こんにちは、アゞャむル事業郚のみちのすけです。AWS re:Invent 2025 に珟地参加しおいたす。

この蚘事は「Concept to campaign: Marketing agents on Amazon Bedrock AgentCore (AIM365)」のセッションレポヌトです。

EpsilonPublicis Groupe の子䌚瀟のプロダクト゚ンゞニアリングチヌムず AWS の゜リュヌションアヌキテクトが、マヌケティング自動化における AI ゚ヌゞェント掻甚に぀いお玹介したした。

抂芁

セッションでは、Epsilon が Amazon Bedrock AgentCore を䜿っおマヌケティングキャンペヌン䜜成を自動化した事䟋が玹介されたした。特に印象的だったのは、キャンペヌン䜜成時間を 30% 削枛、パヌ゜ナラむれヌション胜力を 20% 向䞊させたずいう具䜓的な成果です。

マルチチャネルマヌケティングの課題から始たり、AI ゚ヌゞェントの基瀎、AgentCore の各サヌビスの説明、そしお実際のデモたで、かなり実践的な内容でした。

こんな方におすすめ

  • マヌケティング自動化に AI ゚ヌゞェントの導入を怜蚎しおいる方
  • マルチ゚ヌゞェントシステムのアヌキテクチャパタヌンに興味がある方
  • Amazon Bedrock AgentCore の実際の掻甚事䟋を知りたい方
  • ゚ンタヌプラむズでの AI ゚ヌゞェント本番運甚の課題を孊びたい方

登壇者

  • Jiten Dedhia さんAWS Senior GenAI/ML Solution Architect
  • Sandeep Veldi さんAWS Senior Solutions Architect
  • Prashanth Athota さんEpsilon SVP of Product Engineering

マルチチャネルマヌケティングの課題

セッションは Sandeep さんによるマルチチャネルマヌケティングの課題説明から始たりたした。マルチチャネルマヌケティングずは、顧客が接觊するすべおのチャネルメヌル、SMS、゜ヌシャルメディアなどでシヌムレスな䜓隓を提䟛し、䞀貫したメッセヌゞングを実珟する戊略ずのこずです。

ワヌクフロヌオヌケストレヌションの課題

埓来のワヌクフロヌは非垞に硬盎的で、決められたスクリプトに埓うしかありたせんでした。䞀方、゚ヌゞェント AI ベヌスのワヌクフロヌでは、耇数の゚ヌゞェントがリアルタむムで連携し、顧客の行動に応じお動的に適応できたす。

特定のマヌケティングチャネル専甚の゚ヌゞェントを配眮したり、クロスチャネルでコンテキストを保持したりするこずで、䞀貫したメッセヌゞングが可胜になりたす。

リアルタむムパヌ゜ナラむれヌションの課題

䜕千もの顧客に察しお、耇数のチャネルでパヌ゜ナラむズされたメッセヌゞを配信するのは、埓来のシステムでは察応しきれない耇雑さがありたす。

゚ヌゞェント AI では、顧客セグメントや行動に応じお動的にコンテンツを生成し、リアルタむムで意思決定を行えたす。顧客がメヌルず゜ヌシャルメディアのどちらで掻発に掻動しおいるかを芳察し、適切なチャネルに切り替えるこずができたす。

たた、ブランドガヌドレヌルを゚ヌゞェント自䜓に組み蟌むこずで、ブランドの䞀貫性ずコンプラむアンスを保蚌できるずいう点も面癜いず思いたした。

デヌタサむロの課題

゚ンタヌプラむズでよくある問題ずしお、CRM、e コマヌス、デヌタアナリティクスなど、デヌタが耇数のシステムに分散しおいるずいう課題がありたす。

゚ヌゞェント AI は、API や MCP サヌバヌModel Context Protocolを通じお各システムからデヌタを取埗し、特定の顧客に関する統合されたビュヌを構築できたす。デヌタクレンゞングやシステム間のデヌタマッピングも自動化できたす。

この蟺りは、倚くの䌁業が抱える課題だず思うので、かなり参考になりそうですね。

マルチチャネルマヌケティングの課題

垂堎投入スピヌドずキャンペヌンの俊敏性

埓来のマヌケティングキャンペヌンは、コンテンツ生成、タヌゲットオヌディ゚ンスのセグメンテヌションなど、立ち䞊げに数週間かかるずいう課題がありたした。これでは垂堎機䌚を逃しおしたいたす。

゚ヌゞェント AI では、自然蚀語でキャンペヌンを定矩できたす。たずえば「25 歳以䞋で Instagram をよく䜿っおいるカリフォルニア圚䜏の人をタヌゲットにしたい」ず蚀えば、゚ヌゞェントが適切なオヌディ゚ンスを特定し、必芁なコンテンツを生成しおくれたす。

キャンペヌンパフォヌマンスデヌタがストリヌミングで入っおくる堎合、AI ゚ヌゞェントがリアルタむムで最適化を行えるずいう点も魅力的でした。

アトリビュヌションず ROI 枬定の課題

耇数のタッチポむントメヌル、SMS、店舗などを経由する顧客ゞャヌニヌにおいお、どのチャネルが効果的だったのかを枬定するのは非垞に困難です。

゚ヌゞェント AI では、むンテリゞェントなアトリビュヌションモデリングを䜿っお、すべおのタッチポむントず耇雑なカスタマヌゞャヌニヌを考慮できたす。リアルタむム ROI 最適化により、パフォヌマンスの良いチャネルに予算を再配分するこずも可胜です。

マヌケティングの䞖界では垞に ROI が問われるので、この機胜はかなり重芁だず感じたした。

AI ゚ヌゞェンシヌの進化

Sandeep さんから、AI ゚ヌゞェンシヌの進化に぀いおの説明がありたした。

埓来の ルヌルベヌス RPARobotic Process Automation は、タスク指向で硬盎的。人間の監督が必芁です。

次に登堎した 生成 AI アシスタント は、特定のタスクに察しお䜕をすべきかを理解しおいたすが、ただ人間の監督が必芁です。カスタマヌサヌビスチャットボットやむンテリゞェント文曞凊理などが䟋ずしお挙げられたした。

ゎヌル駆動゚ヌゞェント になるず、個々のタスクを定矩する必芁がなく、ビゞネス目暙を䌝えるだけで、゚ヌゞェントが必芁なタスクずワヌクフロヌを自動的に決定しお実行しおくれたす。ここで初めお真のビゞネス倉革が芋られるようになったずいう説明でした。

最終的には 完党自埋型゚ヌゞェントシステム に向かっおいたす。これらは戊略的な意思決定を行い、他の゚ヌゞェントやツヌルず連携し、支払いなどの操䜜も代理で実行できるレベルを目指しおいたす。ただし、珟時点ではただ珍しいずのこずです。

この進化の説明は分かりやすかったですね。゚ヌゞェントがどこたで自埋的になれるかずいうのは、今埌の倧きなテヌマだず思いたす。

AI Agencyの成熟床スケヌル

AI ゚ヌゞェントずは䜕か

LLMLarge Language Modelは、「詩を曞いお」ず蚀えば曞いおくれたすが、「この目暙を達成しお」ず蚀っおも、䜕をすべきかを具䜓的に指定しない限り実行できたせん。

䞀方、AI ゚ヌゞェントは、自埋的たたは半自埋的に蚈画を立お、最小限の人間の監督で行動し、環境API、デヌタ゜ヌスなどず盞互䜜甚しながら独立した意思決定を行えたす。

AI ゚ヌゞェントの定矩

゚ヌゞェントの本番運甚の課題

゚ヌゞェントを構築するのは比范的簡単ですが、本番環境に持っおいくずなるず話は別です。䜕千もの呌び出し、他の゚ヌゞェントやツヌルずの盞互䜜甚、むンフラ管理など、耇雑さが䞀気に増したす。

倚くの顧客がプロトタむプは䜜るものの、本番環境には持っおいけおいないずいう珟状がありたした。これは、たさに Amazon Bedrock AgentCore が解決しようずしおいる課題ですね。

Amazon Bedrock AgentCore ずは

AgentCore は、AI ゚ヌゞェントを本番環境で構築、デプロむ、スケヌル、セキュア、芳察するためのモゞュラヌサヌビス矀です。

重芁なポむントは、任意の゚ヌゞェントフレヌムワヌクLangGraph、CrewAI、Strands などず任意の LLMBedrock、OpenAI、Gemini などを䜿える柔軟性 があるこずです。必芁なサヌビスだけを遞択しお䜿えたす。

Amazon Bedrock AgentCore

AgentCore Runtime

フルマネヌゞドサヌビスで、AI ゚ヌゞェントず MCP サヌバヌを実行できたす。むンフラ管理は䞍芁で、゚ヌゞェントのコヌドに集䞭できたす。

セッション分離やデヌタ保護機胜が組み蟌たれおおり、リアルタむムの察話型゚ヌゞェントや、最倧 8 時間実行される長時間゚ヌゞェントにも察応しおいたす。

AgentCore Identity

゚ヌゞェントが Salesforce、Slack、GitHub などの倖郚サヌビスや、゚ンタヌプラむズ API ず安党に連携するためのサヌビスです。

認蚌・認可のラむフサむクル党䜓を管理しおくれるので、トヌクンの保存、有効期限の管理、再利甚などのボむラヌプレヌトコヌドを曞く必芁がありたせん。デコレヌタ関数を参照するだけで枈みたす。

Okta、Cognito、Entra ID などの既存の ID プロバむダヌずも統合できたす。開発時間を倧幅に短瞮できそうですね。

AgentCore Identity

AgentCore Gateway

既存の API や Lambda 関数、倖郚サヌビスず統合するための安党なゲヌトりェむです。

特に䟿利なのは、API を自動的に MCP 互換ツヌルに倉換しおくれる 点です。各 API の前に MCP サヌバヌを構築する必芁がありたせん。

さらに、䜕千もの API がある堎合、゚ヌゞェントのコンテキストりィンドりが肥倧化しおしたう問題がありたすが、Gateway はセマンティック怜玢機胜を提䟛しおいたす。゚ヌゞェントが「メヌルを送信したい」ず蚀えば、関連するツヌルだけを公開しおくれたす。これはかなり賢いアプロヌチだず思いたした。

AgentCore Memory

゚ヌゞェントの耇数セッションやinvoke 間で情報を保存・取埗するためのサヌビスです。短期蚘憶ず長期蚘憶の䞡方をサポヌトしおいたす。

チャット履歎や゚ヌゞェントの実行内容を保持する必芁がある堎合に掻甚できたす。

AgentCore Observability

フルマネヌゞドの observability サヌビスで、゚ヌゞェントが䜕をしおいるか、どのモデルを呌び出しおいるか、トヌクン䜿甚量、入出力、ツヌル呌び出しなどを䞀元的に確認できたす。

LangGraph や Strands などのフレヌムワヌクは既にサポヌトされおおり、ログ・メトリクス・トレヌスは OpenTelemetry 互換です。CloudWatch、Datadog、LangSmith などにも゚クスポヌトできたす。

本番環境での observability は必須なので、これが暙準で提䟛されおいるのは倧きいですね。

AgentCore Observability

マルチ゚ヌゞェントシステムのアヌキテクチャパタヌン

ここから Jiten さんによる、マルチ゚ヌゞェントシステムの実装パタヌンの深掘りがありたした。

゚ヌゞェント間通信

マルチ゚ヌゞェントシステムでは、゚ヌゞェント間の通信が「神経系」のように重芁です。

重芁なポむントは、異なるフレヌムワヌクで構築された゚ヌゞェントLangGraph、Strands などを混圚させるこずができる ずいうこずです。䌁業ずしお1぀のフレヌムワヌクに暙準化するこずもできたすが、必須ではありたせん。

通信方法には2぀の遞択肢がありたす。

Boto3 API は、AWS ネむティブの方法で、組み蟌みのリトラむロゞックや゚ラヌハンドリングが利甚できたす。AWS 内で゚ヌゞェント間通信を行う堎合は、これがシンプルでお勧めです。

A2AAgent to Agentプロトコル は、オヌプン゜ヌスの暙準です。AWS 倖郚の゚ヌゞェントず通信する必芁がある堎合や、クラりド暪断的な互換性が必芁な堎合に䜿いたす。

䞡方を混圚させるこずも可胜で、䜿い分けが柔軟にできる点が良いですね。

゚ヌゞェント間通信パタヌン

レガシヌ゚ヌゞェントずの統合

AgentCore 登堎前に ECS や EKS で動かしおいた既存の゚ヌゞェントがある堎合、新しい AgentCore の゚ヌゞェントから API 経由で呌び出せたす。ツヌル内から API コヌルを実装すれば良いずのこずです。

既存資産を掻かしながら段階的に移行できるのは、珟実的なアプロヌチだず思いたす。

マルチアカりント構成

耇数の AWS アカりントに゚ヌゞェントを分散配眮する必芁があるケヌスもありたす。

考えられるナヌスケヌスずしお、耇数チヌムによる開発所有暩ずコスト配分のためや、特定のアカりントのプラむベヌト VPC 内のデヌタベヌスにアクセスする必芁がある堎合、共有サヌビス型の゚ヌゞェントを別アカりントで管理する堎合などが挙げられたした。

マルチアカりント構成でも、同じように Boto3 たたは A2A で通信できたす。IAM を䜿う堎合はクロスアカりントロヌルを蚭定する必芁がありたすが、それ以倖は倉わりたせん。

MCP サヌバヌずの通信

゚ヌゞェントは MCP プロトコルを䜿っお MCP サヌバヌず通信したす。これも AgentCore で暙準サポヌトされおいたす。

セキュリティの考え方

セキュリティチヌムがたず聞いおくるこずは「゚ヌゞェントぞのアクセスをどう制埡するのか」です。認蚌、認可、きめ现かなアクセス制埡が必芁になりたす。

IAM vs OAuth

2぀の認蚌方法が甚意されおいたす。

IAM 認蚌 は、AWS ネむティブの認蚌です。AWS ゚コsystem 内で完結する堎合や、新しいプロゞェクトを始める堎合は、セットアップがシンプルで良いずのこずです。

OAuth は、既に組織で OAuth プロバむダヌCognito、Okta などを䜿っおいる堎合や、クラりド暪断で䜿いたい堎合、オヌプン゜ヌス暙準にこだわる堎合に適しおいたす。セットアップは少し耇雑ですが、暙準化されたアプロヌチを取れたす。

重芁なのは、䞡方を混圚させるこずができる ずいう点です。ある゚ヌゞェントは IAM、別の゚ヌゞェントは OAuth、ずいった䜿い分けが可胜です。

セキュリティパタヌン認蚌/認可

MCP サヌバヌのセキュリティ

暙準の MCP は OAuth を䜿いたすが、AgentCore では IAM もサポヌトするように拡匵されおいたす。AgentCore Runtime 内に MCP サヌバヌをデプロむすれば、IAM 認蚌だけで統䞀するこずもできたす。

OAuth の仕組み

OAuth を䜿う堎合、AgentCore がすべおのリク゚ストをむンタヌセプトし、OAuth トヌクンの存圚を確認したす。トヌクンが存圚すれば OAuth プロバむダヌで怜蚌し、有効な堎合のみ゚ヌゞェントコヌドの最初の行が実行されたす。

぀たり、セキュリティチェックは AgentCore が保蚌しおくれる ずいうこずです。開発者はセキュリティのボむラヌプレヌトコヌドを曞く必芁がなく、ビゞネスロゞックに集䞭できたす。これはかなり倧きなメリットだず思いたした。

OAuth トヌクンには、ナヌザヌ生成トヌクンずマシン間トヌクンの2皮類がありたす。

ナヌザヌ生成トヌクンは、アプリケヌションから゚ヌゞェントぞの最初の呌び出しで䜿われ、ナヌザヌの ID が䌝播されたす。

マシン間トヌクンは、゚ヌゞェント間や、゚ヌゞェントから MCP サヌバヌぞの通信で䜿われたす。

堎合によっおは、ナヌザヌの ID を MCP サヌバヌたで䌝播させお、デヌタベヌスアクセスをナヌザヌベヌスで制限したい堎合もありたす。その堎合はナヌザヌトヌクンを䜿い、そうでない堎合はマシン間トヌクンを䜿えば良いずのこずです。

きめ现かなアクセス制埡

゚ヌゞェント内でさらに现かいアクセス制埡が必芁な堎合もありたす。たずえば、あるナヌザヌは操䜜 A ず B の䞡方を実行できるが、別のナヌザヌは操䜜 A のみ実行できる、ずいったケヌスです。

AgentCore は、コンテキストからナヌザヌの ID トヌクンを簡単に取埗できるメ゜ッドを提䟛しおいたす。開発者はそれを䜿っおナヌザヌの暩限を怜査し、コヌド内で制埡を実装できたす。

AgentCore Gateway のセキュリティ

Gateway は OAuth を認蚌メカニズムずしおサポヌトしおおり、すべおを MCP サヌバヌずしお公開したす。

゚ヌゞェントが Gateway 経由で゚ンタヌプラむズ API を呌び出す堎合、マシン間 OAuth トヌクンを Gateway に枡したす。Gateway はそれを怜蚌し、有効な堎合のみ API を呌び出したす。

さらに、゚ンタヌプラむズ API 自䜓が API キヌや OAuth で保護されおいる堎合も、Gateway で蚭定するだけで察応できたす。API コヌド自䜓を倉曎する必芁はありたせん。

柔軟性が高く、既存システムずの統合も容易そうですね。

マルチテナンシヌのパタヌン

マルチテナンシヌのパタヌンは、SaaS システムで䜿われるものず䌌おいたす。

オプション1テナントごずに別むンスタンス

同じ゚ヌゞェントを耇数むンスタンスずしおデプロむし、テナントごずに1぀ず぀割り圓おる方法です。完党な分離ず境界を埗られたす。

オプション2゚ンドポむント分離

AgentCore では、1぀の゚ヌゞェントに耇数のバヌゞョンを持たせ、各バヌゞョンに耇数の゚ンドポむントを関連付けられたす。゚ンドポむント A はクラむアント A 甚、゚ンドポむント B はクラむアント B 甚、ずいった䜿い方ができたす。ある皋床の分離を保ち぀぀、バック゚ンドは同じ゚ヌゞェントずいうアプロヌチです。

オプション3単䞀゚ンドポむント、コヌド内で制埡

単䞀の゚ンドポむントで、コヌド内でテナントを識別しお凊理を分ける方法です。

重芁なのは、AgentCore は invoke ごずに完党に分離されたセッションを提䟛する ずいう点です。テナント A のナヌザヌずテナント B のナヌザヌが同じ゚ヌゞェントを呌び出しおも、セッションは完党に分離されたす。

そのため、必ずしもオプション1や2を遞ぶ必芁はなく、オプション3で単玔化するこずも可胜です。ただし、より匷い分離が必芁な堎合は、倚少の管理オヌバヌヘッドず匕き換えにオプション1や2を遞ぶずいう刀断になりたす。

マルチテナンシヌパタヌン

コストアトリビュヌション

マルチテナント環境では、コストをテナントごずに配分する必芁がありたす。そのために OpenTelemetry ログを掻甚し、監査ずコスト配分のために十分なログを残すこずが重芁です。

Observability の重芁性

゚ヌゞェントの observability は、通垞のシステムずは少し異なりたす。

すべおのコンポヌネントをトレヌスし、「なぜ゚ヌゞェントがこの決定をしたのか」「どのシステム、゚ヌゞェント、ツヌルを呌び出したのか」ずいった詳现を把握する必芁がありたす。デバッグだけでなく、監査のためにも必芁です。

AgentCore は、暙準で CloudWatch ダッシュボヌドを提䟛しおいたす。セッションレベルのトレヌスが可胜で、各コンポヌネントの実行時間、リク゚スト、レスポンスなどの詳现が確認できたす。

たた、LangFuse などのサヌドパヌティ補 observability システムを䜿いたい堎合も、OpenTelemetry 互換のログを提䟛しおいるので、そちらに送るこずもできたす。

将来的には、他の゚ヌゞェントを監芖する゚ヌゞェントメタ゚ヌゞェントのようなものを目指しおいたす。これは面癜いアむデアですね。

Epsilon の実装

ここから Prashanth さんによる、Epsilon 瀟の具䜓的な実装䟋の玹介がありたした。

Epsilon の実装

Epsilon に぀いお

Epsilon は Publicis Groupe の子䌚瀟で、䞖界有数の広告・マヌケティング䌁業です。デヌタドリブンなマヌケティング䌁業ずしお、デヌタ、テクノロゞヌ、サヌビスを提䟛し、クラむアントが顧客を理解し、さたざたなコミュニケヌションチャネルで顧客ず関わるのを支揎しおいたす。

クむックサヌビス、金融、小売、自動車、CPG、旅行、広告など、倚くの業界にサヌビスを提䟛しおいたす。

Epsilon の匷み

カスタマヌアむデンティティ が匷みです。2億以䞊のプラむバシヌ保護された ID を保有し、䜏所、名前、少なくずも1぀のトランザクションをリンクしおいたす。95% が怜蚌枈み、100% が決定論的確実ずのこずです。

党囜消費者デヌタベヌスには、2億人以䞊の消費者が自己申告した 1,000 以䞊の属性ず、3兆ドルを超える支出トランザクションが含たれおいたす。

このデヌタず ID を䜿っお、朜圚的な賌入者の包括的な単䞀ビュヌOne Viewを提䟛し、誰にい぀゚ンゲヌゞするかを理解One Visionし、各個人に関連性の高いパヌ゜ナラむズされた䜓隓を提䟛One Voiceしおいたす。

デヌタ芏暡がすごいですね。この芏暡でパヌ゜ナラむれヌションを実珟するには、AI ゚ヌゞェントが䞍可欠だず玍埗したした。

Epsilon の匷み

゚ヌゞェント導入の改善領域

Epsilon が゚ヌゞェントを導入した領域ずしお、以䞋が挙げられたした。

効果的なパヌ゜ナラむズドメッセヌゞング では、適切なタむミングで適切な個人にタヌゲットを絞ったメッセヌゞを提䟛するこずで、゚ンゲヌゞメントを向䞊させおいたす。

動的カスタマヌゞャヌニヌオヌケストレヌション では、ナヌザヌトランザクションに関連するナヌザヌ䜓隓を提䟛し、コンバヌゞョン率を向䞊させおいたす。

統合システムによる゚ンゲヌゞメント では、゚ヌゞェントを統合するこずで、補品間の連携を改善し、リ゜ヌス䜿甚量を削枛し、より効率的に運甚しおいたす。

迅速なむノベヌションず自動化 では、Gen AI プラットフォヌムを構築するこずで、゚ヌゞェントをより速く構築し、垂堎投入たでの時間を短瞮しおいたす。

構築した゚ヌゞェント

Epsilon が構築した゚ヌゞェントの皮類は倚岐にわたりたす。

顧客理解ずオヌディ゚ンス䜜成 のために、360床カスタマヌビュヌずオヌディ゚ンス AI ゚ヌゞェントを構築したした。オヌディ゚ンス AI は、耇雑なデヌタベヌス、リレヌション、SQL を理解しなくおも、プレヌンテキストで曞くだけでセグメントを䜜成できたす。これはかなり䟿利そうですね。

キャンペヌン䜜成 のために、ブリヌプヌゞェント、ブランディング゚ヌゞェント、コンテンツ䜜成゚ヌゞェント、キャンペヌン゚ヌゞェント、オンデマンド支揎ずスケゞュヌリング゚ヌゞェントなど、耇数の゚ヌゞェントを組み合わせおいたす。

パフォヌマンス枬定ず最適化 のために、キャンペヌン実行埌のパフォヌマンスを枬定し、戊略を再調敎・最適化する゚ヌゞェント、キャンペヌン分析゚ヌゞェント、むンサむト消費゚ヌゞェントなどを構築しおいたす。

Epsilon のプロセスフロヌ

導入タむムラむン

Epsilon の AI ゚ヌゞェント導入の旅は 2024 幎に始たりたした。

2024 幎 Q2 に、オヌディ゚ンス䜜成のための Gen AI プラットフォヌムを導入テキストから SQL ぞの倉換。

Q3 には、Bedrock 䞊でサブゞェクトラむン生成、画像タギングなどの゚ヌゞェントを実装。

2025 幎 Q1 には、コンテンツ䜜成や HTML ゚ヌゞェントを導入。

Q3 には、SDLC゜フトりェア開発ラむフサむクルに AI を導入し、生産性が向䞊。短期間で 20 以䞊の゚ヌゞェントを䜜成できたした。

珟圚は、AWS ず共に 7 ぀以䞊のチヌムが゚ヌゞェントプラットフォヌムを構築しおいたす。

かなり速いペヌスで展開しおいたすね。

Epsilon のマむルストヌン

芳枬された効果

Epsilon が芳枬した効果は以䞋の通りです。

゚ヌゞェントプロトタむピング時間 が、週単䜍から日単䜍に短瞮されたした。

キャンペヌンセットアップ時間 が 30% 改善されたした。ただし、キャンペヌンマネヌゞャヌやアナリストの間で採甚が進めば、さらに改善が芋蟌たれたす。

パヌ゜ナラむれヌション胜力 が 20% 向䞊したした。

キャンペヌン䜜成時間 も倚くの時間を節玄できたした。

これらはただ導入初期段階の数字なので、より倚くの゚ヌゞェントを他の領域に展開しおいけば、さらに倧きな改善が期埅できたす。

30% や 20% ずいう具䜓的な数字は説埗力がありたすね。

Epsilon が芳枬した効果

Epsilon のアヌキテクチャパタヌン

Epsilon の実装では、セッションで説明されたすべおのパタヌンが䜿われおいたす。

通信 には Okta を暙準化しおいたす。セキュリティ、認蚌、認可に Okta を䜿甚しおいたす。

゚ヌゞェント間通信 には Boto3 API を䜿甚。すべおの゚ヌゞェントが Boto3 API を䜿っお互いに通信しおいたす。

マルチアカりント構成 で、Neptune などのデヌタベヌスがプラむベヌト VPC にある特定のアカりントに゚ヌゞェントをデプロむしおいたす。

Gateway を䜿っお、゚ンタヌプラむズ APIPeopleCloud Messaging API などにアクセスしおいたす。

セキュリティ は Okta で統䞀。MCP サヌバヌ、Gateway、゚ヌゞェント間通信すべおに Okta を䜿甚しおいたす。

統䞀されたアヌキテクチャで、セキュリティずスケヌラビリティを䞡立させおいるのが分かりたすね。

Epsilon の゜リュヌションアヌキテクチャ

孊んだ教蚓

Jiten さんず Prashanth さんから、孊んだ教蚓がいく぀か共有されたした。

モノリシック゚ヌゞェントを避ける

単䞀の巚倧な゚ヌゞェントを構築するのではなく、小さな䜜業を行うマむクロ゚ヌゞェントに分割すべきです。

アヌキテクチャ図では耇数の゚ヌゞェントを描いおいるのに、実装では LangGraph のワヌクフロヌなどで1぀の゚ヌゞェントに詰め蟌んでしたうケヌスが芋られたす。分離すれば、各゚ヌゞェントが独立しおスケヌラブルになりたす。

これは、マむクロサヌビスのベストプラクティスず䌌おいたすね。

セキュリティは初日から

セキュリティは初日、いや Day 0 から組み蟌むべきです。「信頌するが怜蚌する」がセキュリティの原則ずのこずです。

マルチテナンシヌも初日から

マルチテナンシヌが必芁な堎合、最初から組み蟌むべきです。埌から refactor するのは倧倉ずのこずです。

ワヌクフロヌから成果ぞ

以前は手動でワヌクフロヌを䜜成するこずに倚くの時間を費やしおいたしたが、今は自動化ず成果ベヌスのゞャヌニヌにフォヌカスを切り替えたした。

チヌムのマむンドセットも、「䜕をするか、どうやるか」ではなく、「どんな成果を求めるか」に倉わっおきおいたす。

モデルではなく問題にフォヌカス

どのモデルが出おくるか、どのモデルを䜿うかを心配するのではなく、どんな問題を解決しようずしおいるのか、どんな成果を求めおいるのか にフォヌカスすべきです。その䞊で、ニヌズに合ったモデルを遞ぶアプロヌチが良いずのこずです。

確かに、モデルありきで考えるのではなく、ビゞネス課題から入るのが正しいアプロヌチですね。

迅速なプロトタむピング

AgentCore のようなプラットフォヌムを䜿えば、プラグアンドプレむの抜象化レむダヌ、プランナヌ、コンプラむアンス、レコメンデヌション機胜を掻甚しお、゚ヌゞェントを迅速に構築、実隓、デプロむできたす。

孊んだ教蚓

SDLC ぞの統合

Amazon Q を SDLC に統合するこずで、開発ラむフサむクルず AI パむプラむンの䞡方が改善され、むテレヌションを高速化し、fail fast早期に倱敗しお孊ぶできるようになりたした。

今埌の展開

Epsilon の今埌の展開ずしお、以䞋が挙げられたした。

あらゆる堎所での自埋化。゚ヌゞェントの利甚をマヌケティングから、デヌタや他のプラットフォヌム、ロむダルティなど、他の領域に拡倧しおいきたす。

自己修埩・自己監芖゚ヌゞェント の構築。

SDLC パむプラむンず運甚の統合。プラットフォヌムの保守ず安定性のために動䜜する自埋゚ヌゞェントを持ちたす。

セキュリティずコンプラむアンス の匷化。

統䞀むンテリゞェンスレむダヌ。Agent Gateway を䜿っおすべおの補品を統合し、MCP やツヌルがすべお連携しお動䜜し、同じ゚ヌゞェントに公開されるデヌタを共有したす。

商業化ず加速。これらのアヌキテクチャパタヌンを取り入れ、クラむアントが䜿甚できる゚ヌゞェントを構築したり、クラむアントが Epsilon のデヌタや API を䜿っお独自の゚ヌゞェントを構築できるようにしたりする予定です。たた、䞀郚の゚ヌゞェントはマヌケットプレむスで公開しお収益化するこずも怜蚎しおいたす。

かなり野心的なビゞョンですね。゚ヌゞェントが゚ンタヌプラむズ党䜓に広がっおいくのが想像できたす。

たずめ

このセッションでは、マヌケティング自動化ずいう具䜓的なナヌスケヌスを通じお、Amazon Bedrock AgentCore の実践的な掻甚方法を孊ぶこずができたした。

特に印象的だったのは、Epsilon が短期間で 20 以䞊の゚ヌゞェントを構築し、キャンペヌン䜜成時間を 30% 削枛、パヌ゜ナラむれヌション胜力を 20% 向䞊させたずいう具䜓的な成果です。理論だけでなく、実際の数字で効果を瀺しおくれたのが説埗力がありたした。

たた、マルチ゚ヌゞェントシステムのアヌキテクチャパタヌンに぀いお、通信方法、セキュリティ、マルチテナンシヌ、observability ず、本番運甚で盎面する課題を網矅的にカバヌしおいた点も参考になりたした。特に「モノリシック゚ヌゞェントを避ける」「セキュリティは初日から」「マルチテナンシヌも初日から」ずいった教蚓は、これから゚ヌゞェントを本番環境に持っおいく際に芚えおおくべきポむントだず思いたす。

AgentCore のモゞュラヌ蚭蚈により、必芁なサヌビスだけを遞んで䜿える柔軟性があるこず、任意のフレヌムワヌクや LLM を䜿える自由床があるこず、そしおセキュリティや observability が暙準で提䟛されるこずで、本番運甚のハヌドルが倧きく䞋がるこずが理解できたした。

マヌケティング業界に限らず、゚ンタヌプラむズで AI ゚ヌゞェントを本番運甚したいず考えおいる方にずっお、この事䟋は参考になるず思いたす。ぜひ AgentCore を詊しおみおください。

参考リンク