Google Cloud Partner Forum 2025 Osaka 現場を変えるAI人材育成とは
2025年11月、大阪にて開催された「Google Cloud Partner Forum 2025 Osaka」。
本イベントの注目企画である『みんなで選ぶ「10 分間プレゼン」コンテスト』に、アイレット株式会社 DX開発事業部の柴田 真里恵が登壇しました。
各社が独自の取り組みを披露する中、柴田のプレゼンテーションは会場から高い評価を獲得し、見事「3位入賞」を果たしました。
今回は、多くの共感を集めたプレゼン内容「AI Agent Hero Program 〜AI 駆動をリードする人財育成プログラム〜」について、その要点と成果をレポートします。
入社半年の社員が挑んだ、AIによる業務変革
今回登壇した柴田は、2025年5月に入社したばかりのメンバーです 。
入社からわずか半年ながら、人財領域を中心にDX開発事業部の成長をサポートしています。
彼女が語ったのは、多くの企業が直面している「生成AI活用の壁」と、それを乗り越えるためのアイレットの実践的な取り組みについてです。

なぜ、AI活用は進まないのか?
「AIの活用、どれくらい進んでいますか?」
プレゼンは、会場への問いかけから始まりました。
帝国データバンクの2024年の調査によると、生成AIを実際に業務で「活用している」企業はわずか17%にとどまっています 。
活用が進まない主な要因として挙げられたのが、以下の2点です。
- AI運用の人材・ノウハウ不足
- 生成AIを活用すべき業務が不明確
「何に使えばいいか分からない」「作れる人がいない」。この課題に対し、アイレットがGoogle Cloud 様の協力のもと立ち上げたのが、「AI Agent Hero Program」です 。
現場の「リアルな困りごと」を解決する
このプログラムの最大の特徴は、単なる技術習得に留まらない点にあります。
経理や総務、法務といったバックオフィス部門へのヒアリングを行い、現場が抱える「リアルな課題」を解決するAIエージェントをハッカソン形式で開発しました 。
実際にどのような成果が生まれたのか。プレゼンでは、特に効果の高かった「経理部門」の事例が紹介されました。
事例:経理業務を劇的に効率化した「会計エージェント」

経理部門では、請求書や稟議書の「勘定科目」の判断において、担当者の経験則に依存する属人化や、作業工数の多さが課題となっていました 。
そこで開発されたのが、担当者をサポートする「マルチAIエージェント」システムです 。
- Slackで質問: 担当者が請求書などを送る。
- AIが照合: 社内マニュアルや過去のデータと照らし合わせる。
- 提案: AIが判断根拠とともに、最適な勘定科目を提案。
- 登録: 担当者が確認後、freee会計へ下書き登録を自動実行。
業務時間を「5分の1」に短縮
このエージェント導入による効果は明確でした。
- 導入前:3時間45分 / 日
- 導入後:45分 / 日
1日の処理時間が5分の1にまで短縮されたのです。
現場の担当者からは「負担が激減した」「判断ミスがなくなり安心できる」「本来注力すべき業務に集中できる」といった声が寄せられ、確かな業務改善につながりました。
「意識」の変化こそが最大の成果
今回の3位入賞という結果は、開発したシステムの先進性だけでなく、「組織的な活動」が高く評価された結果と言えるでしょう。
当初は「AIで何ができるかイメージが湧かない」と話していた社員たちが、プログラムを通じて「自分たちの業務も改善できるかもしれない」と可能性を感じ、意識を変えていきました。
その結果、総務の「問い合わせ窓口一元化」や、法務の「契約書レビュー」など、部門を超えた多様なエージェントが誕生しています。
アイレットでは現在、Gemini Enterprise の全社導入を決定しており、社員1,335名(2025年4月末時点)全員でこの「AI駆動(AI Driven)」の流れを加速させていく方針です。
現場の課題に真摯に向き合い、技術で解決する。
その姿勢を体現した柴田のプレゼンテーションは、多くの来場者にこれからのDXの在り方を示すものとなりました。
あらためまして、3位入賞おめでとうございます!
ラスベガスも楽しんできてください!

アイレットは生成AIを積極的に開発に取り入れている会社です!
さらに一緒に成長していける仲間を募集しています!
