2022年7月から3ヶ月間行なわれたアマゾン ウェブ サービス(AWS)ジャパンが主催する「ANGEL Dojo for エンドユーザー with AWSパートナー (ANGEL Dojo)」。
「ANGEL Dojo」は“サービスの企画から実際にプロトタイプを作成することで AWS を活用したチーム開発が体感できる実践型のトレーニング”です。
(詳しくはこちら: AWS 公式ブログ)
今年の ANGEL Dojo には、アイレットとデロイト トーマツ ウェブサービス株式会社様(以下、DWS)の若手エンジニアがチームを組んで参加し、最終発表会にて「ANGEL 賞」を受賞、そして頂上決戦にて見事優勝を果たしました。
今回、参加メンバーであるアイレットの仲西貴優・井上迪也、DWS の榎並清香さん・松井ゆうさん、そしてメンターを務めたアイレットの岩佐孝浩にインタビューを行ない、ANGEL Dojo を通じて得た学びや感想などを聞きました。
ぜひご一読ください!
アイレット 仲西貴優
アイレット 井上迪也
DWS 榎並清香さん
DWS 松井ゆうさん
アイレット 岩佐孝浩
「ANGEL Dojo」に参加した理由
本日はよろしくお願いします。まずは「ANGEL Dojo」に参加した理由を教えてください。
私は上司から「参加してみたら」と声をかけてもらったことがきっかけです。その際に「ANGEL Dojo」がどんなプロジェクトなのかを知り、「面白そう」と感じたので参加することに決めました。
私は今年、新卒社員としてアイレットに入社しました。これまでに業務で個人ではなくチームで開発するといった経験をしたことがなかったので、この機会にチーム開発とは何かを学びたいと思い参加しました。
私も上司から声をかけてもらったことがきっかけです。普段の業務では開発案件に携わる機会が少ないのですが、「ANGEL Dojo」ではチーム開発ができると聞き、興味が湧きました。
私は DWS に入社する前から「ANGEL Dojo」を知っていたのですが、プロジェクトの概要を調べていく中で自分の成長に繋がる経験にしたいと思い、参加することに決めました。
岩佐さんは今回の「ANGEL Dojo」でメンターを務められたとのことですが、メンターを引き受けた理由を教えてください。
私は2022年度の「
iret スペシャリスト」に認定していただいたのですが、そこで認定者に向けてメンターの募集がありました。iret スペシャリストとして何かサポートできるのではないかと思い、手を挙げさせていただきました。
廃棄食材に着目!出品者と購入者を繋ぐサービスを開発
「ANGEL Dojo」での活動内容について教えてください。
初めの1ヶ月間では「企画」の部分を学びました。具体的にはプレスリリースについて学んだり実際に FAQ を作成したりしました。これらを踏まえてチームで作成するサービスのコンセプトを決めましたね。
その後の2ヶ月間では「設計・開発」の部分を学び、企画したサービスが実際に動かせる状態になるまで取り組みました。講義で学んだことをチーム開発で活かすことができるので、とても身になったと感じています。
近年 SDGs の中で廃棄食材が問題視されていますが、私が以前アルバイトをしていた飲食店の店長も廃棄食材の処分に手間や費用がかかると困っていたことを思い出しました。
松井さんの意見を元にチーム内で話し合い、ペルソナ(サービスのユーザー像)を「飲食店の経営者・店長」としたサービス「
ZANPAN」を作成することにしました。
このサービスは、廃棄食材にかかる手間を減らしたい出品者と動物の餌などで廃棄食材を利用したい購入者を繋ぐ機能を持っています。
お客様の課題を定義してそこからサービスの仕様を考える際に、矛盾が発生しないように気をつけていました。年代を問わず様々な層に向けたサービスをつくりたかったので、特に UI の見やすさ・分かりやすさにはこだわりましたね。
メンターのサポートがチームの成長、自身の成長に繋がる
活動をしていく上で何よりもチームワークが重要だと思いますが、どのようにチームをまとめていったのでしょうか。
あらかじめリーダーが誰なのかは決めず、打ち合わせの際は毎回サイコロでランダムにファシリテーターを決めていました。
リーダーという役割を一人に与えてしまうと負担が大きいので、サイコロによって決めることで皆が満遍なく行動する機会ができて良かったと感じています。
また、アプリケーションの表側部分と裏側部分で2チームに分かれて開発を行なったのですが、ミーティングでの会話はもちろん、Slack でのチャットコミュニケーションにおいても各々が密に連携が取れるように意識して進めていきましたね。
岩佐さんはメンターとしてどのように関わったのですか。
毎週木曜日と金曜日に行なわれる朝会や夕会に参加したり、マイルストーンがあるので中間発表や最終発表などそれぞれの段階での成果物をレビューしたり、技術的な相談に対してお応えしました。あくまでも「ANGEL Dojo」の主役はチームの皆さんなので、「こうしなさい」といった指示ではなく、選択肢を提示してその先は皆さんにお任せしました。
岩佐さんは、エラーで悩んでいた時の技術的なアドバイスもですが、プラスの知見として「こんな本を読んでみるといいよ」と提案してくださったので、次のステップや成長を考えるきっかけとなってとてもありがたかったです。
時には、チーム内で潤滑油のようにコミュニケーションをとって場を和ませてくださり、元気や自信をいただくことも多々ありました。メンバー同士で密に連携をとってプロジェクトを進めることができたのは、岩佐さんの支えがあったからだと思います。
活動は週に二日、かつ丸一日ワークショップがあって開発に割ける時間が限られているといった、とてもタイトなスケジュールでした。そのため、スピード感を気にしつつ皆さんが負担に感じすぎないようにサポートしたいと思っていました。
ANGEL 賞受賞、そして頂上決戦へ!
最終発表で ANGEL 賞を受賞したとのことですが、おめでとうございます!
ありがとうございます。最終発表を迎える前の中間発表では入賞することができず、正直 ANGEL 賞を目指すのは厳しいかなと思っていたので、受賞した時は驚きました。中間発表での結果を受け止めて、いただいたフィードバックを糧にサービスを改良したので、そこが評価されたのだなと思います。
ANGEL 賞の受賞に満足して終えるのではなく、その先の頂上決戦に向けてさらに機能をアップデートしていく必要があったので、チーム一体となって励むことができて楽しかったです。
アップデートとは具体的にどのようなことを行なったのでしょうか。
最終発表後に「廃棄食材の消費期限」についてのフィードバックをいただきました。出品者と購入者の距離が遠いと食材を届けるまでに腐ってしまう可能性があるので、頂上決戦までの2週間で、互いの距離や届けるまでにかかる時間をマップ上に表示する機能を追加しました。
そして頂上決戦にて見事優勝されたとのことですが、本当におめでとうございます!時間が限られている中でも諦めずに取り組んだ結果が評価されたのですね。
ありがとうございます。機能面でもデザイン面でもこだわり抜いたサービスだったので自信がありました。ここまで来たら優勝するしかないと意気込んでいたので、無事にこのような結果となり安心しています。
新たに追加した機能もですが、アーキテクチャ図や CI/CD も評価していただけたので、本当に嬉しかったです。
3ヶ月間皆さんが試行錯誤していた姿を見てきたので、努力が優勝として形になり私も嬉しかったです。謙虚に学ぶ姿勢を持ち、高いモチベーションを維持してプロジェクトを進める様子を見て、私も初心に返るような良い刺激となりました。
学びを活かし、次世代のリーダーを目指す
最後に「ANGEL Dojo」全体を通して学んだことや、今後の目標を教えてください。
普段の業務では開発をメインに行なっているので企画フェーズの部分などは新鮮に感じました。今後の業務に取り入れて、より広い考え方で顧客の要望に応えられるように励んでいきたいです。
参加者の皆がプロジェクトに対して妥協しない姿勢を持っていたので、良い刺激を受けました。この経験をモチベーションに繋げて、お客様の課題を最適な形で実現できるようなエンジニアを目指していきたいです。
「Working Backwards」という Amazon 独自の考え方を学ぶことができました。また、「ANGEL Dojo」に参加するきっかけとなったチーム開発について、難しさや楽しさを体感できて良かったです。この学びを積極的に業務に活かしていきたいですね。
社内だけでは得ることができない知見が多く、特にサービスを1から作る考え方はなかなか普段の業務では体感できないので良い経験となりました。次世代のリーダーを目指して、主体的かつ挑戦的に取り組んでいきたいです。
「ANGEL Dojo」は技術面の勉強もですが、チーム開発のやりがいや苦労を体感できる貴重な機会です。全体を通して学んだ経験を今後の業務で活かし、次世代のリーダーとして活躍していってほしいですね。
編集後記
アイレットのエンジニアが「ANGEL Dojo」に参加するのは今年で3回目。
アイレット初の ANGEL 賞受賞、そして優勝ということで記念すべき機会となりました。
「ANGEL Dojo」に参加したチームの大半が自社のみのエンジニアで結成されていた中、アイレットと DWS の二社混合チームでの参加は、初めはコミュニケーション面などで不安も大きかったのではないでしょうか。
ですが、インタビューを通してそのような不安は一ミリも感じず、互いにエンジニアとしてリスペクトしながらサービスを作り上げ、このような結果となって話を聞いていた私も嬉しく思いました。
皆さんの「次世代のリーダー」としての今後のご活躍を期待しています。
最終発表と頂上決戦の詳細は AWS 公式ブログをご覧ください。
また、頂上決戦の様子は AWS 公式 YouTube にて公開中です。
プレゼンテーション、そして結果発表の瞬間をぜひチェックしてくださいね!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。