こんにちは。cloudpack.media編集長の増田です。

先週、大阪での18卒会社説明会のために新幹線に乗っていたら、卒業旅行とみられる女子大生6人と通路を挟んで隣り合わせになりました。学生として過ごす最後の日々を満喫しているのでしょう。ひたすら笑顔で、心の底から楽しそうに見えました。

何となく聞こえてくる会話の様子から『君の名は。』の聖地巡りに岐阜方面に出かけるらしく、名古屋で降りていかれました。名古屋駅構内にも聖地スポットがありますし、きっと乗り換えからキャー!キャー!していたことでしょう。あー、羨ましい(笑)

2017年度の新入社員タイプは『キャラクター捕獲ゲーム型』

さて、そんな卒業旅行もそろそろ終えて、まもなく新社会人のみなさんが入社する季節を迎えます。アイレットにも数名の新卒入社を予定しています。

この時期になると、新入社員へのエールと、企業に対しては新入社員をよく観察して大切に育成してもらいたいという趣旨から、『今年の新社会人は◯◯型』といった発表(日本生産性本部「職業のあり方研究会」)があります。

今年、新社会人になるみなさんは『キャラクター捕獲ゲーム型』なのだそうです。発表時の解説も読んでみましたが、筆者には理解不能でした。(過去3年は『ドローン型』『消せるボールペン型』『自動ブレーキ型』)

毎年、世相やトレンドなどが反映されていて興味深い面もありますが、社会に出る若者を十把一絡げに型を勝手に決めつけてしまっているようで、個人的には不快に感じています。参考までに私が社会人になったときは、『バーコード型:読み取り機(上司)次第で、迅速・正確・詳細な処理可能』と表現されたものです(笑)

キャラクター捕獲ゲーム型と表現されたみなさんは、入社してしばらく研修が続き、社会人として生きていくための心得が叩き込まれることでしょう。

この記事では、新社会人を対象に新入社員研修では教えてくれなさそうな、もしかしたら将来の役に立つかもしれない『心得』について4つほど、筆者の体験を基に語ってみたいと思います。

1. メンターを目標にしないこと

入社すると、ひとつ上か、ふたつ上ぐらいの先輩社員がメンターとして、あなたの教育係として指導にあたってくれることでしょう(会社によっては配属されてから)。メンターに選抜されるぐらいの先輩なので、面倒見の良い人がちゃんとあなたの成長を手助けしてくれます。

あなたにとってはもっとも身近な先輩になりますし、先輩のテキパキこなす仕事ぶりをみながら「この人を目指そう!」って思ってしまいがちです。実際、私もそうでした。

私のメンターだった先輩からは「オレを目標にしてもキミはすぐに追いついちゃうから、十年先輩のアノ人を目標にしろ。彼の仕事の進め方やクオリティをじっくり観察するんだ」とアドバイスをもらいました。配属されてまもなくのペーペーだった自分にとって、十年先輩なんて雲の上の人に思えたものです。

しかし何年かして、これが実に重要なアドバイスだったことに気がつきます。当時とても素直だった筆者は、十年先輩にちょっとでも近づくために、猛勉強をすることになりました。

学生時代には学年による序列があったかと思いますが、社会人になって何年か過ぎると、実績や実力で序列はいくらでもひっくり返ります。特に社会人なりたて最初の3年〜5年分なんて、過ごし方ひとつで身につく知識も経験も変わりますので、同期でも差がついてしまうことも。

その結果は、数年後に年収の差として自分に跳ね返ってきます。当時「キミは十年先輩を目指せ!」とアドバイスをしてくれた先輩には頭が下がる思いです。

2. 『自分株式会社』の社長として立ち居振舞う

配属先の仕事に慣れてきた頃に、経験するのが『異動』です。

上司が変わるどころか、せっかく習得した仕事とはまったく違う仕事に変わる場合もあります。仕事の目標が変わってしまったり、成果の評価軸が変わってしまったりするので、筆者はものすごく戸惑いました(笑)

少なからず戸惑いが不満になっていたのが伝わったのか、隣の隣の部署の部長さんがある日、筆者を会議室に呼び出したのです。

冒頭で「仕事、楽しい?」と笑顔で聞かれましたが、目は笑っていませんでした。
世間話からはじまって、仕事への姿勢について話が及びました。

「あなたは、自分株式会社の社長だと考えてみようか。自分の会社が儲かるか、潰れるかの責任はあなた次第だ」

ポカーンとしていた筆者に、彼は続けました。

「考えたことがなかったのなら、今すぐ頭を切り替えたほうがいいぞ。株式会社だから株主がいる。あなたの会社の株主は誰だろう? 上長? そうだね、あなたのお給料を決めている人だからね、大事な株主の1人だね」

「いまの給料があなたの会社の株価だ。いまの株価は高いか低いか。低いとしたら、それは誰の責任だ?」
「あなたは社長だから株価をあげていく必要がある。何をしたら会社の株価があがると思う?」

当時、彼の質問にほとんど回答することができませんでした。しかし、このときの気づきが、筆者の大きな転機になりました。筆者はこのとき27歳でした。もっと早くに気づいていたら、今とは違う社会人になっていたかもしれませんね。

これ以降の筆者は、経営者的な発想を考えながら仕事に取り組み、経営者の目線を意識しながら発案・報告を行うようになりました。経営者的なあれやこれやを学ぶための自己投資も積極的に行うようになり、そうした立ち居振る舞いは良い習慣になりました。おかげで自分株式会社の株価もいい感じであがりました(笑)

この社会で生きている限り、自分の会社経営に終わりはなく、きっとこれからも自問自答しながら学び考える日々が続くことでしょう。

3. 点の色を濃くする

アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式スピーチは有名ですから、観た人もたくさんいるでしょう。このスピーチを通じて「Stay hungry, Stay foolish(ハングリーであれ、愚かであれ」という言葉が有名になり、「Connecting the Dots(点と点をつなげる)」の言葉に共感した人も大勢いると思います。

翻訳サイトもありますので、名スピーチの細かい内容はそちらでご覧いただくとして…。
筆者がみなさんにお伝えしたいのは、「Connecting the Dots(点と点をつなげる)」の方です。

まず「点(知識)」がなければ始まらないこと。色の濃い「点」を打たない限り、「線(経験)」でつないでも、たいして役に立たないということ。いつかどこかで点はつながるぞ、という甘い期待は意味がないこと。しかも、どの点とどの点つながるのかは、現時点ではわからないということ。

経験上、将来につながる「点」というものは、脳が悲鳴をあげるまで詰め込んだ勉強や、懸命に打ち込んだ仕事からしか生まれないようです。ただなんとなく打った点は決してつながりません。したがって、あらゆる経験を絶対に無駄にしない覚悟で取り組むしかない。

研修期間中はなかなか学生気分が抜けない人もいますし、配属されてからもしばらくは『新人扱い』で甘えがちになる人がいますが、運や縁を引き寄せるために、能動的な生き方を身につけていきましょう。

「点(知識)」を濃くするために集中し、どんな仕事でもその瞬間の自分のベストを尽くすこと。

周りの先輩や同僚は、そんなあなたをよく見ているものです。

現実には「知識」をつなぐための「経験」には、運や縁という要素が少なからず必要です。そんな運や縁をもたらしてくれるのは、あなたの仕事ぶりをよく見ている人たちかもしれません。「点と点をつなげる」のは、あなたの覚悟と努力、そして手を差し伸べてくれる周りの人たちのおかげだと筆者は思っています。

スティーブ・ジョブズだって、独りで偉業を成し遂げたわけではありませんからね。

4. Still day one

社会人としての人生は一般的に40年以上もあるので、未来を想像すると気持ち悪くなる人もいるんじゃないかと思います。4大卒で社会人になる年齢が22歳だとすると、単純にこれまでの人生の2倍近くあるので当然ですよね。でも、きっと大丈夫です。

「仕事はね、やってみないとわからないことがたくさんある。だからとにかく前に進む。あ、これ失敗だなと気づいたら、全速力で分岐点まで戻ればいいんだよ。いい? 全速力で戻れる余力を残しておくのが大事だからね。あと分岐点を把握しておくこと。そうしたら大抵の失敗は、失敗じゃなくなるから!」

筆者はそんな風に諭されながら、たくさんの失敗を許容してもらいながら育てられました。良い先輩や上司に恵まれたのは、幸運としか言いようがありません。

グダグダでワガママだった新人が、十年先輩を目標にしろと煽られ、なけなしの初任給から毎月2〜3万円の自己投資(勉強するための費用)の捻出を迫られ、がむしゃらに学び、迷って、失敗しまくって、たくさんの尊敬する仲間に迷惑をかけたり励まされたりしながら、ここまでやってくることができました。今もチャレンジの真っ最中です。

何かしらのチャレンジを続けるということは毎日を新鮮にしてくれると同時に、自分自身を成長させてくれます。

新社会人にとっての入社式の日はもちろん『Day one』ですが、筆者はいまも毎日が『Still day one』です。

もう2018年度の新卒採用が始まっています

もしかしたら現役大学生も、この記事をご覧になっているかも?と思ったので、最後にちょっとだけ宣伝させてください。

cloudpack(アイレット)は、18卒の新卒採用の真っ最中です。
筆者も新卒採用に携わっているので、アイレットの会社説明会で是非お会いましょう!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この記事は増田隆一(marketing communication, cloudpack)が書きました。