中国で書かれた伝記歴史小説『水滸伝』に登場する百八星の豪傑たちが集う『梁山泊』に例えて、cloudpackに集結するエンジニアを『梁山パック』として、ここにその個性豊かな表情を順にお伝えしていきたい。

面白い仕事を求めて、オンプレミスからクラウドへ転身

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連載『梁山パック』に登場する4人目は、SIer出身の岸上健太郎だ。

前職のオンプレミス系SIerでは、官公庁や産業系におけるシステム構築の案件に携わり、常駐インフラエンジニアとして従事していたという。

業績的にも安定した優良企業だったが、クラウドの台頭で、オンプレのエンジニアを続けることに危機感が募り、新しい分野へのチャレンジを求めてクラウド業界への転身を決意。cloudpackの技術ブログを読んでいるうちに「ここなら面白い仕事ができそう」と当たりをつけて、cloudpackに参画した。

今では、主にゲームやエンタメ系のお客様向けに、AWS上のサーバーインフラの構築から運用までを担当している。

「日本のSIって、商流が深すぎるんですよ。2次受け、3次受けまではザラ。5次受けなんていう案件だってあります。2次受け・3次受けあたりで、もうお客様の顔なんて見えなくなるんです。前職まではそんな環境で働いていましたが、お客様の顔も見ずに良い仕事なんてできるわけがない、と思っていました」

岸上がcloudpackに転職してから、お客様と直接にやりとりができるようになると「本当はこうしたかった」というお客様の声がダイレクトに聞こえてくるようになった。同時に1次受けの辛い部分も理解できたり、日本のSI業界の足腰の重さも理解できるようになったと言う。

「それはもう大変ですが、1次受けの立場でお客様と接することの意義は大きいですよ。お客様のゴール達成に直接関与できるんですから」

お客様が求めるゴールがあったら、そこに至るまでのステージに、どういう選択肢があって、どういう役割が求められるか、それをやりきる力がこの仕事の肝なのだと、岸上は言う。

99秒で人材を見極めるテクニック

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岸上のチームでは、エンジニアの中途採用が盛んだ。採用面接に岸上自身が参加することもある。

「cloudpackって常に何かにチャレンジしているので、たくさん失敗してきた人とか、チャレンジ意欲の高い人が面接に現れると嬉しくなりますね。あと個人的には、採用面接に対戦格闘ゲームを取り入れたいと思っているんですよね」

ほぼゲームをやらない筆者には意味がわからなかったので(笑)詳しく聞いてみた。

「『ストリートファイター5』っていうゲームをやったことあります? 99秒のバトルを3ラウンドやるんですけれど、対戦していると相手の性格がモロに伝わってくるんですよ」

「3回ほど対戦できるので、1ラウンド負けても、次のラウンドで勝てばいい。状況判断が求められるゲームでもあるので、瞬時に判断しながら手を打たないとと勝てないんです。相手の攻撃パターンにあわせて闘っていても、やはりギリギリ負けることもあります。これは格闘ゲームが強いとか弱いとかの話ではなくて、つまり負けた試合で学んで、次の試合に活かせるかどうか。勝因と敗因の分析が瞬時にできる人か、やりきる力のある人かどうかが、99秒のゲームを通じて理解できるんです」

つまりストリートファイター5で99秒×3ラウンドを対戦したら、その相手がcloudpackで活躍できる資質を持っているかどうか判断できる、と岸上は言いたいようだ。

岸上との面接で「ちょっとスト5でもやりますか!」って誘われたら、それは見極めのためのステップということで、岸上に勝ったら内定とかではないので誤解しませんように。

グレーゾーンも果敢に踏み込む

cloudpackの良いところは、インフラエンジニアの希少種が大勢集まっていることと、失敗のダメージよりもチャレンジが評価されるということだ。チャレンジが優先される社会において、エンジニアはお客様の課題に対して、より多くの選択肢を持つきっかけとなる。

「以前にある案件で大きな障害がありました。結論から言えば、障害の原因は、別の会社が開発したアプリケーションで、言わばcloudpackの責任範囲の外で起きた障害だったんですけれど、こちらから斬り込んで行ってソースコードのデバッグに近い形で最後は負荷試験までやりました」

お客様とアプリケーション開発会社とcloudpackの三者の間で起きた障害だ。

「三すくみって言うんですかね。これ誰が対処する?ってお見合いになっちゃうシーンがいくつもあって。でも、そういうときのcloudpackって、グレーゾーンであっても踏み込んでいってしまうことが多いですね。だってね、目の前のお客様が心底、困っているわけですよ。たまに踏み込みすぎちゃうこともあるけれど、その結果、GOOD/BADが理解できるようになるわけで。だからプロジェクトの途中で失敗しても、途中でめげずに最後までやり抜いた人が、cloudpackでは賞賛される傾向があります」

保守的な考えのエンジニアは、cloudpackには向かない?

以前に別のインタビューで、インフラを安定させる仕事でもあるエンジニアが、安定志向なのは至極当然だよね、という話を聞いたことがあるので尋ねてみた。

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「どうだろう。無傷なインフラエンジニアなんてたぶんいないから、単に心持ちだけの気がするけれどね。むしろ傷だらけの人の方が、cloudpackでは魅力的な人材だよね。プロジェクトの成功談を含めてグッドノウハウというのは、バッドノウハウを集めて洗練させたあとに生まれてくるものだと思うから」

「ほら、人って頭の中でわかっていても、しくじることってあるじゃない? 例えば、失敗例がちゃんと共有されていて、これをやったらシステム死ぬぞってマニュアルに書かれているのにさ、何故かみんなしくじるやつ。だから極論は、自分で失敗しないとわからないんじゃないか。たくさん失敗している人の方が、正しい選択肢を持っていることが多いよね」

年がら年中、AWSからは新機能の追加やアップデートが行われる。同じ要件のプロジェクトでも、昨年と今年では同じアプローチが正しいとは限らないわけだ。今のアプローチもアーキテクチャも、来年には陳腐化してしまう可能性があるわけで、インフラエンジニアはどんどん新しいチャレンジをして、どんどん失敗したらいい。それがお客様の課題解決につながるのだから、と岸上は言いたいのだ。

システムの安定稼働と新しいチャレンジの両輪を実現するAWSパートナーって、実は希少かもしれないなと筆者(聞き手)は思ったのだけれど、読者のみなさんはどう思いますか?

岸上との個別面談を承ります

岸上と一緒に働いてみたいと思ったエンジニアの方は、cloudpackの採用ページから個別相談をお申し込みください。中途採用会社説明会の『虎はち会』に顔を出す可能性もありますよ。

聞き手:増田隆一(marketing communication, cloudpack)