はじめに

はじめまして。「作りながら学ぶ Webシステムの教科書」という本を同僚より頂きました。アイレット、Webやクラウドに詳しい人がたくさんいて、今回のように本を頂く機会もよくあるのでよい会社です。おすすめです。

目次や紹介等は公式のサイトをみていただければと思います。

AWS歴10年くらいになる古参クラウドエンジニアなので、どちらかというと教える立場になることが多いです。その視点で感想を書きます。

どのような本か?

メインの読者対象はWebエンジニアやWeb管理者になりたい、なったばかりの人です。

物理本で頂いたのですが、480ページでボリュームある本でした。ただ比較的容易に読めるかとおもいます。
帯にも書いてあるのですが、実際に手を動かす「ワークショップ」が44個もあるのが理由です。
内容自体は要点の記載が多く、深掘りしている部分は一部です。たぶん全部深掘りしてたら10000ページでもたりないでしょう。

ワークショップは基本的なcurlやtelnet(今だとncのほうがよい?)の使い方からはじまり、KubernetesやWebRTCとかまであるので、扱う範囲がかなり広いです。これらを網羅して理解できているWebエンジニアはかなり「つよつよ」な方かなとおもいます。

ワークショップ実施でいきなり つよつよエンジニア には成れないですが、その端緒にはなれるという構成になってます。例としてWebRTCのサンプルなどわずか30行以下のコードでシンプルなのですが、その先に進みたい人のための参照リンクなどもあり、ワークショップで手を動かし、さらに深く知りたければWeb等で調べてほしいという意図が理解できます。

よかった点と気になる点

自分はUbuntuあまり詳しくないので、AppArmorだったり、lxdなど新たに知った情報がありました。

HTTPの技術について比較的ページを割いているのもよかったです。HTTP/3などの最近の技術まで含めてなぜ仕様が進化してきたのかが書いてあります。これは初心者にはちょっと難しいのかもしれませんが、経験者としてはここはやはり抑えて欲しいという気持ちもわかります。頑張って読んでもらいたいところです。

気になる点としてはセキュリティやIPv6系の話があまり書いてないです。なにも考えないでサーバたてるといきなりインターネットの大海原に無防備な状態になる可能性があり、サーバたてる系のワークショップについては事前に注意をしてあげたほうがよいかなと感じました。

どのような人におすすめ?

目次をみて気になる章がある人や、新人に教える人は一冊もっておいてよいかなと思います。

自分の場合は、新人さんが仕事に少しなれてきたところで、この本読んでもらって、わからないところを説明してある、というような副読本として利用しようと思います。

よくここまで広大な範囲をうまくこのページにおさめたな、というのが正直な感想です。
著者の鶴長様、よい本書いてくれてありがとうございました。

おしまい。