はじめに
皆さんはアプリ開発をするときどんな AI ツールを使っていますか?
私はインフラエンジニアということもあり、これまで生成 AI を使ったバイブコーディングをやったことはありませんでした。
今回、社内のイベントで活用する機会があり、Kiro を初めて使ってみたので、その便利さについてご紹介したいと思います。
iret Dojo mini について
今回、Kiro を使用するきっかけとなったのは、社内イベントの「iret Dojo mini」への参加です。
このイベントは、若手エンジニアの育成や AI 駆動開発の体感、部署を横断した交流を目的としたアプリ開発選手権です。運営によって割り振られた全 6 チームが、どのような課題を解決するアプリを作るかを自分たちで決めて開発します。
開発における最大の特徴は、「原則として手動でのコーディングは禁止」というルールです。すべてのコードを AI で生成しなければならず、参加者は自由に AI ツールを組み合わせて開発を行います。
開発したアプリ「社MAP(シャマップ)」
私たちのチーム「AI 駆動開発・仮免ライダー」が開発したのは、オフィスの交流を促進する地図アプリ「社MAP」です。
このアプリは登山アプリ「YAMAP」から着想を得ており、オフィスのフロアマップ上に情報をプロットして共有できます。
※YAMAPとは、株式会社ヤマップが提供する、登山者が山中で現在地を確認したり、ルート上の危険箇所や絶景ポイントをリアルタイムに共有したりできるアプリです。
主な投稿は、以下の 2 つのカテゴリで管理しています。
- コメント:自販機の情報やおすすめの集中スペースといったオフィス内の Tips。
- 現在地:「今日はこの付近に座っています」といったリアルタイムの居場所情報。
これらの情報を可視化することで、オフィスでの偶然の発見や交流を生み出すのが狙いです。
利用した AI ツール
開発フェーズに合わせて、複数の AI を組み合わせて活用しました。チームメンバーが使ったものも含めると、以下のような構成です。
- Kiro:今回の主役です。AWS が提供する AI エージェントが統合された IDE です。
- Gemini:アイデア出しやプロジェクト進行の相談役として活用しました。
- NotebookLM:MTG の議事メモを読み込ませ、要約や要件定義書などの資料作成を自動化しました。
- Cursor / Figma:※こちらは別メンバーが活用。 Figma (Figma-to-code) や Cursor を駆使して、アプリの土台となるコードや画面イメージを作成しました。
Kiro について
Kiro は、AWS が提供している AI エージェント統合型の IDE(統合開発環境)です。VS Code をベースに構築されているため、使い慣れた操作感で開発を進めることができます。
最大の特徴は、AI が「自律型エージェント」として開発をサポートしてくれる点です。チャットからやりたいことを伝えるだけで、仕様の提案からコードの実装までを AI が進めてくれます。
導入方法や詳細については、こちらの記事も参照してみてください。
AWS発のAI搭載IDE「Kiro」を使って爆速開発してみた
開発の進め方:チームでの連携
今回の開発では、まずチームメンバーが Figma や Claude Code を駆使してアプリの土台をほぼ完成させてくれました。私はそのコードを引き継ぎ、インフラエンジニアの視点を活かして環境へのデプロイや、Kiro を使った機能のブラッシュアップを担当しました。
Kiro の便利だと感じたポイント
1. 効率的なコード開発(投稿のフィルタリング機能)
開発中、マップ上の投稿を整理するために「コメント」と「現在地」を切り替えられるようにしたくなりました。そこで Kiro に「これらをプルダウン形式で選択して表示を切り替えられるようにして(フィルタリング機能の追加)」と依頼しました。
すると、即座に要望に沿ったコードを提案・反映してくれました。UI の修正が言葉一つで完結するスピード感には驚かされました。
以下の画像はフィルタリングに関しての指示を出した際のチャットの一例です。
2. Git 操作の代行
ブランチ作成やコミット、プッシュといった Git 操作は、慣れていないとコマンドを調べるだけでも時間がかかってしまいます。Kiro ならチャットで依頼するだけで、裏側で一連の操作を完遂してくれました。
3. アプリ・インフラ両面のデプロイ
インフラエンジニアの私にとって専門外だった Node.js アプリのデプロイや、AWS SAM の複雑な構成も、Kiro が並走してくれたおかげでスムーズに突破できました。

4. 的確なトラブルシュート
SAM デプロイ時に Error reason: The scope is not valid という曖昧なエラーが発生した際も、Kiro に相談すると「CloudFront 用の WAF リソースはバージニア北部 (us-east-1) 限定である」という仕様を即座に回答してくれました。この的確なデバッグ能力には非常に助けられました。

おわりに
Kiro を使った開発は、非常に利便性が高いものでした。アプリ開発経験が少ない私でも、AI を活用することで短期間に成果を出すことができました。
「AI に仕様を伝え、結果をレビューする」というスタイルが標準になる時代において、自分の力だけに頼っていては限界があると感じました。今後も Kiro をはじめとする最新の AI ツールを積極的に活用し、より効率的な開発ができるエンジニアを目指していきたいです。


