みなさん、はじめまして。第一開発事業部に所属している江端と申します。私は今年の1月からアイレットの仲間として入社しました。
前職では事業会社にて自社サービスのECサイトを開発・保守するエンジニアとして、部下や協力会社のエンジニアをまとめるプロジェクトリーダーとして勤務していました。
WBSやガントチャートを使ってプロジェクトのスケジュール管理やステークホルダーとの調整等、日々の業務の中で自然と経験していくことで、ある程度のスキルは身についているつもりでしたが、この度、プロジェクトマネジメントについて体系的に学び、実践的な演習を通して自分のスキルを向上させてもらう機会を頂きました。
その研修の内容をアウトプットすることで、さらに自分のものにしたいと思い、記事にさせていただきました。

アイレットでは、社員一人ひとりのスキルアップを会社全体でサポートしています。特にプロジェクトマネジメントは、お客様に最高の価値を提供するために不可欠なスキルです。入社して間もない私に、会社がこのような本格的な研修を受ける機会を与えてくれたことは、アイレットの『人への投資』に対する熱意を強く感じました。

プロジェクトマネジメントの道標

ます、プロジェクトとは独自性(唯一無二である)をもったサービスや製品を、明確な期間の中で生み出し目標を達成することを言います。そのプロジェクトを計画にそって予算の範囲内で進めていくことがマネジメントです。このプロジェクトマネジメントについて5つのプロセスと10の知識エリアというものに分けて、それぞれで必要なスキルや知識を記載したPMBOK(Project Management Body of Knowledge)というガイドブックが世界的に有名です。

5つのプロセス群と知識エリアの対応表

お恥ずかしながら、この研修を受けるまで私はその存在を知りませんでした。現在は2021年8月に発売された英語版の第7版が最新です。このPMBOKはある一人の著者が書いたものではなく、世界中のプロジェクトマネジメントに携わる人たちの経験や意見を元に、このようにすればプロジェクトが成功に近づくというものです。(絶対に成功するというものではありません。)

(出典:PMI日本支部)

プロジェクトの進め方には、立ち上げ→企画→実行と一つのプロセスが終わったら後戻りはしないという前提であるウォーターフォール型と、PDCAを小さく回して進めていくアジャイル型の大きく分けて2種類があります。
実はPMBOKの第7版からは大きくその構成が変わり、アジャイル型での開発手法を含めたものになったそうです。そこで、今回の研修では古くからあるウォーターフォール型のプロジェクトを進めるためのHow ToであるPMBOK第6版にそって、座学形式で講師の説明を聴き、とある会社の複数の支店の営業部を1ヵ所に集約する「引越しプロジェクト」という題材で演習を行う研修に参加してきました。今回は、アイレット社内のCI事業部やアジャイル開発事業部などの部署から選抜された13名が3,4名ずつ、計4チームに分かれて演習を行いました。

研修会場

研修会場は東京多摩市にあり、KDDIラーニング株式会社が運営する宿泊施設も併設されたLINK FOREST で行われました。(写真を撮るのを忘れました💦)かなり大きな施設でアイレットでは研修の際に、度々利用させていただいている施設です。今回は2日間に渡ってみっちりと研修を受けてきたのですが、宿泊する部屋もたまたま空いていたので、利用させてもらいました。シングルルームでしたが、室内は広くてバス・トイレも別で快適に宿泊することができました。


(出典:LINK FOREST)

プロジェクトマネージャーの仕事はプロジェクトの立ち上げ前から始まっている

さて、PMBOKでは立ち上げから始まる5つのプロセスと明記されていますが、プロジェクトは立ち上げ前から始まっています。そう、企画の段階です。プロジェクトには必ず、ゴールや目標、目的がありますが、どのようなプロジェクトなのかを企画する必要があります。ビジネスニーズを捉え、どのようなプロジェクトを実施していくのか、顧客は誰か、このプロジェクトが成功すればどのような価値を与えることができるのかを明文化することで、プロジェクトの質が変わってきます。その際に使うツールがビジネスモデル・キャンバスです。

ビジネスモデル・キャンバス

このビジネスモデル・キャンバスに出てくるキーパートナーや顧客がステークホルダーになり、キーアクティビティがタスクになっていきます。古くからIT開発の現場ではQCD(Quality、Cost、Delivery)がよければプロジェクトの数値目標は達成できており、プロジェクトは成功とされていました。もちろん、今でもQCDは大事ですが、その先にある顧客に価値を与えられなければ本当の意味でのプロジェクトの成功とは言えません。(せっかく作ったシステムやサービスが利用されず、衰退してしまったら何の意味もありません。)

本来、この企画のフェーズはプロジェクトマネージャーの責任範囲ではありませんが、昨今では事業者、発注者とともに考え、伴走していく力がプロジェクトマネージャーには求められます。アイレットでは、お客様のビジネス課題を真に解決するために、企画の段階からお客様と伴走し、潜在的なニーズを引き出すことを重視しています。今回の研修は、まさにそうした当社の姿勢を体現するものでした。

今回の研修で学んだ『QCDの先にある顧客価値』という考え方は、私がアイレットのプロジェクトマネージャーとして働く上で、最も大切にしたい価値観です。次回は、研修で学んだPMBOKの具体的な知識と、演習で体験した『プロジェクトマネジメントのリアル』について、さらに詳しくご紹介します。お楽しみに!

続きはこちら(プロジェクトマネジメント研修で私が学んだ『プロジェクト成功』の道標とは?〜その2〜)