はじめに

エンタープライズクラウド事業部の高橋です。

Oracle AI World 2026にて、「Oracle Cloud ERP Executive Session: Towards Autonomous Finance [LRN2690]」のセッションに参加しましたので、その内容を紹介します。

セッション概要

Finance is entering a new era, moving from systems that record activity to systems that continuously drive outcomes. Autonomous operations introduce a new model for advancing finance work with agents operating within trusted controls. Agentic performance execution connects real-time financial signals to policy-aware actions across the business. Together, these capabilities establish a new operating model for finance. See how Oracle Fusion Agentic Applications and Fusion Claw help finance teams move beyond copilot insights toward autonomous finance, so they can guide the business at a new pace with greater speed and confidence.

ファイナンス領域は新たな時代に突入し、活動を記録するシステムから、継続的に成果を推進するシステムへと移行しています。自律的な運用により、信頼できる管理体制の下でエージェントが動作する、財務業務を推進する新しいモデルが実現します。エージェントによるパフォーマンス実行は、リアルタイムの財務シグナルを、ビジネス全体にわたるポリシーに基づいたアクションに結び付けます。これらの機能を組み合わせることで、ファイナンス領域の新たな運用モデルが確立されます。

セッション内容

本セッションは、Oracleが過去数年間で1000以上のAIエージェントを顧客に提供してきた実績を踏まえ、「AIアシスタントが作業を支援する」段階から「AIエージェントアプリケーションが業務プロセスそのものを所有し、自律的に遂行する」段階へ進む、という方向性を示すセッションでした。

「支援」から「自律遂行」へ進むという方向性は、私が参加した別セッションでも語られており、Oracle AI World 2026の共通テーマだと感じました。

Fusionアプリケーション自体は、企業のデータ・セキュリティ・権限を保持する信頼できるシステムであり、エージェントアプリケーションはこれを置き換えるのではなく拡張するものだと説明されていました。

本セッションでの「AIエージェントアプリケーション」とは、Fusionアプリケーションそのものではなく、Fusionと連携して動く新しいアプリケーション群を指しています。

エージェントアプリケーションは、Fusionの権限設定で許可された範囲で動作する制約があり、データの保持・セキュリティが担保されているとのことです。

AIを業務で活用する際は、セキュリティに問題がないかという点が最も重要な観点だと感じています。最小権限での利用ができる設計となっている点は、安心して導入を検討できる要素だと思います。

エージェントアプリケーションが自律的に動いてよい範囲は、ポリシー等の企業ごとの業務運用ルールによって定義し、自動化してよい範囲や承認が必要になる閾値などのルールを設計、Fusion側に反映することで、実際にエージェントの動作を制約することが可能です。

Oracle Fusion Clawについては、別セッションの参加レポートでも関連する新機能を含めて紹介していますので、ぜひご覧ください。

【Oracle AI World 2026】Oracle新発表、Oracle Fusion Companion/Oracle Agentic Homeとは?

デモの内容

本セッションではライブデモを通してOracle Fusion Clawでどのようなことが可能か紹介がありました。

複数のライブデモのうち、印象に残った箇所を紹介します!

長期計画・年次計画・詳細な業務計画をつなぐ「財務計画」の領域と、実際の業務執行の領域の間には、これまでギャップがあったと説明されていました。

デモでは、あるビジネスユニットに6,000万ドルの追加予算が配分された場合、人員計画を担うエージェントアプリケーションが、採用・異動・リスキリングを組み合わせた詳細な人員計画を予算やポリシー、各国の規制を踏まえて自動的に作成していました。

その際、特定の重要な人材に影響する判断についてはエージェントが自動実行できないよう、権限の範囲があらかじめ制限されており、担当者は計画を確認した上で実行を承認する(または全自動モードで実行する)という選択ができる、という内容でした。

Oracle Fusion Clawによって、人員計画案の作成までではなく、最終的な資料化まで行えており、本セッションで説明されていたAIによる「支援」の段階は過ぎたと改めて感じました。

今後のロードマップ

今回紹介した財務計画などの領域に加えて、サプライチェーン(在庫最適化など)、人事、営業・チャネル管理、プロジェクト管理・ポートフォリオ、調達、資産管理、予算統制といった領域にも、同様のエージェントアプリケーションを拡張していく方針が示されました。

今後6ヶ月程度で、これらの領域に広くエージェントアプリケーションを展開していきたいという、かなり積極的なロードマップが語られていました。

今後の発表に期待です!

まとめ

本セッションから、OracleがFinanceやEPM領域において、「AIアシスタント」から「業務プロセスを所有し、アウトカムを達成するまで動き続けるエージェントアプリケーション」へのシフトを進めていることを学べました。

財務計画と業務執行をつなぐ取り組みに、Oracle Fusion Clawという共通基盤を組み合わせている点は、他のセッションとも一貫した内容でした。

Oracle社がOracle Fusion ClawやAI領域に力を入れていることが伝わるセッションだったと思います!前年のOracle AI World 2025でもAI領域に力を入れている印象でしたが、今回はそれ以上に力を入れているという印象を受けました。