、社内の勢いも感じていたので、とても前向きな気持ちで引き受けました。
開江 太一
開江 太一
率直に「自分が?」と驚きました!PTEの皆さんと一緒に講師として教える立場になることに、「新卒1年目(PJ始動当時)の自分に務まるだろうか」という不安が大きかったです。

ですが同時に、これは自分自身が成長するために勉強する絶好の機会だとも感じました。任されたからには、全力で取り組もうと決意しました。

「知識」より「体験」を。
前例なし・PL経験なしから始まった研修設計。

ゼロからの研修開発、何から着手したのでしょうか?
新卒育成G
新卒育成G

亀田 楓太
亀田 楓太
まず「この研修で何を目指すか」というゴール設定から始めました。
2日間という限られた時間の中で、いきなり高度で実践的な内容を詰め込んでも、25新卒のためにはなりません。そのため、知識を詰め込むことよりも、まずはGoogle Cloudに触れてもらう「体験」を重視し、それが実践的な理解に繋がるようなコンテンツ作りを設計し始めました。
森 柾也
森 柾也
リーダーの亀田さんが主体となって、担当者振り分け、プロジェクト推進のための枠組み(使用ツール、進め方etc.)も進めていきましたね。

亀田さんはこれまでにPL(プロジェクトリーダー)の経験はありましたか?
新卒育成G
新卒育成G

亀田 楓太
亀田 楓太
マネジメントの経験は全く無く、これまでは案件対応に集中する日々でした。
今回は、過去に上司がプロジェクトを進めていたやり方を参考に、試行錯誤しながら進めました。自己採点するなら60〜70点くらいでしょうか。工数管理など、目に見えない部分の難しさを痛感しました。
もう少し目標設定やスケジュール管理を上手く進められたら良かったかなと思っています。
山中 輝修
山中 輝修
亀田さんは会議の中で出た解像度の低い、曖昧な論点をそのままにせず、全員の認識が揃うまですり合わせすることを徹底されていた印象です。
例えば「ハンズオンをどう進めるか」一つとっても、当初は全員の認識が異なっていたのですが、そこをまず最初にクリアにできるように進めてくださっていたので、各自が迷いなく、「あとは準備を進めるだけ」という状態を作れたと思います。
開江 太一
開江 太一
私も「自分が何をすべきか」が分かりやすく、進めやすかったと感じています。私もまだマネジメント経験はないので、亀田さんの進め方は非常に勉強になりました。
森 柾也
森 柾也
亀田さんのマネジメントは完璧だったと思います。スケジュールの遅延もなく、プロジェクトの目標はしっかり達成できました。
和気あいあいとした雰囲気で研修を振り返る

 

―かつて自分たちも新卒1年目だった―
“新卒講師ならでは”の目線を大事に。研修コンテンツ制作の裏側

研修設計・準備にあたって、特に意識された点やこだわりはありましたか?
新卒育成G
新卒育成G

森 柾也
森 柾也
私はGoogle Cloudならではの特徴を伝えることを意識しました。
担当した VPC のセッションでは、リージョン数の多さや海底ケーブルで世界中に繋がっている話などを交えながら、
Google Cloud ならではの「グローバルな思想」を伝えたつもりです。
バックアップ一つとってもマルチリージョンで保存できるなど、複数のリージョンをまたいで利用できるのがGoogle Cloudの大きな魅力なので、その設計思想を一番に伝えたいと思っていました。
開江 太一
開江 太一
講義資料を作成する上で、「新卒社員にとっての分かりやすさ」をとことん追求しました。
自分自身が1年前まで新卒だったので、彼らがどこでつまずくかを最もリアルに想像できたと思います。
担当したCloud SQLの認証周りは特に分かりづらいと感じる部分なので、時間をかけて表現を噛み砕きました。
「もし同期がこの説明を聞いたら、理解できるだろうか?」と、一番想像のしやすい同期をペルソナにおいて、自問自答しながら資料を作成していましたね。
山中 輝修
山中 輝修
私は2点意識しました。
1つ目は、私自身が4年目になり、新卒がどこでつまずくかの解像度が低くなっていることを自覚し、説明の前提知識を見直したことです。講義中に「コンテナって分かる?」と問いかけたり、生成AIの章では「入門編」を設けたりと、丁寧にステップを踏むことを心がけました。
2つ目は、「なんとなく分かった」という成功体験を積んでもらうこと。そのために、ハンズオンで使うSkills Boostのラボは、あえて簡単なものを選定するようにしました。
亀田 楓太
亀田 楓太
私も、講師と受講者が同じ「新卒出身」という強みを活かし、同じ目線で考えることを大切にしました。
専門用語を多用せず、とにかくサービスに「触る」体験を重視して、ハンズオンの時間を非常に多く確保したのがこだわりです。
また、この研修が成功すれば来年以降も続いていくものになると思うので、後続の担当者が参考にしやすいよう、プロジェクトの議事録や情報を整理・集約することも設計・準備と並行して意識していました。

内製ならではの強みやメリットはありますか?
新卒育成G
新卒育成G

山中 輝修
山中 輝修
Google Cloudのパートナー企業だからこそ、Google Cloud Skills Boost for Partner*を研修に活用できたり、Google Cloud のYusukeさんに協力いただけたことのは大きな強みだと感じます。
Yusukeさんのようなプロフェッショナルに関わっていただくことで、研修の価値や信頼性が格段に高まりました。
*Google Cloud Skills Boost for Partner:
Google Cloud が直接提供するオンライン学習プラットフォーム”Google Cloud Skills Boost”のパートナー企業専用版。通常のSkills Boost とは異なり、パートナー専用のトレーニングや有益な情報を得ることができる。
森 柾也
森 柾也
研修の冒頭で、Yusukeさんから25卒に対してPTE制度とはなにか?をお話しいただきました。
それによって25卒は「この研修の先に、PTEという目指すべき姿がある」というキャリアパスを具体的にイメージでき、学習意欲が大きく変わったのではないかと感じます。
2日間の社内Google Cloud研修冒頭にGoogle Cloud の中谷 祐輔様に登壇いただき、
PTE制度の説明をしていただきました!
亀田 楓太
亀田 楓太
アイレット社内の事例を研修に盛り込めるので、受講生が配属後の業務を想像しながら学べるのは、内製ならではの強みですね。
また、アイレットの文化や「暗黙知」も共有できたことも良かったと思います。
例えば、エラー解決に詰まった受講生がクローズドな場で質問しようとした際に、「アイレットでは、ナレッジを全員の知見にするために、あえてオープンな場で質問する文化があるよ」と教える場面がありました。彼らが配属後に感じるであろうギャップを未然に防ぐことができた点も、現役のアイレットのエンジニアが講師を務める内製研修ならではの成果だと考えます。

講師として登壇するにあたって、不安はありましたか?
新卒育成G
新卒育成G

開江 太一
開江 太一
やはり「中途半端な説明はできない」というプレッシャーはありました。なので、資料に書かれていることでも、本当に今もその通りなのか、仕様が古くなっていないかを、全て実際に動かして一つひとつ確認し、自信をつけて当日に臨みました。

そして迎えた研修当日。後輩たちのリアルな反応は?

受講者の反応はどのように感じましたか?
新卒育成G
新卒育成G

森 柾也
森 柾也
グループメンバー同士でも相談しながら、皆とても前のめりに取り組んでくれていました。
亀田 楓太
亀田 楓太
メリハリつけて、真剣に取り組んでくれていましたよね。「Google Cloudに興味を持ってほしい」という私たちの想いが伝わっていると感じて良かったなと思いました。
受講生からのアンケートや感想で、印象に残っているものはありますか?
新卒育成G
新卒育成G
山中 輝修
山中 輝修
なんと言っても、25卒の半数以上の方が今後Google Cloud資格を全冠したいと回答してくれていて、将来的にPTEを目指したいという人もとても多かったことですね。
実際、私の事業部に配属された25新卒は「私も参加したいです!」と主体的にPTEを目指す勉強会に参加してくれていますよ。本当に嬉しい成果です。

講師を経験して見えた、新たな景色

今回の経験を通じて、講師の皆さんにどのような変化がありましたか?
また、今回の経験をどう活かしていきたいですか?
新卒育成G
新卒育成G
開江 太一
開江 太一
研修講師として長尺の登壇経験を積めたことは自信に繋がりました。
また、この研修で25新卒社員に顔と名前を覚えてもらえているのは良かったなと思います。すでに自己紹介が済んでいる状態になっているので、打ち解けるのが早かったと感じます。
今回の経験で得た、分かりやすい話し方やコミュニケーションの取り方、改めて学び直したGoogle Cloudの知識などは今、事業部内研修担当の業務に早速活かせています。
亀田 楓太
亀田 楓太
未経験者向けの説明に努力したつもりでしたが、それでも意図がうまく伝わらない、あるいは伝わりにくい場面があっただろうな、と振り返っています。
最初に受講者のスキルレベルや前提知識を分析し、それに合わせたゴール設定をすることや、物事を俯瞰に見る視点の重要性を痛感しました。今回PL(プロジェクトリーダー)を経験できたことで、間違いなく自分の道が広がったと感じています。
山中 輝修
山中 輝修
ハード面でいえば、受講者からも「わかりやすい」と評判だった研修資料は「資産」として今後のナレッジとして活用できると思います。
ソフト面では、相手の立場を考える「想像力」が養われたと思います。普段業務で当たり前にできている作業でも、新入社員はつまずく可能性があるのだと再認識できました。
私はグループリーダーという立場なので、入ってきた新卒社員と接するにあたり、「こういうことでつまずくかもしれない」という具体的な予測ができるようになったのは、大きな学びです。
また、亀田さんのプロジェクトマネジメントからは多くのことを学びました。私も、より広い視野で案件に向き合っていきたいです。
森 柾也
森 柾也
「どうしたら25新卒がこの研修を受けて、配属後にスムーズに業務ができるだろう?」と常に考えながら研修を企画していました。
次々とアイデアが湧いていて、自分の中に「後輩の成長を心から願う気持ち」がこれほど強くあるのかと、驚きました。
同時に、自分も新卒の時期にこうやって育ててもらっていたんだな、と改めて感じましたね。
同じ想いを持つメンバーが事業部を横断して集まり、一つの研修を創り上げたことは、今後も会社全体でGoogle Cloudを盛り上げていくための第一歩ですし、アイレットの先輩が後輩に対して内製化の研修でバトンを渡していく文化は大事にしていきたいです。

未来の仲間へ。知識の先にある「リアルな体験」を、その手で。

これからGoogle Cloudを学ぼうとする人に、メッセージをお願いします。
新卒育成G
新卒育成G
開江 太一
開江 太一
ドキュメントを読むだけでなく、ぜひ実際に手を動かしてサービスに触れてみてください。
その方が、より深く、有意義な学びになるはずです。一緒に頑張りましょう!
亀田 楓太
亀田 楓太
お客様に最適解を提案するためにも、ぜひGoogle Cloudにたくさん触れてみてください。
実際に「触る」ことでしか分からない、各サービスの強みを経験することが重要だと考えています!
森 柾也
森 柾也
Google Cloudには、他のクラウドにはない独自の面白さがあります。
ぜひ、Google Cloudならではの思想や特徴を学んで、その面白さを体感してほしいです!
山中 輝修
山中 輝修
私自身、案件に携わったり、イベントを通して、Google Cloudの盛り上がりを肌で感じています。
特にGoogle Cloudは生成AIに代表されるような、未来を感じさせるアップデートが多く、ワクワクできるクラウドベンダーだと思います。ぜひ、楽しんで学んでください!

本プロジェクト アドバイザーより

本プロジェクトでは、講師が作成した研修カリキュラムや技術的な内容について、社内外のプロフェッショナルにアドバイザーとしてご協力いただきました。
専門的な視点から研修内容をブラッシュアップしていただくとともに、新卒にとって学びやすく、Google Cloud の魅力を感じられるような工夫についても多くの示唆をいただきました。

ここでは、ジョインしていただいた3名のアドバイザーからのメッセージをご紹介します。


西田 駿史(にしだ しゅんじ)
DX開発事業部 モダンエンジニアリングセクション セクションリーダー
主な業務:エンジニア・プリセールス・PjMとして、お客様の業務のDX化を推進
Google Cloud Partner Top Engineer 2025 Fellow受賞。

「山中くん、開江くんの二人とも完成度の高い教材を作ってきたのでほとんどレビューの必要はありませんでした!
その中でも、勉強だけではなく新卒向けにGoogle Cloudの面白さや楽しさを伝えれるようフィードバックを送りました。
この研修によって新卒のみなさんがGoogle Cloudに興味を持ち、新たなGoogle Cloud Partner Top Engineerの誕生につながればよいなと思います。お疲れ様でした!」



齋藤 寛隆(さいとう ひろたか)
クラウドインテグレーション事業部 第二グループリーダー 
主な業務:Google Cloud を用いたインフラ設計構築。お客様の技術支援業務。
Google Cloud Partner Top Engineer 2024/2025 受賞。

「森くん、亀田くんに Google Cloud を勧めて、Google Cloud の世界へ引っ張り込んだのが自分だったので、彼ら自身が Top Engineer になっただけでなく、次の育成にも目を向けてくれていて嬉しく思いました。
資料も完成度が高く、それ以降のハンズオンが見据えられており、全体含めて考えられているいい内容でした。受講者である新卒社員が今後 Google Cloud をやりたいと手を挙げてくれるような研修だったんじゃないかと思います。お疲れ様でした!」



中谷 祐輔(なかや ゆうすけ) 様
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 パートナーエンジニア
主な業務:Google Cloud パートナーに対して技術面の支援

「アイレットの新卒育成グループと4人の素晴らしい講師を中心に、初めての Google Cloud 社内研修をたてつけ、完遂していただきました。
皆さん業務が多忙な中、準備は大変だったかと思いますが、素晴らしいデリバリーの中身になったと思います。技術進歩の激しいクラウドなので、その進歩をキャッチしつつ、これから毎年さらに中身をブラッシュアップして行きましょう!」

最後に

今回は、初代Google Cloud研修講師を務めた4名の歴代新卒社員から話を聞くことが出来ました。

PTEとして活躍する7年目の亀田、5年目の森。4年目で事業部のグループリーダーを務める山中と2年目のエースとして活躍を見せる開江──。

事業部も経験も異なる4人ですが、「後輩たちのために」という共通の想いを持って集結し、この前例のないプロジェクトを完遂に導きました。

今回の内製研修は、まさにアイレットのカルチャーを象徴するような取り組みです。「年次に関係なく挑戦の機会が与えられる」風土、「教える側も教わる側も共に成長する」という価値観、そして「先輩から後輩へと、惜しみなくバトンを渡していく」文化。その全てが詰まっていたように感じます。

今後も、次世代のアイレットの中核を担う人財を育成するために、我々人事も挑戦を続けていきたいと思います!

この記事を読んでアイレットに興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページをご覧ください!

新卒採用ページ:https://www.iret.co.jp/newgraduate/

新卒採用についてもっと詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてくださいね!

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!