まえがき
みなさん、こんにちは大阪オフィス所属の上地です。
2024年6月7日(金)「Well Architected Mini Bootcamp for iret(コスト最適化の柱)」というアイレットとAWS共催のオフライン形式のセミナーに参加してきましたので、体験レポートを書いていきたいと思います!
本シリーズは第2弾となります、関連の参加レポートはこちら!
「『第1回 Well Architected Mini Bootcamp for iret(セキュリティの柱) in 東京』
この記事がAWS Well-Architected フレームワークを理解するための、一助になればとても嬉しいです。
「Well Architected Mini Bootcamp for iret」とは?
AWSがAPN(AWS Partner Network)の一員である企業を対象に定期的に実施している「AWS Well-Architected Partner Program Bootcamp」の特別版です。
セミナーの受講レベル
本来通常開催されている「AWS Well-Architected Partner Program Bootcamp」や「Mini Bootcamp」は、AWS Certified Solutions Architect – Professional相当の知識を持つエキスパート向けのセミナーです。
今回の受講レベルはAWS Certified Solutions Architect – Associate相当の知識を所持していることが前提となっています。
AWS Well-Architected フレームワークとは?
クラウド上でアプリケーションやシステムを設計・運用する際の重要な概念、設計原則、ベストプラクティスを集約したものです。主に6つの柱が定義されております。
- 優れた運用効率
- セキュリティ
- 信頼性
- パフォーマンス効率
- コストの最適化 ←今回はこちらの柱がテーマ
- 持続可能性
上述のフレームワークに沿ったクラウドアーキテクチャを目指すことで、システムの効率性、信頼性、セキュリティなどを高めることができます。
セミナーの概要
セミナー名
「Well Architected Mini Bootcamp for iret」
テーマ
「コストの最適化の柱」
開催日時
2024年6月7日(金)14:00〜19:00
場所
AWS大阪オフィス(中之島三井ビルディング)
弊社の参加メンバー
事業部の垣根を超えて、26名のメンバーで参加させて頂きました。
またその内ファシリテーターとしてiret 高橋修一が進行し、AWS 尾崎 周也さん・iret 言上 侑也と檜垣 慶太が参加者フォローという体制で開催されました。
Mini Bootcamp開始
当日のスケジュール
時刻 | 内容 |
---|---|
14:15-14:45 | ルール説明とお題読み込みタイム |
14:45-16:00 | グループディスカッションタイム |
16:00-16:15 | 休憩 |
16:15-18:00 | 発表とQA |
18:00-18:15 | wrap-up(まとめ) |
18:15-18:25 | アイレットでのWell-Archtected活用の取り組み |
18:25-19:00 | なんでも相談会、フリータイム |
Well-Architectedレビューの進行方法
大まかな流れは以下のように進んでいきました。
- ルール説明とお題読み込みタイム
- グループディスカッションタイム
- Well-Architectedレビューの実施(各チーム内)
- As-Is(問題点の抽出)
- To-Be(理想の状態)
- Well-Architectedレビューの発表(各チームごと)
- 質疑応答&ディスカッション
1. チームの編成
ファシリテーター・フォローを除いた23名から4名と3名のグループ構成でチームを編成し、Mini Bootcampが進んでいきました。
2. 自己紹介
チーム編成の後、まずは各事業部の所属と簡単な自己紹介から始めました。
ディスカッションタイムに入る前にまずはお互いをしっかり知ることで、自分の領域外からの意見も聞けそうだなとワクワクしました。
なお今回私達のチームは1人少ない3人構成でしたので、少し不安でした。
3. 与えられたシナリオの読み込み(各自)
※「与えられたシナリオ(架空の企業のシナリオ)」はネタバレとなるため省略します。
シナリオの読み込みは約10分あり、2回目の参加ということもあり割とスムーズに読み進めることができました。
「コスト最適化の柱」では、
実施するレビュー項目が11個(COST01~COST11まで)存在するため、予めチームごとに担当の項目が割り振られていました。
私はEチームでCOST4、COST8、COST10の項目をレビューすることになりました!
以下表は各チームへの担当振り分けの項目になります。
4. Well-Architectedレビューの実施(各チーム内)
このステップでは、2つの項目に沿ってチーム内でレビューを実施しました。
- As-Is(現状の問題点)を抽出
- To-Be(理想の状態)にするための提案
ディスカッションを通じて現状の問題点を整理し、改善の提案を行いました。
全てのチームがこれまでの静寂な雰囲気とは一転し、活発な議論がどこからも聞こえて盛り上がっていました!
私のチームではメンバーそれぞれの業務領域が異なっていたため、様々な観点からの意見が出て、とても新鮮で良い刺激を受けました。
私は社内開発に従事しており、他のメンバーはインフラ運用保守やカスタマーサクセスに携わっていました。
多職種でディスカッションすることの重要性を改めて感じました。
5. Well-Architectedレビューの発表(各チームごと)
チームEの発表!色々検討した内容を提案してきました!
6. 質疑応答&ディスカッション
このステップでは、各チームでまとめたAs-IsとTo-Beを発表し、その後チーム間でディスカッションを行いました。
「コスト最適化」というテーマに沿って、改善案の効果をAWS利用料金の削減額として具体的な数字でプレゼンしていたチームもあり、各チームの特色が出ていてどれも非常に面白かったです。
業務に活かせそうな気づき
盛り上がったディスカッションの中から、たくさんの気づきがありましたので以下にまとめさせて頂きました。(シナリオのネタバレとならない程度で..)
- EC2はとても優秀なコンピューティングーサービス。OSSと組み合わせることで、EC2をロードバランサー・DB・プロキシ・メッセージングやバッチ処理として運用も可能。これにより幅広い要件に沿ったシステムやアプリケーションを構築できる。
- 一方でOSSアップデートの追従やセキュリティ面でのリスク管理、様々なコストが高くなる傾向がある。
- 以下一覧のようなAWSマネージドサービスに移行することで、セキュリティや運用保守コストを下げることができる。
- ALB+ACM:証明書管理、負荷分散
- Route53:オンプレパブリックDNS管理削減、アウトバウンド通信量の削減
- CloudFront:Webサーバー不可軽減、キャッシュ利用、DDos攻撃の削減
- SNS:通知処理
- Lambda:バッチ処理
- Session Manager:踏み台サーバーの代用
- AWSなどのクラウドを浸透させる文化づくり
- CCoEといった専門チームの設立を通してクラウドを社内に浸透させることも有効
- Cost Anormary Detection
- 普段の使用料から大きく逸脱した異常な支出や原因を検出し、アラート通知してくれる不正利用検知サービス
初参加メンバーへインタビュー!
今回初めてMini Bootcampに参加した後藤田 勝也へ、参加前の意気込みと参加後の感想を聞いてみました!
参加前
普段はcloudpackをご利用のお客様に対しサーバーの運用保守業務に従事しています。
Well-Architectedレビューを行った経験はありませんが、AWSベストプラクティスに沿った提案やディスカッションをする力を身につけたく、参加に至りました。本日少し不安もありますが、頑張ります!
参加後
とても良い経験ができました。
グループを組んで、予め想定された企業やワークロードの説明があり、どのようなAWSベストプラクティスを提案し改善するべきかディスカッションを行いました。
自分の中で知識が不足していると感じる分野を見つけることができたり、普段運用業務に携わっているからこそ意見を述べることができた点もあり、大変ディスカッションが盛り上がりました!
これからの業務でもお客様と関わる時に今回の経験を活かしていきたいと思います!
まとめ
今回はiret向けに開催していただいた「Well Architected Mini Bootcamp for iret(コスト最適化の柱)」の参加内容をまとめました。
事業部をまたいだ勉強会でとても良い機会となりました。次回開催があればまた参加したいと思います。
2回目の参加となりましたが、前回とは異なるテーマで新たな学びが多くありました。
「コスト最適化」というテーマは、一見すると売上が減少するという見方があるかもしれませんが、実際には削減したコストを他のリソースに投資することで、システムの質を向上させる非常に重要な考え方だと感じました。
また、多職種の普段かかわりが少ないメンバーと積極的に意見を出し合い議論することで、自分の業務にも新たな視点を取り入れることができました。
今後の業務においても、この経験を活かしていきたいと思います。
最後まで閲覧いただきありがとうございました!
同じチームで熱いディスカッションをした社内メンバーとの記念写真で締めたいと思います!