はじめに

エンタープライズ事業部の磯部です。
Oracle AI World 2025に現地参加しています。
今回は、「Oracle Agentic AI: Transforming Work with Automation and Creating New Innovation Opportunities」のセッションに参加しましたので内容を紹介します。

概要

このセッションでは、エンタープライズAI戦略に焦点を当て、Oracleが提供した新たなサービス「Oracle AI Agent Studio」について紹介されていました。

2025年には多くの組織がAIを取り入れ始めましたが、ガバナンスなどの理由でハードルがあり、上手く取り入れることが出来ませんでした。

そのようなお客様の現状を理解し、2026年にはエージェントやワークフローエージェントが多くのプロセス自動化機能を追加し、多額のコストを節約することを目指すため、Oracleが作成したサービスをデモも含めて紹介しています。

エンタープライズAIの柱

エンタープライズAI戦略ということで、柱となるフレームワークについてご紹介します。

  1. コネクテッドシステム(Connected System)・・・AIによる自動化には、企業構造や測定単位を理解した一貫性のある接続されたデータが必要である。
  2. コアインフラストラクチャ(Core Infrastructure)・・・24時間365日稼働、パッチ適用、アップグレード、スケーリング、利用状況の監視、結果の正確性理解が必要である。
  3. 透明性と信頼性(Transparency and Liability)・・・エージェントを観察、測定、評価し、プロンプトを更新する際にも一貫してそれを行う必要がある。
  4. 保護とガバナンス(Protection and Governance)・・・社内監査を通過するために、ガードレールを設け、プロンプトインジェクションやコンテンツのモデレーションに対処し、PII(個人情報)を保護する必要がある。

どのフレームワークも重要で、全て満たされている必要があると思いますが、特に1つのシステムのみではなく接続された一貫性のあるデータが必要であること、個人情報を保護することはエンタープライズAIとして重要な部分だと個人的に感じました。

データが不足していると、その中の情報のみでAIは考えてしまうため、適切な解決方法を導けないこと、個人情報の流出は組織の信用問題に繋がりかねないと思ったからです。

これらのフレームワークを満たすために、Oracleのアーキテクチャの説明がありました。

Fusion Applications+OCIのアーキテクチャ

Oracleが強みとしているアーキテクチャで、Fusion Applications+OCIというものがあるそうです。

Fusion ApplicationsというのはOracleが提供しているアプリケーションのことです。

OCI(Oracleのインフラサービス)と統合することで、先ほどのエンタープライズAIの柱である、すべての操作が接続されたデータソースを通じて利用可能になり、個人情報をOracleから離れないという点でセキュリティ観点にも強みがあります。

今回セッション内で紹介されたサービスは、Fusion Application内で使用するサービスになりますが、アーキテクチャの詳しい内容は割愛させていただきます。

詳しい内容を知りたい方は、下記のリンクからご覧ください。

Oracle Fusion Cloud ApplicationsとOracle Cloud Infrastructureの連携が優れている理由

Oracle Cloud Applications

Oracle AI Agent Studio

ここで、セッションのメインとなるAIサービス「Oracle AI Agent Studio」の説明がありました。

Oracle AI Agent Studioとは、AIエージェント開発プラットフォームです。

Oracle Fusion Cloud ApplicationsにはAIエージェントというものがあり、大規模な言語モデル(LLM)とその他のテクノロジーを組み合わせ、以前は人間にしか実行できなかった複雑なタスクを実行することができます。

このAIエージェントをさらにOracle AI Agent Studioでカスタマイズや新規開発をすることで、より独自のニーズに合ったものを作ることが可能となりました。

Oracle AI Agent Studioは多くのAIエージェントプラットフォームをサポートしています。

デモ

Oracle AI Agent Studioのデモが行われました。

過去に使用したAI Agentの一覧が確認出来たり、ワークフローで人間の承認を必要とするなどのカスタマイズを追加したり、チャット形式の会話をしてワークフローのテストを実行することが出来ます。

ノーコードのため、AIスキルがなくても簡単に使用することが出来ます。

おわりに

以上、「Oracle Agentic AI: Transforming Work with Automation and Creating New Innovation Opportunities」のセッション内容についてご紹介しました。

恥ずかしながら、Oracle Fusion Cloud Applicationsをこのセッションで初めて知ったのですが、アプリケーションとインフラの両方がOracleから提供されていることで、組織がよりAIを安全で簡単に導入もしやすくなるという素晴らしいサービスだと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。