こんにちは!

先日開催された「Google Cloud Next Tokyo 2026」のDAY2に参加してきました!今回は、特に興味深かったセッション「Gemini API コスト攻略ガイド:性能を落とさず費用を最小化するためのテクニック」のレポートをお届けします!

自社アプリやサービスにGeminiをはじめとする生成AI機能を組み込む際、誰もが直面するのが「コスト」の壁です。本セッションでは、Gemini APIのコスト構造の基本から、パフォーマンスを維持しつつコストを最適化する実践的なテクニックまで、幅広く解説されていました。

💡 セッションの主なアジェンダ

  • Gemini APIを利用する際のコストの考え方
  • パフォーマンスを落とさずにコストを最適化するための手法

Gemini API コストの基本構造

まず、基本となるGemini APIのコスト計算式は以下の通りです。

Gemini API 費用 = [入力トークン量 × 単価] + [出力トークン量 × 単価]

つまり、コストを抑えるためには「トークン量をコントロールする」か「単価をコントロールする」の2つのアプローチが重要になります。

ポイント1:入出力のトークン量をコントロールする

トークン量を最適化するためには、入力と出力それぞれの観点で対策が必要です。

Outputのコントロール

  • maxOutputTokensの指定: APIリクエスト時に最大出力トークン数を制限することで、意図しない長文生成によるコスト増を防ぎます。

Inputのコントロール

  • countTokensの活用: APIを呼び出す前にcountTokensを使用して、入力プロンプトのトークン数を事前に確認・把握することが重要です。
  • ガードレールの設定: 入力内容を制限・チェックする仕組み(ガードレール)を設けることで、不要に巨大なデータが送信されるのを防ぎます。
  • TuningによるInput量の削減: プロンプトチューニングを活用し、毎回送信していたFew-shotのサンプル例などをモデル側に学習させることで、リクエストごとの入力トークンを減らすことができます。
  • メディアの解像度指定: 画像などのメディアを入力する場合、解像度を適切に設定(例:MEDIA_RESOLUTION_LOW)することで、トークン数を節約できます。特に高解像度が不要なユースケースでは効果的です。

ポイント2:入出力単価をコントロールする

単価のコントロールは、ユースケースに合わせた適切なモデルと呼び出し方の選択が鍵となります。

正しいモデルを選択する(コストとパフォーマンス)

「とりあえず一番高性能なモデルを使う」のではなく、求めるパフォーマンスとコストのバランスを見極めることが重要です。セッションでは、用途を意識したベンチマーク取得の必要性が強調されていました。

  • 同じシリーズのモデルでも単価にばらつきがあるため注意が必要です。
  • バージョニングの変更によって価格が変動するケースもあります。
  • 思考の深さを調整するパラメータ(Thinking Budget / Thinking Level)を適切に設定することで、コストと品質のバランスをとります。

呼び出し方によるコスト最適化

Google Cloudでは、用途に応じて様々な呼び出し方が提供されています。

呼び出し方式 特徴・ユースケース
Flex PayGo
(Preview)
Standard PayGoよりも安価に利用できる可能性。時間的制約が少なく、即時性が求められないタスク(オフライン分析、データアノテーション、バッチ処理など)に最適。
Batch API 大量のリクエストを一括処理。
Standard PayGo 一般的な従量課金モデル。
Priority PayGo 優先的な処理が必要な場合。
Provisioned Throughput 一定のスループットを確保したい場合。

コンテキストキャッシュ保存の活用

システムプロンプトや長大なドキュメントなど、頻繁に再利用されるコンテキストはキャッシュ機能を活用することでコストを劇的に削減できます。

  • 暗黙的なキャッシュ保存 (Implicit Caching): システム側で自動的に行われるキャッシュ。
  • 明示的なキャッシュ保存 (Explicit Caching): APIを通じて明示的にキャッシュを作成・管理。大容量のデータを何度も参照する場合に非常に有効です。

ポイント3:コスト要素を可視化する

最後に、コストを継続的に最適化していくためには、可視化とモニタリングが不可欠です。

  • 従来からのコスト管理: Google Cloudの課金レポート(Billingレポート)を活用し、定期的にコスト推移を確認します。
  • Agent Observability: AIエージェントに特化した監視機能を活用し、どのプロンプトやフローでコストがかかっているのか、詳細な分析を行います。

まとめ

本セッションでは、Gemini APIのコスト最適化について、以下の3つの重要な視点が紹介されました。

  1. 入出力トークン量をコントロールするためのテクニックcountTokens、チューニング、メディア解像度指定など)
  2. 単価を意識した選択と、新しい呼び出し方・キャッシュの活用(Flex PayGo、Batch API、コンテキストキャッシュ保存)
  3. コスト状況の継続的なモニタリングと可視化(Billingレポート、Agent Observability)

生成AIの導入が加速する今、こうしたコスト最適化の視点は欠かせません。今回得た知見は、お客様の要件に合わせたお見積もりやランニングコストの試算において非常に役立つと感じました。最適なモデルの選定や、コスト削減のための具体的なアプローチを考える今後の提案活動に活かしていきたいと思いました!