はじめに

こんにちは、DX開発事業部でプロジェクトマネージャーをしている瀬川です。アイレットに入社してから、もうすぐ2ヶ月になります。

前職ではプレイングマネージャとして主にChatGPT(一般的な調査、障害調査、アイデア出し)やGithub Copilot(コーディング支援、テストコード生成、コードレビュー)を活用しており、自分なりにかなり使えていると思っていました。しかし、アイレットに入社し周囲のAIの活用度合いを見ると、自分はまだまだAIを使えているとは言えないと実感しました。

この記事では、私自身がPM業務の効率化と品質向上のために試してみて、時には先輩に教えてもらい、時にはSlackやWikiに流れてくる誰かの取り組みを真似してみるなど試行錯誤した結果、現在実際に使っている生成AIの活用方法を共有したいと思います。
これを読んでくださっている方のお役に立ったらうれしいです。

なにを使うか

現在、全社員が Gemini ProGemini Enterprise を利用可能です。
また、私の所属するDX開発事業部ではGoogle Cloudに力を入れているため、サービスの理解を深め、今後の提案力を強化する目的で、可能な限りGoogleのAIサービスを利用するよう意識しています。

実際のAI活用方法

1. Gemini Pro:調査とアウトプット

主にプロジェクトの初期段階の調査や、技術的なアウトプットの作成に使用しています。

🌐 Deep Research:業界・技術の構造把握

  • 参加するプロジェクトについて、クライアントの業界構造、抱える問題、最近のトレンドなどについての深い調査に使用します。
  • 文章形式のレポートが作成されます。ウェブページ、インフォグラフィックなど多様な形式で出力できるので、時間を取れない際の概要把握にはそれらを使います。
  • 生成されたレポートをGoogleドキュメントに出力し、後述のNotebookLMやGemini Enterpriseで簡単に利用できるようにストックしています。

📝 Canvas:文章作成と学習のアウトプット

  • この記事の執筆にも使っており、文章校正やドラフト作成など、主に文章の作成に使っています。
  • 技術調査や試験勉強では、特定の技術について要点をまとめさせ、それをGoogleスライドとして出力し、見返すための資料として活用しています。

2. NotebookLM:資料読み解きとプロジェクトナレッジ化

複数の資料を関連付けて知識ベースを構築可能で、現在私が最もよく使用しているツールです。

📚 資料の読み解きと顧客理解

  • RFPや要件定義書、設計書など、大量の社内外の資料をアップロードし、それらを横断的に読み解くために利用しています。
  • 受領資料や会議の文字起こしから、顧客の意図や関心事を分析させ、認識の齟齬がないか確認しています。
  • アップロードした資料や情報をもとに、新しい会議資料や要約資料を作成させます。

🗣️ 会議準備と振り返りの効率化

  • 各種ファイルなどでプロジェクトの状況をインプットし、次に議論すべきことを提案させたり、会議のアジェンダ作成を効率化しています。
  • おまけで、Podcastを生成し、ラジオのように流しながら別の作業をしています。Podcastの出来が良くて、聴いていて楽しい。

3. Google Meet:文字起こしと録画

ミーティングでの情報収集と振り返りの質を大幅に向上させました。

  • 文字起こしを有効化しておくと、ミーティング後、議事メモと文字起こしが自動でメール送信されます。 この機能のおかげで個人的に重要なポイント以外はメモを取ることをやめて、ディスカッションそのものへ集中できます。
  • 生成された文字起こしをNotebookLMに追加し、特定の論点に対する顧客の発言を振り返ったり、自身のファシリテーションの改善点についてアドバイスをもらったりしています。

4. Gemini Enterprise:プロジェクト情報の検索

アイレットでは全社員がGemini Enterpriseを利用可能です。私は現状Gemini Proと並行して使用しています。

  • 「XXプロジェクトについて教えて」や「XXプロジェクトの状況は?」といった質問で、Googleドライブの資料を参照しプロジェクト状況のサマリを作成してくれるため、新規に参加するプロジェクトのキャッチアップに役立っています。
  • WBSや議事録を参照し、プロジェクトの進行状況とそこから考えられるリスクを把握することにも使っています。
  • すでに参加済みのプロジェクトの場合、自身が作成したファイルが対象プロジェクトのフォルダ内に存在すると、「あなたはこういう役割で関わっている」ということまで教えてくれるので、今後参加するプロジェクトが増えるほどできることが増えそうだと感じています。

おわりに

入社して2ヶ月弱という短い期間ですが、GoogleのAIツール群は、私のPM業務のあり方を大きく変えました。

AIは、プロジェクト全体をマネジメントする上での情報処理や資料作成の定型作業を強力にサポートしてくれます。AIがこうした作業の土台を固めてくれるおかげで、私は「判断を下す」「関係者と信頼関係を築く」「対話を通じて真のニーズを引き出す」といった、PMにとって重要でAIには代替できない本質的な業務に、より多くの時間を集中できるようになっていると実感しています。