2023年7月から約3ヶ月間、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社が主催する「ANGEL Dojo for エンドユーザー with AWS パートナー(ANGEL Dojo)」が開催されました。
「ANGEL Dojo」は、“サービスの企画から実際にプロトタイプ作成をすることで、AWS を活用したチーム開発が体感できる実践型のトレーニング”です。
(詳しくはこちら: AWS JAPAN APN ブログ)
今年は、アイレットと株式会社アイディーエス(以下、IDS)の若手エンジニアがチームを組んで参加し、最終発表会にて「ANGEL 賞」を受賞、そして頂上決戦へと進出しました。
今回、参加メンバーであるアイレットの森田 基夢さん・森 柾也さん・小巻 玖美さん、IDS の小田巻 蓮さん・大島 雪乃さん、そしてメンターを務めたアイレットの玉衛 淳輝さん、IDS の小寺 加奈子さんにインタビューを実施し、「ANGEL Dojo」での活動内容や学んだことなどを聞きました。
ぜひご一読ください!
「ANGEL Dojo」に参加した理由
3ヶ月間お疲れ様でした!
まずは「ANGEL Dojo」に参加した理由を教えてください。
まずは「ANGEL Dojo」に参加した理由を教えてください。
今回のイベントを通して、要件定義からリリースまでの一連の開発プロセスを経験し、AWS における開発経験を本格的に積んでみたかったことが大きな理由です。上司からの声掛けもあり、参加することに決めました。
私も同じく、上司から声をかけてもらったことがきっかけです。
去年の「ANGEL Dojo」の活動を知って興味が湧いたと共に、業務では主に開発分野を担当しているため、アーキテクチャの構築も学べるならぜひ参加してみようと思いました。
去年の「ANGEL Dojo」の活動を知って興味が湧いたと共に、業務では主に開発分野を担当しているため、アーキテクチャの構築も学べるならぜひ参加してみようと思いました。
業務ではインフラ構築をメインに担当していて、“その先の行程でどのようなものが作られていくのか”という開発プロセスに関して学びを得たいと思い、参加を決めました。以前から「ANGEL Dojo」に興味はあったものの、去年は業務との調整ができず参加できなかったので、今年はリベンジができて良かったです。
私は今年新卒社員として入社したため、会社の研修にて技術の基礎を学んだ直後での参加となりました。まだ AWS に関する知識や経験が少ないので、「ANGEL Dojo」を通して確実に学びを得ることができると期待していました。
私も同じく新卒1年目で AWS にまだ詳しくない部分があるので、トレーニングにて理解度を深めつつ、さらに他社の方との合同チームで開発への経験が積めるのは貴重で面白そうな機会だと思い、参加を決めました。
玉衛さんと小寺さんは、今回の「ANGEL Dojo」でメンターを務められたとのことですが、メンターを引き受けた理由を教えてください。
社内から推薦をいただき、今までに得たインフラ構築からアプリケーション開発、スクラムマスターとしての経験から貢献できそうだと思い参加しました。また、いわば“修行”でもあるこちらの取り組みに対して若手エンジニアがエネルギッシュに取り組む姿勢を見ることで、自分も良い刺激を受けたかったことも、参加した大きな要因です。
「ANGEL Dojo」は内製化支援推進 AWS パートナーが参加できるトレーニングなので、IDS が今年の3月に同パートナーの認定を受けたことを機に、この度初めて参加する運びとなりました。
「ANGEL Dojo」の良さ・メンターの活動内容・来年度以降に向けた“参加者の人選基準”を理解するため、さらに何よりも「クラウドネイティブアーキテクチャを使用した開発を、新卒社員には一気通貫で経験してほしい」との想いでメンターとして参加しましたね。
「ANGEL Dojo」の良さ・メンターの活動内容・来年度以降に向けた“参加者の人選基準”を理解するため、さらに何よりも「クラウドネイティブアーキテクチャを使用した開発を、新卒社員には一気通貫で経験してほしい」との想いでメンターとして参加しましたね。
さらに、会社に属するエンジニアであれば社会貢献が可能なプロダクト開発、フリーランスエンジニアであれば個人開発がどのくらいの難易度か、「ANGEL Dojo」を通して想像・体感してほしかったですし、ビジネスからサービスを検討する取り組みのなかで、自分の長所を把握し今後のキャリアを検討するための材料にしてほしい想いもありました。
「ANGEL Dojo」では、お出かけを充実させる地図アプリ「ふらっと」を開発!
「ANGEL Dojo」では、具体的にどのような活動をしたのでしょうか?
まずは Associate レベルのハンズオンを事前に各々が受講し、7月に実施されたキックオフを踏まえて「ANGEL Dojo」がスタートしました。
初めの段階で“Working Backwards”というサービス企画に関する Amazon 独自の考え方を学び、その内容を元に具体的なサービス開発に向けてチームに分かれ、“企画フェーズ”へと取り掛かりました。
初めの段階で“Working Backwards”というサービス企画に関する Amazon 独自の考え方を学び、その内容を元に具体的なサービス開発に向けてチームに分かれ、“企画フェーズ”へと取り掛かりました。
一番初めにチームメンバーで集まった際、まずは開発したいサービス概要の大枠を話し合い、テーマの選定を実施しました。
その中で「複数撮影した写真で日記を自動生成できるアプリ」と「旅行中に行きたい場所が簡単に地図上で検索できるアプリ」の二つの意見が挙がり、どちらにするのか議論を重ね、結果的には地図アプリ「ふらっと」の作成を進めることになりました。
その中で「複数撮影した写真で日記を自動生成できるアプリ」と「旅行中に行きたい場所が簡単に地図上で検索できるアプリ」の二つの意見が挙がり、どちらにするのか議論を重ね、結果的には地図アプリ「ふらっと」の作成を進めることになりました。
そもそもなぜ地図アプリの案が浮かんだのか、そして開発しようと判断した決め手は何だったのでしょうか?
以前友人と旅行計画を立てている際にふと感じた手間が、今回のアプリ開発で解消できると思ったことがきっかけです。
まず旅行で行きたい場所を検索して複数挙げ、次に地図アプリでそれらを巡るルートを確認したところ、「限られた時間内で訪れるには遠く、別の場所を探さなければいけない」という状況を誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。この時、検索エンジンと地図アプリなど、複数のアプリを行き来する手間が発生すると思います。
そこで、地図上で範囲を限定・選択して検索できるアプリを開発すれば、手間も全て解決できると思い、このアプリを提案しました。
まず旅行で行きたい場所を検索して複数挙げ、次に地図アプリでそれらを巡るルートを確認したところ、「限られた時間内で訪れるには遠く、別の場所を探さなければいけない」という状況を誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。この時、検索エンジンと地図アプリなど、複数のアプリを行き来する手間が発生すると思います。
そこで、地図上で範囲を限定・選択して検索できるアプリを開発すれば、手間も全て解決できると思い、このアプリを提案しました。
日記の自動生成アプリは利便性が高いものの、「“自分で作るからこそ楽しい”と感じるのではないのか」「感情分析を自動化して勝手に判断しても良いのか」という懸念点があったため、より“ユーザー体験”を考慮している地図アプリの開発を進めようと判断しました。
メンターのお二人はどのようなサポートをされたのでしょうか?
基本は皆さんにお任せして、詳細な内容を詰めていく上で必要となる“軸の設定”に関して、メンターの立場からアドバイスをしました。
また、今までビジネス課題を一から考える機会はほとんど無かったと思うので、行き詰まった時にサポートを行ないました。皆さん各々が、自分たちが作りたいものを作り上げようとする姿勢を持っていたのが特に印象的でした。
その後はどのように進められたのでしょうか?
次に“設計・開発フェーズ”として、基礎知識・開発プロセス・手法を学びつつ実際にサービス開発へと取り組みました。私と森さんはインフラを、小巻さんと森田さんがフロントエンドを、小田巻さんがバックエンドとして役割分担し、常に連携しながら開発を進めました。
次から次へとサービスに取り入れたい機能が浮かび、週に二日の限られた時間内だと難しいと思う点もありましたが、何よりも AWS への理解度を深めながら開発を進められたこと自体がとても楽しく、やりがいを感じましたね。
開発を進めていく中で、工夫したことはありますか?
インフラ部分では、「信頼性が十分に担保されているのか」を AWS Well-Architected の観点から考えるように意識していました。その上で、まずは必要となるインフラの構築をメインに取り組み、後半では運用時に欠かせないセキュリティの観点も考慮して基盤を整えていきました。
フロントエンドでは、サービスの肝となる検索部分を特に工夫しましたね。
初めは検索処理に時間がかかりボトルネックになっていたのですが、AWS Lambda のメモリを見直したり API のパフォーマンスを改善したりして、結果的には3倍ほど検索処理を高速化することができました。
初めは検索処理に時間がかかりボトルネックになっていたのですが、AWS Lambda のメモリを見直したり API のパフォーマンスを改善したりして、結果的には3倍ほど検索処理を高速化することができました。
最終発表にて ANGEL 賞を受賞!
最終発表では ANGEL 賞を受賞されたのですよね。おめでとうございます!
ANGEL 賞:ビジネス的に優れている / サービス全体の完成度の高さという観点で参加者と聴講者から投票
ANGEL 賞:ビジネス的に優れている / サービス全体の完成度の高さという観点で参加者と聴講者から投票
ありがとうございます。最終発表を迎える前の中間発表で1位として評価いただいたので、そのプレッシャーを感じながら最終発表に挑みましたが、無事 ANGEL 賞を受賞でき素直に嬉しかったです。“企画フェーズ”から一つひとつこだわって作成してきたので、努力が報われて良かったと感じています。
アプリの実装はもちろん、発表に使用するスライドにおいても納得がいく完成度だったので、他のチームには負けないという自信がありました。その自信の通り、ANGEL 賞として評価いただけて嬉しかったです。
中間発表の時点での調子を保ちつつ、さらに右肩上がりでやっていけるのか、他のチームが追い上げてくるんじゃないかとドキドキしていましたが、小田巻さんと同様にサービスに対して自信があったので、結果を受けてまずは安心しましたね。
そうですね。同じく完成度やクオリティは高いレベルだと自負していたので、良い評価をいただけてホッとしました。
他のチームが作成したサービスはアーキテクチャも含めて魅力的な部分が多く、同じく旅行での用途を想定したものや全く似つかないものもありました。だからこそ評価をいただけるか不安でしたが、「課題に対するアプローチは何か」「強みは何か」といったサービスの良さ・アーキテクチャの良さをしっかりと伝えることができて、多様な候補の中でも自分たちのサービスを選んでいただけて本当に嬉しかったです。
そしてその後は頂上決戦がありましたよね。
どのような準備を行なって望まれたのでしょうか?
どのような準備を行なって望まれたのでしょうか?
サービスの拡充として、位置情報を活用した“クーポン配信機能”を追加しました。中間発表や最終発表にて「ユーザー体験が重要」とフィードバックをいただき、ユーザーがお出かけ先をさらに楽しめる機能が何かを皆で考えて実装しました。
最終発表から頂上決戦までは1週間と時間が限られていたので、ユーザー体験・開発に要する時間の二面から、実現可能な機能の選択をしましたね。
良いことづくしの「ANGEL Dojo」
最後に「ANGEL Dojo」全体を通して学んだことを教えてください。
アプリ開発に関する学びも多かったですが、何よりも AWS・Amazon ならではのプロダクトへの向き合い方を学び、新鮮に感じました。ビジネス面での考え方を身につけるきっかけとなり、非常に有意義な時間だったと思います。
とにかく AWS の知識量が増えました。また、そもそも開発経験が無い状態での参加だったので、「ANGEL Dojo」で一連の行程を経験し、全体のイメージが掴めたので良かったです。
開発の流れ・機能の実装にかかる工数など、開発状況を肌で感じることができて嬉しかったです。また、チームメンバーの各々が持っている根気強さにも刺激を受けつつ、お互いの良い部分を引き出しながら結果を残すことができたと感じています。
全体を通して、AWS ならではの考え方を学びながらサービスに触れることができました。さらに、企画から開発まで、他社の方と共に通貫して実施する機会はなかなか無いので、チームワークの形成を学ぶという点も 「ANGEL Dojo」ならではだったと思います。
“Working Backwards”を使ったお客様視点でのものづくりや、”BizDev(事業開発)の考え方など、開発とビジネスの両面を学ぶことができました。とにかく参加して良かったと感じることばかりでしたね。
メンターのお二人はいかがですか。
メンバーが成長していく姿を見れたこと、そして開発者自身が“自分が触りたい、作りたいプロジェクトを作る”経験をできたのが良かったと思います。
他社の方との交流やチーム開発ができることが「ANGEL Dojo」の良さだと感じました。さらに、何よりも自社のメンバーが成長していく姿を間近で見ることができて、メンターとしてとても嬉しかったですね。
編集後記
インタビューを通して、
- 自分の視野が広がる
- 学んだ知識をすぐに生かせる
- 作りたいものに対して全力で取り組める
- ビジネス面での考え方(プロダクトへの向き合い方)を学べる
- 技術面でもビジネス面でも必ず成長できる
という、「ANGEL Dojo」ならではの魅力を知ることができました。
とにかく良いことづくしの「ANGEL Dojo」。
興味のある方は来年ぜひチャレンジしてみてください!
最終発表と頂上決戦の詳細は AWS 公式ブログをご覧ください。
また、頂上決戦の様子は AWS 公式 YouTube にて公開中です。
より詳細なサービス内容や構成について、ぜひチェックしてくださいね!
それでは最後までお読みくださりありがとうございました!