はじめに
新卒で入社して約7ヶ月でAWS資格を全て取得しました。
この記事では、クラウド未経験から7ヶ月という短期間でどのようにして12個の資格(2025年10月時点)を取得できたのか。私が実際に行った勉強法やスケジュールを紹介します。
AWS認定とは
Amazon Web service(AWS)が提供するクラウドサービスに関する知識やスキルを認定する資格です。いくつかの分野に分かれており、2025年10月時点で全12個あります。
短期間で全冠するために大切なこと
1.申し込むこと
これが一番大切です。申し込んでしまえばあとは受けるしかありません。受験料を払ってしまったし棄権するのも不合格になるのももったいない。勉強しよう!という気持ちになります。AWS試験にはオンライン試験と試験会場での受験の2種類があります。どちらも土日は2週間~1ヶ月前には埋まってしまうので、とにかく申し込みましょう。勉強はそれからです。
2.資格を受ける順番
AWS資格には、アソシエイト、スペシャリティ、プロフェッショナルなどのレベルがあります。出題分野が似ている資格は続けて受けると勉強しやすいです。アソシエイト全て→プロフェッショナル全てよりも、分野別に受けた方が圧倒的に短時間で取得できます。出題範囲が6、7割同じ試験も多いです。
参考:AWS認定
私の考える理想の順番と必要な勉強時間
AWSサービス全般系
1.Certified Cloud Practitioner(CLF) 10 ~ 15時間
AWS クラウドサービスとクラウドコンピューティングの基礎知識について。AWS試験の入門といえばこの資格。AWSのサービス名よりも、クラウドとは何かについて学ぶものです。
2.Solutions Architect – Associate(SAA) 40 ~ 50時間
幅広いAWSサービスに関する知識、コストとパフォーマンスが最適化されたソリューションの設計。ここから急に難しくなりますが、全ての資格の範囲がここから来ているので最初に取ることで後が楽になります。挫けず頑張りましょう。とにかくコスト最適化を問われます。
3.Certified CloudOps Engineer -Associate (SOA)20 ~ 25時間
AWS ワークロードのモニタリングと保守、セキュリティコントロールとネットワーク概念の実装、事業継続手順の実行、およびコストとパフォーマンスの最適化。SAAの範囲から少しネットワークに寄っています。試験範囲は3割くらいSAAと同じです。
4.Certified Solutions Architect – Professional(SAP)20 ~ 25時間
セキュリティ、コスト、パフォーマンスの最適化、および手動プロセスの自動化における高度な知識とスキルについて。SAAの上位資格です。SAAと出題範囲はほとんど同じですが専門用語が増えることと、問題文がとても長くなります。問題文の中から使用するサービスを分けるキーワードを拾うことが重要です。
データ系
5.Certified Data Engineer -Associate(DEA)30 ~ 35時間
データを取り込んで変換、データモデルの設計とデータライフサイクルの管理を実行して、データ品質を確保などデータについて。SAAとは出題範囲が大きく変わるので、多めに勉強時間を確保する必要があります。
6.Certified Developer -Associate(DVA) 15 ~ 20時間
アプリケーションの開発、最適化、パッケージ化、デプロイに加えて、CI/CD ワークフローの使用、およびアプリケーション問題の特定と解決など。DEAと7割ほど同じ内容です。
7.Certified DevOps Engineer -Professional(DOP)20 ~ 25時間
AWS 上の分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用、管理に関する高度な専門知識。DVAとSAAを混ぜたような内容です。専門用語が多く、問題文が長くて大変です。
機械学習系
8.Certified AI Practitioner(AIF)10 ~ 15時間
人工知能 (AI)、機械学習 (ML)、生成 AI の概念とユースケースに関する需要の高い知識。初級資格。人工知能とは何かを問われるもので、AWSのサービス名や用語は少ないです。プロフェッショナル試験と比べると問題文の短さに驚くと思います。
9.Certified Machine Learning Engineer-Associate(MLA)20 ~ 25時間
本番環境に機械学習を実装して運用可能にする技術的能力について。データの形式を変換するときや機密情報を隠すときに使用するサービス名など。偽陽性、偽陰性、みたいな紛らわしい単語が多く最初は難しいのですが、言葉の意味よりも試験での使い分けを覚えることをおすすめします。
10.AWS Certified Machine Learning -Specialty(MLS)15 ~ 20時間
AWS クラウドでの機械学習ソリューションの構築とデプロイに関する専門知識。MLSと8割ほど同じ内容で、少し複雑になったかな?という程度です。同じ問題集が使いまわせるほどなので、MLAの学習がしっかりできていれば難しくありません。
その他 セキュリティ、ネットワーク系
11.Certified Security – Specialty(SCS)30 ~ 35時間
データ保護、暗号化、安全なインターネットプロトコルとそれらを実装するためのメカニズムについて。今までの試験とは分野が大きく変わり、知らない単語も出てきます。時間をかけて学ぶしかありません。
12.Certified Advanced Networking -Specialty 30 ~ 35時間
セキュリティ、ストレージ、ネットワーキングサービスおよび AWS WAF、IDS/IPS、DDoS 保護などのネットワークセキュリティ機能について。少しだけSCSと重なりますが、基本的には過去の資格と違う分野です。専門用語が多く難しいですが、時間をかけて学ぶしかありません。
合計230 ~ 300時間ほどかかる計算です。取得したい期限を決めて、月で割って勉強スケジュールを立ててみてください。
3.勉強方法
短期間で取得するためには、とにかく問題をたくさん解いて試験の傾向を掴み、AWSサービスの使い分けを理解する必要があります。実際に触って動かしてみることも技術の習得にはとても重要ですが、今回は資格を取得することに重点を置くこととします。
ただし、Certified Cloud Practitioner(CLF)など一番最初に取る資格に関しては参考書をじっくり読んだ方が良いです。初めに体系的な知識を取得してしまえば、それ以降は資格ごとに少しずつ使うサービスが増えていくだけなので参考書は不要だと思います。
おすすめの手順
1.WEB問題集を1つ買う。100~300問くらいが理想です。
2.持っている知識だけで20問解いてみる。ちなみにほとんど何もわからず不正解になります。
3.解説をよく読んで解き方を理解する。答えを覚えてしまって大丈夫です。
4.わからない単語や疑問点をAIに聞いて解消する。AIに質問するコツは、「AWS ×××の試験対策をしています。×××と△△△を使い分けるキーワードを教えて」など試験にフォーカスすることです。提供する知識の範囲を絞ってくれます。
5.同じ20問をもう一度やる。
1〜5のセットが完了したら次の20問へと進みます。20問ずつ進める理由は、100問進めてから2周目を行っても最初の方にやった問題はあまり覚えていないからです。反復学習は有効だと研究でも証明されています。
問題集を全て完了したら、AWSの提供しているサンプル問題に取り組んで試験のイメージをつけましょう。「AWS 試験名 サンプル問題」で検索すると出てきます。
4.問題集の選び方
WEB問題集とは言っても山ほどあります。良い問題集とはなんでしょうか。
目的は資格の取得ですから「本番の試験と出題パターンが同じ問題集」が良い問題集と言えます。試験の出題内容にはパターンがあります。
例えば、S3(AWSで提供されるストレージサービス)を使っているけどコストが高い。取り出し頻度は年に数回。S3のどの種類のストレージクラスを使用するべきか?
という問題が問題集にあるとします。試験本番では、「年に数回」の部分が「毎日」になるかもしれませんが、この出題パターンは同じですから解きやすいはずです。
続いて、「本番の試験と出題パターンが同じ問題集」を見つける方法を3つ挙げます。
- 「AWS ××× 問題集 おすすめ」などと検索し、誰かの合格体験記を読む。
- 社内のチャットツール、ブログツールで「AWS ××× 」などと検索し、問題集をおすすめしている人がいないか探す。合格した人に使用した問題集を聞いてみる。
- オンライン学習プラットフォームで1つずつ口コミをみて決める。
良い問題集を選ぶことが合格への近道です。そこそこ高いので躊躇する気持ちもあると思いますが妥協してはいけません。短期間で取ってしまうのであれば、1つずつ購入するタイプよりも月学課金タイプの方安く済む気がします。慎重に選びましょう。
まとめ
クラウドに全く触れたことがなくても短期間で資格の全冠は可能です。悩んでいる方もぜひ挑戦してみてください。とにかく一番大切なのは申し込むことです。申し込まなければ何も始まりません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。この記事が参考になりましたら幸いです。