KDDIアイレットでは、「配属後、エンジニア・非エンジニア関わらずスムーズに業務を行うために、基本的な Google Cloud のサービス知識やハンズオン経験を身につける」 ことを目的に昨年度より、新卒社員の入社時研修の一環として「社内Google Cloud研修」を実施しています。
今年度(2026年度)の研修において大きな挑戦となったのが、講師陣を「現役2年目(25卒)」だけで構成し、社内リソースだけで完結する完全内製化を目指したことです。
1年前は受講生として悩み、つまずき、そして今では現場の最前線で活躍する25卒の若手エンジニアたち。
なぜ彼らは教える側として立ち上がったのか、そして本業と両立しながらどのような工夫を重ねて研修を成功に導いたのか。
今回も、講師を務めた25卒講師6人から研修の舞台裏や本音をじっくり語ってもらう、振り返り会を開催しました!
講師プロフィール
1年前の「受講生」から「教える側」への挑戦
改めて今年度の社内Google Cloud研修、講師と運営本当にお疲れ様でした!
早速ですが、講師に任命された時の気持ちを教えてください。
シンプルに、とても嬉しかったです!
元々世話好きで、大学時代も後輩の成長や育成に携わることにすごくやりがいを感じていました。1年前、先輩たちが講師としてGoogle Cloud研修をやっている姿を見て「自分もいつか絶対に挑戦したい」と思っていました。今後のキャリアにも絶対に活きる と確信していたので、やりたいと思っていたことが叶ってワクワクしていました。
私も嬉しさが一番大きかったです。私もPTE*への応募を控えて活動実績を残したい と考えていた矢先だったので、すごく良いタイミングでした。何より、ちょうど1年前に自分が受講生として座っていたあの研修で、今度は自分が講師に回るというのは、単純に挑戦してみたいという気持ちが強かったです。
*PTE:Google Cloud Partner Top Engineer の略称。
Google Cloud のパートナー企業所属のエンジニアの中で、 高い技術力を持ち、 Google Cloud ビジネス拡大のための普及に向けた登壇や案件対応・ソリューション開発、 Google Cloud ビジネスとファン拡大のための情熱を評価されたエンジニアに贈られる称号のことで、 2026年度、KDDIアイレットからは篠原含め33名が受賞しています。詳しくはこちら 。
私もPTEを目指していることや、昨年の先輩たちの姿に影響を受けて「やってみたい」と思っていたので嬉しかったです。ただ、いざ任命されて本番が近づくにつれて、去年のすごかった先輩たちと自分を比較してしまって、「自分にうまくできるだろうか……」と不安や緊張 もどんどん大きくなっていきましたね。
私もみんなと被りますが、PTEを目指しているので良かったなと。また、去年研修を受けた時から、Google Cloudはクラウドの中でも特に面白い・自分に合っている 、と思っていました。なので、Google Cloudに関するプロジェクトが1つ増えたことは本当に嬉しかったです。
私はとにかく驚きました(笑)。正直選ばれると思っていなかったので、「 本当に自分に教えられるんだろうか……」と驚きと不安でいっぱいでした。2年目の自分が教えるなんて、技術レベル的にも大丈夫かという不安は大きかったです。でも、1年前の受講生だった自分だからこそ、新卒がつまずくポイントが一番リアルに分かる はず。自分の知識を高めるチャンスだと思って、前向きに飛び込みました。
自分自身が資格勉強を頑張ったりPTEを目指そうと本気で思ったりしたきっかけが、1年前の社内Google Cloud研修だったんです。そのくらい自分にとって影響の大きかった研修で、今度は教える側に回るチャンスをもらえた ことが心から嬉しかったです。
「徹底的な受講生目線」へのアップデート
みなさん、「教えてもらう側」から「教える側」に回ったことは、とても嬉しいことだと感じられたんですね!
昨年受講者だったからこその強みを活かして、研修を設計するにあたって意識したことやこだわりはありましたか?
「未経験者や非エンジニアでも、絶対に置いていかずに楽しめる研修にすること」 です。昨年、自分が未経験の状態で受講したとき、座学は分かりやすかったものの、ハンズオン(実機演習)がすごく難しくて……。前提知識がないから、指示書通りにコマンドをただコピー&ペーストするだけで、中身を本質的に理解できないまま終わってしまった悔しさがありました。だから今年は、座学の部分を徹底的に分かりやすい例えを使って噛み砕き、資料を見やすく作り込むことを全員で心がけました。
そうですね。資料のルールとして「前提知識ゼロでもわかる単語を使う」という意識付けを全員で徹底しました。専門用語をできるだけ平易な言葉に置き換えて、受講生の技術レベルにバラつきがあっても全員が納得できるように工夫しました。
教えてみて、「1年の差でも、持っている専門知識や前提知識に想像以上の差がある」 ということにも気が付きましたよね。私たちにとっては普段の実務で「当たり前」になっているIT用語や概念、例えば『コンテナ』などは、これから学ぶ新卒の皆さんにとってはまだ馴染みのない言葉や概念だったりします。受講者の反応が薄かったりすると、「あ、今の説明じゃまだ伝わっていないかも」と肌で感じました。分かっている前提ではなく、「分からない前提」でゼロから目線を下げて教える難しさと重要性を学んだのは、私たちにとっても大きな学びでした。
妥協なき「3段階レビュー」の苦労と効果
通常業務(案件対応など)を抱えながら、講師として研修を作り上げるのは時間的にもかなりハードだったのではないでしょうか?
はい。想定よりも準備が押してしまい、全体の通しリハーサルをするような時間の余裕がなくなってしまいましたね。そのため、本番直前まで「本当に時間通りに進むか」「想定外のエラーが出たらどうしよう」と不安でいっぱいでした。それを解消するために、同期同士で集まって事前にお互いの資料を読み合わせたり、ブラッシュアップの打ち合わせをギリギリまで何度も重ねました。
そうでしたね。資料作成のスピード自体は順調でしたが、研修資料については「3段階の厳しい品質レビュー」制を採用していました。まずは講師同士で、技術的な破綻がないかを見る「1次技術レビュー(青木・山崎)」、表記揺れや誤字脱字をチェックする「2次品質担保レビュー(三宅)」、そして社内のトップエンジニアによる「最終レビュー」という関門。ここで人手をかけすぎてしまったことや、役割分担をあらかじめ明確に決めていなかったことで、レビュープロセスに時間がかかりすぎてしまったのは大きな反省点 でした。
△社内のPTEより最終レビューを受ける講師たち
私は最近案件で提案書を作成する機会が多く、スライドの構成や見せ方にすごく悩んでいた時期だったんです。だから今回、研修用の見やすくて情報が圧縮されたスライドを自ら作成し、他の講師陣のフィードバックを受けた経験は、スライド構成の勉強になり、実務スキルに直結する絶好の成長の機会 になりました。
これは、日進月歩のクラウドのハンズオンならではの苦労ですが、Google Cloud Skills Boost*は、数週間前まで動いていたラボのUIが急に変わったり、仕様変更でクレジットエラーが起きたりすることが日常茶飯事なんです。当日、受講生がエラーで立ち止まらないようにするために、本番前に講師全員で全ハンズオンの挙動を実際に自分たちの手で動かして検証したのですがこちらもかなり工数がかかるので、大変でした。
*Google Cloud Skills Boost:Google Cloud が直接提供するオンライン学習プラットフォーム。今回の研修ではハンズオン環境の一部で本プラットフォームで実施が可能なラボ(講座のようなもの)を採用。
新しい仕掛け、後輩たちの反応は?
苦労を乗り越えたからこそ、今年度の研修は昨年度から劇的な進化を遂げました。特に、2日目午後の「実践デプロイハンズオン(AIチャットボット構築)」や「LT大会」は受講生にも大好評でしたね。
初日の私のVPC講義では、不慣れもあって想定外の事態が起き、受講生の実機演習の時間を圧迫してしまったという大きな反省点がありました。「やっぱりインプットよりも、自分で手を動かすアウトプットの時間を何より優先すべき だ」と痛感したんです。 だからこそ、2日目の締めくくりである「LT大会」では、十分にアウトプットの時間を確保しました。講義では扱わなかった難解なサービスについて、新卒たちが自分たちで調べ、「来年入社してくる27卒の後輩」という明確なペルソナに向けてゼロベースで発表する。準備時間は短かったですが、26卒たちがお互いの発表に投票し合って「難しいサービスなのに、分かりやすくてすごい!」と称え合う、最高のアウトプットカルチャーが生まれた瞬間でした。
ハンズオン中の26卒の皆さんの取り組み方も良かったですね。最初は戸惑いながらも、全員が黙々と、かつ真剣に課題と向き合っていました。後から今OJTとして担当している26卒の子から「研修、本当に分かりやすかったです!」と直接言ってもらえた時は、これまでの準備の苦労が一気に吹き飛んで、本当にやりがいを感じましたね。
来年の27卒、そしてこれからクラウドを学ぶ人へ繋ぐ「自走のバトン」
では最後に、この記事を読んでいる若手エンジニアの皆さんや、これからクラウド技術をキャッチアップしようと頑張っている皆さんへ、メッセージをお願いします!
技術習得には、座学よりもアウトプット を絡めることが圧倒的に近道です。最初はコンソールを触るのが怖く感じるかもしれませんが、とにかく手元の環境を動かしてみること。そして、そこで得た知見や失敗を、社内ブログやLTなどの形でどんどん人に「アウトプット」する習慣をつけてください。その習慣こそが、皆さんを何倍も成長させてくれます。
勉強を始めたばかりの時期って、いくら勉強しても「本当に身についているのかな?」と不安になりがちで、成長を実感できるのは少し先になります。私も1年前は不安だらけでしたが、今回講師をやらせてもらって、「昨年の自分と比べて、確実に、驚くほど成長できている!」と肌で実感 できました 。途中でやめずに、毎日少しずつでも小さくクラウドを触り続けること。その無理のない継続が、将来、皆さんを大きく飛躍させる確固たる力になります。
Google Cloudはもの凄いスピードで毎週のようにアップデートされていくので、新しいものに挑戦することが大好きな人にはたまらない 楽しさがあります。私たちの身近にあるサービスを提供しているベンダーですし、身近なところから楽しみながら挑戦を続けてほしいなと思います。
Google Cloudの概念や用語は最初は多くて難しく感じるかもしれませんが、まずは環境を動かしてみましょう。そして、 「エラーが出ること」を恐れない で ください。エラーは失敗ではなく、最も技術力が上がる「学びの宝庫」です。失敗を恐れずにトライ&エラーをたくさん繰り返して、できた楽しさを1つずつ積み重ねていってください!
やはり、インプットだけでなく、得た知識をすぐにブログやハンズオンでアウトプットすることが、技術定着の絶対条件です。「学ぶ ➔ 作る ➔ 伝える」の楽しさを知れば、勉強はもっと面白く なります。皆さんがGoogle Cloudを学び、楽しんでくれることを応援しています!
資格試験の勉強などの「座学」だけではなく、ぜひ実際にコンソールを触って動かしてみてください。勉強した知識が実機で動いて「紐づいた!」と実感する瞬間が、一番楽しいし身につきます。また、KDDIアイレットは社内の勉強会やコミュニティが非常に活発で、新卒1年目からでも積極的に挑戦できる本当に恵まれた環境 です。失敗を恐れず、面白いチャンスにどんどん飛び込んでみてください!
最後に
25卒講師陣の振り返り会、いかがでしたでしょうか。
同期のみのプロジェクトならではの高い心理的安全性の中で、葛藤を分かち合い、本気で本業と両立させながらバトンを磨き上げた2年目の講師たち。
その情熱に火をつけられた26卒の受講生たちは、8月3日時点で54名全員がGoogle Cloud 資格を取得し、すでにブログ執筆や勉強会企画に多数応募するなど、凄まじい「自走の勢い」を見せています。さらに「来年は自分が講師をやりたい!」という志望者もすでに溢れ出ています。
この、「教えられた新卒が、次の世代の講師となり、背中を見せてさらに次の世代を自走させる」 。 これこそが、アイレットが誇る一歩も二歩も先を行く「自走ループ」の正体です。
アイレットはこれからも、新卒が自ら火をつけ、高め合い、次の世代へバトンを繋ぐカルチャーを全力で支援していきます!
この記事を読んでアイレットに興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページをご覧ください!
新卒採用ページ:https://www.iret.co.jp/newgraduate/
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以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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