アイレット社員の本音を深掘りするインタビュー企画。
今回登場するのは、エンタープライズクラウド事業部 事業部長の服部章平。
アイレット名古屋オフィスのエンタープライズ向け事業を統括する彼に、これまでのキャリアやアイレットに入社しようと思った決め手、チームづくりで大切にしていることなどを聞いてみました。
(聞き手:iret.media 編集長 一筆太郎)
エンタープライズクラウド事業部 事業部長
服部 章平 SHOHEI HATTORI
大学卒業後、自動車メーカーのディーラー系列のシステム会社に就職。販売店の基幹システムや在庫管理システムなどの開発・メンテナンスに携わる。2017年、アイレット入社。名古屋オフィスで自動車メーカー関係のプロジェクトを開拓し、2018年よりエンタープライズクラウド事業部 事業部長に就任。
1ミリのズレも気になるようになった、ディーラー系システム会社での仕様書作成修行時代
アイレットのメンバーに色々と取材をさせてもらっていると、「名古屋オフィスはすごい」という話がよく出てくるんです。自動車メーカーなど大手企業のプロジェクトを多数担っていることもそうだと思うのですが、“すごさ”の秘密をもっと詳しく知りたいと思いまして。今回はエンタープライズ向け事業を統括している服部さんにご登場いただきました。
ありがとうございます、恐縮です(笑)。
服部さんは名古屋出身ですか?
はい。名古屋生まれ、名古屋育ちです。
ずっと名古屋なんですね。昔から IT 系に興味が?
高校まではガッツリ文系で IT には全く興味がありませんでした。たまたま情報系の大学に進学したことがきっかけで、プログラミングなどを学び始めた感じですね。
なるほど。就職活動はどんな感じでしたか?
当時は就職難の時代だったこともあって、安定志向で知名度のあるシステム系の会社を見ていました。あとは名古屋から離れたくなかったので、名古屋の会社に絞り込んで(笑)。結局2社だけ受けて両方とも内定をいただき、自動車メーカーのディーラー系列のシステム会社に就職しました。
すごい! でも、本当に名古屋が好きなんですね(笑)。
名古屋人はみんな名古屋が大好きなんです、きっと(笑)。
就職した会社では、どんな仕事をしていたんですか?
最初の5〜6年ぐらいは、販売店の基幹システムや受発注システム、在庫管理システムなどの開発・メンテナンスに携わっていました。その後、自動車メーカー系の仕事だけでなく、鉄道会社の基幹システム開発など、外部のいろんなプロジェクトにもアサインされるようになりました。正直、一番しんどかった時代ですね(笑)。
何がつらかったんですか?
会社として受託開発の仕事をやり始めた時期だったので、やり方も体制もイチから作らないといけないですし、業務量もすごかったので。肉体的にも精神的にもハードでしたね。
それは大変ですね…。でも、今振り返るとそこで鍛えられた部分もあったんじゃないですか?
あ、それはすごくあると思います。もともと大手自動車メーカーの系列ですし、外部の受託案件も大手企業がお客様だったので、品質管理の技術を徹底的に叩き込まれました。
品質とは、具体的にどのようなものですか?
色々とあるのですが、特に仕様書と呼ばれるドキュメントに関する品質は非常に高いレベルが求められていました。たとえば、1,000万規模の案件で分厚いパイプファイル1冊分のドキュメントを作る必要があるのですが、内容はもちろん、誤字脱字から図表のズレまで細部にわたって厳しいレビューが行なわれるんです。
ボリュームもすごいですし、ほんの少しのミスも許されないと。
はい。つらかったですけど、そこで学ばせてもらった仕様書作成の技術は、アイレットでの仕事にもかなり活きています。
そこまで徹底的に鍛えられると、今でも細かいところが気になったりするんですか?
まさしく。ちょっとした資料を作る時も1ミリのズレが気になるんですよ。もともと、そんなことは全然気にしない性格だったんですけどね(笑)。
さらに高いレベルの仕事をするために。開発パートナーのアイレットに籍を移す
仕様書作成の修行時代を経て、その後はどのようなキャリアを?
30歳ぐらいの時に、再び自動車メーカー系列の案件に携わるようになり、スマートフォンアプリの開発を経て、Web サイトの AWS マイグレーション案件を担当しました。そこからですね、AWS にガッツリ携わるようになったのは。
それ以前にクラウド領域のご経験はあったんですか?
いえ、ほとんど。最初は分からないことだらけだったので、案件に携わりながらイチから学びました。でも、その時の開発パートナーがアイレットだったんです。
そこでアイレットに出会うんですね!
はい。現会長の齋藤(将平)がまだフロントに立っていた頃で、今思えばそのタイミングでアイレットからクラウドのことを深く学べたのは幸運だったと思います。その後、社内で AWS のチームを立ち上げて、新規事業を開拓するぐらいの知識やノウハウを身に付けられましたから。
そこから、どのような経緯でアイレットに転職することになったのですか?
おかげさまで、新規事業のビジネスの形が見えてきた頃には、社内で自分たちのチームがクラウドに一番詳しい状態まで成長することができました。一方、個人的には、もう一つ上のレベルにチャレンジしたいという思いも湧き起こってきたんです。
もう一つ上のレベルとは?
まさしくアイレットがやっているような、国内トップクラスのクラウドビジネスです。
開発パートナーだったアイレットのビジネスに魅力を感じたんですね。
はい。あと、単純にアイレットの“ノリ”の良さに惹かれた部分も大きいです(笑)。
あー、“ノリ”。分かる気がします(笑)。
風通しの良さやスピード感、新しい技術にチャレンジする姿勢、そして、その根底に流れている課題解決力やインテリジェンスなど。そういった“ノリ”の良さが、自分の気質に合っていたんだと思います。逆に当時のアイレットはまだそこまで事業規模が大きくなく、大手企業や大型プロジェクトの案件を回せる PM を必要としていたので、自分の価値や経験を提供できるとも考えました。そんなことを考えていた時期にアイレットからもオファーをいただき、入社を決めました。。
そうだったんですね。入社後はすぐ名古屋オフィスに?
はい。当時の名古屋オフィスは10人ぐらいの規模で事務所もまだ小さかったです。そこで前職の経験やコネクションを活用しながら、自動車メーカー関係のプロジェクトを幅広く展開していきました。
事業部長にはいつ就任されたのですか?
2018年にエンタープライズクラウド事業部が立ち上がったタイミングで、事業部長に就任しました。エンタープライズクラウド事業部は、エンタープライズ企業のクラウドパートナーとしてビジネス成長を支援することを目指している部署です。現在は自動車メーカーのテレマティクスや IoT 領域、ケーブルテレビ会社のビッグデータ基盤構築など、大型プロジェクトを中心に事業規模を拡大していく役割を担っています。
モビリティ、IoT、ビッグデータの3領域に軸を置き、エンタープライズ企業のビジネス成長を支援したい
服部さんが考える、エンタープライズクラウド事業部の強みはなんだと思いますか?
先ほど申し上げたアイレットの“ノリ”を最大限に活かしながら、高い品質基準や精緻なドキュメント作成など、エンタープライズ企業ならではの高度な要件に対応できるのがエンタープライズクラウド事業部の特徴だと思います。
そのような強いチームを作るために、事業部長として心がけていることはありますか?
特に大切にしているのはコミュニケーションですね。
それは、お客様とのコミュニケーションですか?
まずは社内ですね。社内コミュニケーションが円滑じゃないと、社外コミュニケーションもうまくいかないので。たとえば、案件共有などの定例会だけでなく、チームメンバーで雑談する場を定期的に設けたり、少人数チームを作って“お題”に取り組むような企画も実施しています。
“お題”とはエンジニア向けのものですか?
どちらかと言うと、エンジニアリングの仕事とは直接関係しないものですね。「チームでフィクションとノンフィクションを混ぜた面白い失敗談を作ってください」みたいな。
ユニークな取り組みですね。
他にも、新入社員には事業部メンバー全員と1on1ミーティングを行なう機会を設けています。やっぱり、お互いに人となりを知るだけで話しやすくなるし、質問したり頼りやすい関係性が作れると思うので。
なるほど。エンジニアだからこそ、そういうコミュニケーションが大事な気がします。
おっしゃるとおりです。自動化やロボットにはできない領域がエンジニアの価値だと思っているので。
そういった社内コミュニケーションの活性化が、プロジェクトの品質向上につながる部分もありそうですね。
そうなんです。社内コミュニケーションがうまくいくと、お客様とのコミュニケーションの質も変わってくるんです。そもそも、お客様にご満足いただける品質を作るためには、信頼関係がないと成り立ちません。それを作っていくのがコミュニケーションです。たとえば、担当者の方が言葉にしていない考えや要望を解釈して形にしてあげるとか、そういうことが信頼関係の構築につながり、ひいてはアウトプットの品質向上につながります。
最先端の技術やノウハウだけでなく、コミュニケーションも駆使してお客様を課題解決に導く。名古屋オフィスの“すごさ”のワケが、少し垣間見えた気がします。最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください。
まず事業部長としては、自分自身が何かを成し遂げたいというよりも、メンバーそれぞれ実現したい未来があると思うので、それを叶えられるようにサポートすることが自分の役割だと思っています。そして、エンタープライズクラウド事業部としては、自動車メーカーのプロジェクトを通じてモビリティ、IoT、ビッグデータの3領域を中心に最先端の技術を蓄積してきました。今後はそのノウハウをさまざまなプロジェクトに展開し、エンタープライズ企業のクラウドパートナーとしてビジネス成長を支援していきたいです。
本日はありがとうございました!